とよだ 時 「山の伝承伝説」民俗画
山旅イラスト通信【ひとり画展】

▼320号「新潟県苗場山フクベ平の野猿と赤湯

【概略】
苗場山から続くフクベ平は気持ちのよい平坦地。登山道わきから逃
げ出す野猿。憩いの時間をジャマしたらしい。やがてついた赤湯の
源泉名は黄金の湯。後ろで家内が騒いでいる。草木の葉の奥にちょ
っぴり蛇の頭が見える。嫌なものにはよく目がいくものだ。
・新潟県湯沢町

▼320号「新潟県苗場山フクベ平の野猿と赤湯

新潟県の神の田んぼといわれる苗場山(標高2145.3m)から南東へ延
びる昌次新道を下ります。6月下旬だというのに残雪が多い。山頂
の湿田の木道が途中から雪の中に潜っています。

ガイドブックにある岩場付近は雪をすべり降りるようです。しばら
くして樹林帯になりブナ林に囲まれた気持ちのよい平坦地フクベ平
に出ました。

ここは棒沢の支流フクベ沢が突き上げてきているところ。山道脇の
溝あたりの草が動物たちに倒されたり食いちぎられたりしたように
荒れています。

突然草やぶのなかを逃げ出す黒い影。野猿の群れです。これは失礼、
せっかくの憩いの時間をジャマしてしまったらしい。川原を歩き、
やがてついた赤湯。台地に旅館があります。

1918(大正7)年開業の旅館だそうで川原に露天風呂があります。
源泉名は黄金の湯。胃腸病に効能があるという。入っていくか迷い
ましたが、ここからバス停までまだ4時間弱の行程。

それでなくてもこの暑さ。どうせ汗まみれになってしまうので遠慮。
後ろで家内が騒いでいます。重なり合った草木の葉の奥にちょっぴ
り蛇の頭が見えます。嫌なものにはよく目がいく、大笑いの一こま
でありました。

▼【データ】
【所在地】
・新潟県南魚沼郡湯沢町。上越新幹線越後湯沢駅からバス40分元橋
下車歩いて6時間40分でフクベ平。地形図に昌次新道名と標高点15
70mの記載あり。

【位置】
・フクベ平:北緯36度49分36.35秒、東経138度42分50.14秒(国
土地理院「電子国土ポータルWebシステム」から検索)

【地図】
・2万5千分の1地形図「佐武流山(高田)」(国土地理院「地図閲
覧サービス」から検索)

【山行】苗場山山行
・第2日:1995年(平成7)6月25日(日・晴れ)探訪:1995年(平
成7)6月24日(土)、25日(日)「越後湯沢駅・祓川・苗場山・赤湯
・元橋バス停・越後湯沢駅」:家内と同行

山と田園の画文ライター
イラストレーター・漫画家
【とよた 時】

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山旅イラスト【ひとり画通信】
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