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【新・ふるさとの神々なんでも事典】(10)
【とよだ 時】漫画家(駄画師)、ゆうもぁ画文業

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◆こんな話みつけました◆

▼人面蛇身の福の神・宇賀神

【説明略文】
街の中の寺院でも宇賀神堂(うがじんどう)と書かれた立札をみま
す。宇賀神は穀物の神。だから福の神。福の神なので七福神のひと
つ弁財天でもあり、また弁財天と夫婦神なのです。その像は人面蛇
身像としてあらわされる福の神です。

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【本文】

 街の中の寺院でも宇賀神堂(うがじんどう)と書かれた立札をみます。

「ウガジン?」宇賀神てナンダ?「宇賀神は穀物の神さ」。エッ、コクモ

ツ?。「だから福の神だな」ヘエ。「福の神なので七福神のひとつ弁財天

でもあり、また弁財天と夫婦神なのだ」????。「その上稲荷と習合し

てキツネの神でもある」ときたもんだ。


 こんなにワケのワカラナイ神さまもメズラシイ。なにがなんだか神なので

あります。


 そもそも宇賀神の宇とは梵語(ぼんご)の「宇賀耶」を日本語に訳したも


の。財施からきており福神とされるとか。


 また日本神話の食稲魂命(うけのたまのみこと)や保食神(うけもちのか

み)と音が似ている(ほんとかいな?)ところから同じ神だといわれている

んだと。


 食稲魂命は、スサノオノミコトの子で宇迦之御霊命(うかのみたまのみ

こと)とも書きます。「うが」は「うけ」に通じ、食の意味。食物を司る神だと

いいますが、ちょっとこじつけのような気もするよ。ムリムリ……。


 保食神は大宜都比売神(おおげつひめのかみ)と同じ神です。保食神

は月夜見尊(つきよみのみこと)に口から食べ物を出してごちそうしようと

した。月夜見尊は「きたない!」と怒り、保食神を殺してしまいました。する

とその死体から五穀が生じたとするものであります。これも「うか」が「うけ」

に通ずるところという。


 また宇賀神さまは白蛇を神として祭つるともいい「宇」は宇宙の宇で天

のこと、虚空蔵(こくぞう)菩薩(すなわち父・金剛界)であり、「賀」は地の

ことで地蔵菩薩(すなわち母であり胎蔵界)、「神」はどういうわけか観世

音菩薩だといい、総じると弁財天になるのだそうであります。


 このような複雑怪奇(宇賀神サン、ばちあてないで!)な神でも「宇賀

神のようにとも綱まいて置き」という川柳があるように漁村にまで広く信仰

される神であったのであります。


▼【参考文献】
・『民間信仰辞典』桜井徳太郎編(東京堂出版)1984年(昭和59)
・『信州の石仏』曽根原駿吉郎(文一総合出版)1980年(昭和55)
・『日本石仏事典』庚申懇話会(雄山閣)1979年(昭和54)
・『宿なし百神』川口謙二著(東京美術刊)1979年(昭和54)



▼CDブック新・ふるさとの神々事典から引用しました。
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