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山旅伝説伝承【ひとり画展】(05) 【とよだ 時】


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▼988号「東京奥多摩・月夜見山(つきよみやま)」

・【短略説明】
奥多摩に月夜見山というロマンチックな名前の山があります。御前
山と三頭山の中間にあり、そばを奥多摩周遊道路が走っています。
この名は檜原村方面での呼び方だという。『奥多摩』という本によ
ると、南東側から突き上げる月夜見沢あたりに月読ノ尊を祀る宮で
もあったのではないかとしています。
・東京都奥多摩町と檜原村との境。

▼988号「東京奥多摩・月夜見山」

【本文】
 東京の奥多摩に「月夜見山」というロマンチックな名前の山があ
ります。ちょうど御前山と三頭山の中間にあり、すぐそばを奥多摩
周遊道路が走っています。月夜見山という名は南東ろくの檜原村方
面での呼び方だそうです。

 北西ろくの奥多摩町方面では、京道(きょうどう)山というそう
です。またこの山の山頂付近の生層の岩塊によく岩茸(いわたけ)
ができるので、菌岩山ともいうそうです。さて、月夜見山の名前は、
南東側から突き上げる北秋川の支流、月夜見沢という沢の名からき
た名前だといいます。

 宮内敏雄著『奥多摩』によると、なぜこの沢に「月夜見」の名が
ついたかに関して、これは仮説だとした上で「その沢辺に月読ノ尊
(つきよみのみこと)を祀る宮でもあったからではないかと推う。
天照大神(あまてらすおおかみ)と御姉弟(きょうだい)の御神を
奉祀したこの神社が、藤原(集落)あたりの月夜見沢の滸(ほと)
りにあったのではなかろうか」としています。

 月読ノ尊といえば、伊弉諾尊(いざなぎのみこと)が、黄泉(よ
み)の国から逃げ帰って、橘(たちばな)小門(おど)の阿波岐原
(あはぎはら)で禊ぎをしたとき、右の目を洗った時にあらわれた
神。天照大神、建速須佐之男命(たけはやすさのおのみこと)とと
もに三貴子といわれているそうです。

 『日本書紀』の一書(あるふみ)によれば、三貴子のうち天照大
神は高天原(天)を治め、月読命は「日に配(たぐ)いて天の事を
知らせ」とあります。そして、このような話が記されています。あ
る時、この神(月読ノ尊)が、豊葦原(とよあしはら)の中国(な
かつくに・本土)に降りました。その時、保食(うけもち)の神が、
食物を口から吐き出し奉るのをみて怒った月読ノ尊は、保食(うけ
もち)の神を剣で殺してしまったのです。

 天に帰ってこのことを報告したところ、天照大神は大いに怒り、
「汝(いまし・月読尊のこと)は悪しき神なり。相見(あいみ)る
べくもあらじ」といい、天照大神は日中に、月読ノ尊は夜をつかさ
どるようになり、天照大神と月読ノ尊は別々に住むことになったと
いうことです(『古事記』、『日本書紀』神代上・第五段)。

 さて、月夜見山の真南に風ッ張峠(標高1170m)があります。『日
本山名事典』では「かざはりとうげ」となっていますが、先出の『奥
多摩』によると「かざっぱり」が本当なのだそうです。この峠は地
形の関係からか、吹き上げる風が強いのでその名があるという。

 これは、埼玉県飯能市付近の「サムサノ峠」とか、各地の風の吹
き上げする場所の呼び方と同じような名前だといいます。この峠は、
かつては檜原村倉掛(くらかけ)集落から倉掛尾根を経て、奥多摩
町の奥多摩湖南岸の日指地区に向かう交通路だったという。ここも
奥多摩有料道路が通り、まさにこの場所が東京の有料道路の最高地
点になっているそうです。冬は交通が不能になるところ。秩父多摩
国立公園。

▼月夜見山【データ】
【所在地】
・東京都奥多摩町と檜原村との境。青梅線奥多摩駅の南東8キロ。
JR五日市線奥多摩駅からバス、藤倉停留所下車、歩いて3時間で
月夜見山。三等三角点(1447.0m)がある。
【位置】
・三等三角点:北緯35度45分24.37秒、東経139度2分30.05秒
【地図】
・2万5千分1地形図名:奥多摩湖

▼【参考文献】
・『奥多摩』宮内敏雄(百水社)1992年(平成4)
・『角川日本地名大辞典13・東京都』北原進ほか(角川書店)1978
年(昭和53年)
・『神々の系図』川口謙二(東京美術)1981年(昭和56)
・『古事記』:新潮日本古典集成・27『古事記』校注・西宮一民(新
潮社版)2005年(平成17)
・『日本山名事典』徳久球雄ほか(三省堂)2004年(平成16)

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from 20/10/2000


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・人生やっても駄目なことばかり、どうせ駄目なら酒飲んで寝よか。