山の歴史と伝承に遊ぶ 【ひとり画ってん】

山旅イラスト通信【ひとり画展】とよだ 時

▼329号  「東北・吾妻連峰吾妻小富士お鉢めぐり」

【概略】:
富士山をそのまま小さくしたような吾妻小富士。すり鉢を伏せたよ
うな形なので摺鉢山の名もある。すぐそばの磐梯吾妻スカイライン
の浄土平停留所には駐車場、レストハウス、移動郵便局まであり観
光客で賑わっている。同じお鉢めぐりでも観光客が多い。
・【所在地】福島県福島市

▼329号  「東北・吾妻連峰吾妻小富士お鉢めぐり」

富士山をそのまま小さくしたような東北福島県の吾妻小富士。すり
鉢を伏せたような形なので摺鉢山の名もあります。「日本山岳ルー
ツ大辞典」によればアヅマとは東国をさし、フ・ヂは古語で、フは
飛ぶ。ヂは地、土地。土砂を飛ばす火山とあります。

山頂には直径600m、深さ120mもある火口があります。しかし火口
湖がないところを見ると火山岩屑が雨水を通しているのではないか
と見られています。

雪解けのころ、この山の北東斜面にできるウサギの雪形は有名です。
「種まき兎」として福島地方に民話として伝わっています。

吾妻小富士のすぐそばには、磐梯吾妻スカイラインが走り、浄土平
停留所には駐車場、レストハウス、移動郵便局まであり観光客で賑
わっています。

ここは吾妻連峰一切経山南東にあり旧破裂口の底にできた平坦地
で、明治中期まで湖沼をたたえていたという。昭和6年ごろの地図
には硫黄製造所が記載されています。北部のブス付近で採鉱し、越
冬して精錬を行っていたという。

10月も下旬、吾妻連峰縦走の途中に寄ってみました。いや〜まった
くまったく本物の富士山をそのまま小さくした感じです。違うとこ
ろは、お鉢めぐりをする人に観光客が多いということぐらいか。そ
れにしても強風は寒かった。

▼【データ】
【山名】・吾妻小富士・擂鉢山(すりばちやま)

【所在地】
・福島県福島市。東北本線福島駅の西17キロ。JR福島駅からバ
ス浄土平下車、10分で吾妻小富士。写真測量による標高点(1707
m)がある。地形図に山名と標高点と標高点の標高の記載あり。

【位置】
・標高点:写真測量による標高点(1707m)。【緯度経度】北緯37
度43分19.63秒、東経140度15分48.88秒(国土地理院「電子国
土ポータルWebシステム」から検索)

【地図】
・2万5千分の1地形図「土湯温泉(福島)」(国土地理院「地図閲
覧サービス」から検索)

【山行】磐梯山から吾妻連峰縦走
・某年10月20日(日・晴れ)探訪

【参考】
・「角川日本地名大辞典7・福島県」小林清治ほか編(角川書店)1
981年(昭和56)
・「新日本山岳誌」日本山岳会(ナカニシヤ出版)2005年(平成17)
・「日本山名事典」徳久球雄ほか(三省堂)2004年(平成4)
・「日本山岳ルーツ大辞典」村石利夫(竹書房)1997年(平成9)

山と田園の画文ライター
イラストレーター・漫画家
【とよだ 時】

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山旅イラスト【ひとり画展通信】
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