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山旅通信【画っ展】02
【とよだ 時】

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▼山旅【画っ展】972号「奥秩父・小川山」

【短略説明】
小川山は、『日本名勝地誌』に「風景絶佳なるにもあらず」とある
ようにこれといって特徴がない山。しかしフリークライミングのゲ
レンデときたら、「お殿様岩」、「お姫様岩」、また登攀ルートにも
「天まであがれ」、「クレイジー・ジャム」、「レタス畑でつかまっ
て」などおとぎ話に出てくるような夢のある名前がついています。
・山梨県北杜市と長野県川上村にまたがる。

▼山旅【画っ展】972号「奥秩父・小川山」

【説明本文】
 奥秩父の小川山は、山梨県と長野県の境にある山。フリークライ
ミングのゲレンデとして人気があります。このゲレンデは長野県側
山ろくの川上村、廻り目平にある花崗岩の岩峰群のこと。小川山山
頂は、明治時代の『日本名勝地誌』(野崎左文著)に、「本国名所居
倉山なりと云ふ。確証なし。又風景絶佳(ぜっか)なるにもあらず」
とあるように、これといって特徴のある山ではありません。

 しかしフリークライミングのゲレンデは、針峰群がひしめいてい
て、それぞれに「おむすび山スラブ」、「お殿様岩」、「お姫様岩」、
「イムジン河」、「リバーサイド」、「最高ルーフ」などというおと
ぎ話に出てくるような名前がついています。また登攀ルートにも「天
まであがれ」、「クレイジー・ジャム」、「レタス畑でつかまって」、
「コアラ」など名づけられています。重厚な名前で呼ばれる谷川岳
や穂高連峰の岩場とくらべ、「ノーテンキ」なほど明るい雰囲気で
す。

 さて小川山(おがわやま)とは、長野県川上村方面からの呼び方。
南西麓の山梨県北杜市須玉町(旧北巨摩郡須玉町)小尾地区では「コ
ガワヤマ」とか大双里山とも呼んでいたといいます。しかし大双里
山は、いまは小川山の西方のピークをいっているようです。小川山
の山頂は樹林に囲まれ、展望がない分だけ訪れる登山者が少なく、
その分奥秩父らしい静けさがあります。モノは言いようですが。

 それでも山梨県側は昔からの植生が残り、うっそうとした樹林の
なか、奥秩父特有の苔が覆う林床が目立ちます。静かな山で薄暗い
林間に明るいアヅマシャクナゲがほほえんでくれました。また岩塊
の蘚苔類をはがすと径数10センチもの水晶の結晶塊をみつけるこ
とがあります。これをとる登山者が増え、一時乱獲されたことがあ
りましたが、いまは禁止になっています。

 長野県側山ろくの川上村は、三国峠、十文字峠と2つの峠があり、
それぞれの峠を越えて江戸に往来し、この道は昔から経済・文化交
流の道でありました。またここは、平安時代に開山されたという金
峰山の登山口でもあり、修験の霊場として庶民の信仰を集めたとこ
ろです。
 そのせいか修験道の守護神である大日如来をまつった大日堂が廻
り目平にあります。胎内には永禄4年の銘のある「お大日さま」が
まつられているという。

ここは戦国時代の天文年間(1532〜55)ごろから甲斐武田氏の
領有になりました。この村には金山があり武田信玄により採鉱され、
古跡や砕鉱の石臼なども発見されています。その金山はおもに修験
者が開発したものという。

 信玄の子・勝頼が、徳川家康・織田信長連合軍と戦った「長篠の
戦い」には、この土地からも多くの農民が参加。戦死する者や逃亡
する者が大勢いたという。ここ川上村秋山集落の出で、武田の家臣
に秋山入道という人もいたそうです。

 昔はこの山麓は生活が厳しく、江戸天保9年(1838)の「川端下
村」差出明細書上帳には「…寒強九月上旬ヨリ雪積リ四月下旬迄積
リ御座候冬春 者 武州甲州其外隣国ヘ杣木挽渡世ニ而罷越(まかり
こし)申候村中男十五才ヨリ六十才以上迄罷出候」とあります。高
冷地野菜で名を高めたいま、時代の移り変わりを感じます。

▼小川山【データ】
【所在地】
・山梨県北杜市須玉町(旧北巨摩郡須玉町)と長野県南佐久郡川上
村にまたがる。JR小海線信濃川上駅の南東11キロ。JR小海線
信濃川上駅からバス、川端下停留所下車、歩いて1時間40分で廻り
目平キャンプ場、4時間40分で小川山。二等三角点(2418.43m)
がある。
【位置】
・三角点:北緯35度54分34.52秒、東経138度36分44.29秒
【地図】
・2万5千分1地形図名:瑞牆山。


【参考文献】
・『角川日本地名大辞典19・山梨』竹内理三編(角川書店)1991年
(平成3)
・『角川日本地名大辞典20・長野県』市川健夫ほか編(角川書店)
1990年(平成2)
・『信州山岳百科3』(信濃毎日新聞社編)1983年(昭和58)
・『信州百名山』清水栄一著(桐原書店)1990年(平成2)
・『新日本山岳誌』日本山岳会(ナカニシヤ出版)2005年(平成17)
・『日本山名事典』徳久球雄ほか(三省堂)2004年(平成16)
・『日本歴史地名大系20・長野県の地名』(平凡社)1979年(昭和54)
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