山の歴史と伝承に遊ぶ 【ひとり画ってん】

山旅通信【ひとり画展】とよだ 時

▼353号「八ヶ岳・美濃戸のバイパス新道」

【概略】
美濃戸口バス停から行者小屋方面に向かう。林道わきに国道クラス
の広い道を造成中。工作機械が原生林をわがもの顔に削りとってい
た。次回に行った時にはまるで途中で放り投げたように工事が終わ
っていた。工事で倒された松の木々に小鳥かリスの巣がついたまま
だった。長野県茅野市

▼353号「八ヶ岳・美濃戸のバイパス新道」

【本文】
八ヶ岳の名は8つの峰からなるからとする説と八は多数を示すとす
る説があります。8つの峰は具体的にどことどこをいうとか山の名
をあげている本などもあります。

この8については当地の地誌「甲斐国志」のなかに「八葉ニ分ルル
ユエニ名トス」とあるのが由来の起因とされています。また権現岳
にまつられた檜峰神社の祭神八雷神の八からきているともされてい
ます。

明治17年20万分の1図に権現岳に八ヶ岳と記してあったり、権現岳
一帯に八ヶ岳の字名が残されている地図があるという。

八ヶ岳の主峰赤岳や阿弥陀岳の行者小屋、また硫黄岳の赤岳鉱泉に
向かうには茅野駅経由で美濃戸から入ります。

美濃戸バス停で身支度し、林道をつかず離れず薮や赤松の樹林帯の
中の道や林道を歩いたりしながらゲートのある美濃戸山荘まで歩き
ます。

ある秋、バス停からしばらく行った林道わきに広い道をまっすぐに
造成中でした。ショベルのような工作機械が原生林を削りとってい
ます。バイパスでも造るのでしょうか。

次回に行った時には途中で中止したように工事が終わっていまし
た。工事で倒された松の木々に小鳥かリスの巣がついたままになっ
ているのがちょっと気になりました。

▼美濃戸口林道【データ】
【所在地】
・長野県茅野市。JR茅野駅からバス美濃戸終点から林道。付近に
何もなし。地形図上には何も記載なし。

【位置】
・【林道】緯度経度:北緯35度59分4.22秒、東経138度18分32.9
秒(国土地理院「電子国土ポータルWebシステム」から検索)

【地図】
・2万5千分の1地形図「八ヶ岳西部(甲府)」

【山行】八ヶ岳縦走
・某年9月23日(日・晴れ)探訪

【参考】
・「日本歴史地名大系19・山梨県の地名」(平凡社)1995年(平成7)
・「甲斐国志」(松平定能(まさ)編集)1814(文化11年):(「大日
本地誌大系」(雄山閣)1973年(昭和48)
・「角川日本地名大辞典19・山梨県」磯貝正義ほか編(角川書店)1
984年(昭和59)

山と田園の画文ライター
イラストレーター・漫画家
【とよだ 時】

………………………………………………………………………………………………
山旅イラスト【ひとり画展通信】
題名一覧へ戻る