▼山の軽口ばなし
本文のページ(05)
【とよだ時】(豊田時男
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武甲山にマツとフジが生えない(2)

【説明略文】
昔、武甲山にすむ山姥が、子連れ
の村人から子どもを隠して食べた
りして悪事を重ねていた。そこへ
やってきた行基菩薩は法力で山姥
を捕らえた。身動きできない山姥
は悔しまぎれに「この山に松とフ
ジは生えるな」と叫んだ。それか
らは両方とも生えなくなったとい
う。
・埼玉県秩父市と横瀬町


★お急ぎでない方は下記本文も。

【説明本文】

 埼玉県秩父市の武甲山(ぶこう
さん・最高点1304m)には、松と
藤が生えていないという伝説は
【山の軽口ばなし】でお伝えしま
した。

 西麓の埼玉県秩父市浦山地区は
別として、東麓の同県秩父郡横瀬
町側の人たちは松と藤が、1本も
生えていないといっているという
から本当のようです。

 また前回の話とは別の伝説もあ
ります。その昔、武甲山には恐ろ
しい神通力を使う山姥(やまんば)
が住んでいて、ふもとの子ども連
れの村人を見つけては、子どもを
隠して食べるという悪事を重ねて
いました。


 ある時、山で女の子を遊ばせて
いた母親が、ほんの少し目を離し
たすきに、女の子の姿がフッと消
えてしまいました。驚いた母親は、
狂ったようにあちこち捜し回りま
したが、どうしても見つかりませ
ん。母親はうろたえて泣くばかり。

 そこへ旅の僧が通りかかりまし
た。話を聞いた坊さんは、「山姥
の仕業に違いない」と武甲山山頂
に登り、17日間(27日間ともいう)
一心に祈願をしたという。山姥は
法力に勝てず、たまらず魔術を失
って坊さんの前に姿をあらわしま
した。

 こうして子どもは母親のもとに
戻りました。そしてあえなく山姥
は、松の木に藤づるで縛りつけら
れてしまいました。それもそのは
ず、この僧こそ全国行脚中のあの
有名な行基菩薩だったのです。


 行基に諭(さと)された山姥は、
いままでの罪を悔い、2度と里人
を食らわない証(あかし)として、
自分の歯を抜いて僧に渡しまし
た。

 しかし、山姥は悔しまぎれに「こ
の山に松と藤は絶えろ」と怒鳴っ
て息が絶えたという。それからは
武甲山には松と藤はなくなってし
まったということです。

 ちなみに、行基に渡した山姥の
歯(前歯1枚、奥歯2枚)は、横
瀬町苅米(かるごめ)にある萩之
堂(秩父観音札所六番・向陽山卜
雲寺)の宝物としていまも残って
いるということです。


▼武甲山【データ】
【所在地】
・埼玉県秩父市と埼玉県秩父郡横
瀬町との境。二等三角点(1295.4
m)と写真測量による標高点(13
04m)と武甲御岳神社の祠がある。

【位置】(国土地理院)
・標高点:北緯35度57分5.72秒、
東経139度05分52.05秒。※50mま
でアップすると標高点が消える。
・三角点:北緯35度57分06秒、東
経139度05分53秒

【地図】
・2万5千分の1地形図「秩父(東
京)」

▼【参考】
・『続・植物と神話」近藤米吉編
著(雪華社)1976年(昭和51)
・『日本山岳ルーツ大辞典」村石
利夫(竹書房)1997年(平成9)
・『増補ものがたり奥武蔵」神山
弘ほか(金曜堂出版部)1984年(昭
和59)



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