■第7章 育児・家庭

……………………………………

 

▼中 扉

【育児・家庭】
 ・結婚記念日
 ・新築(建前、もち投げ、新築祝い)
 ・中元
 ・歳暮
 ・転勤
 ・転居
 ・病気見舞い(快気祝い)
 ・誕生日(誕生石、星座)
 ・育児(ひきつけ、夜泣き、迷信、予防接種)

−p

……………………………………

・結婚記念日

 結婚記念日は、もと欧米の風習で5年目、15年目、25年目、50年目、

60年目などをいっていたそうですが、次第にはでになりいまではスズ婚

式、やわら婚式、木だ、皮だ、はては象牙まで記念日にしてしまうしまつ

です。



 キリスト教の国では、昔から個人にかぎらず団体でも、記念すべき日や

創立記念日を祝う風習がありました。19世紀半ばころのイギリスでは最初

に書いた5回だけでしたが、アメリカでは75年目のダイヤモンド婚まで祝

う年数を増やしていたそうです。



 明治23(1890)年、日本での金婚式第1号が新聞で報道されたとい

う。それによれば、「宮城県桃生郡中津山(いまの石巻市桃生町)の人、

千葉泰蔵氏は結婚の後五十年がへて………………このたび金婚式を

施行するよし。我が国にてはこの人をもって、こう矢(し)とすべし」(東京

日々新聞)。この4年後、明治天皇の大婚25年祝典が行われ、それから

というもの結婚記念日が一般に広まりました。



 ちなみに結婚記念日を羅列してみますと、1年(紙婚式)、2年(わら婚

式)、3年(草婚式)、5年(木婚式)、7年(花婚式)、10年(錫婚式)、12

年(皮婚式)、15年(銅婚式)、20年(陶婚式)、25年(銀婚式)、30年

(象牙婚式・真珠婚式)、35年(珊瑚婚式)、40年(緑玉婚式・ウール婚

式)、45年(紅玉婚式・絹婚式)、50年(金婚式)、60年(イギリス・ダイヤ

モンド婚式)、75年(アメリカ・ダイヤモンド婚式)とならびます。



 かつて日本では、新時代の生活に必要な贈り物ということで8年目が

電気器具婚式などともいったそうです。

−p146−

……………………………………
・新 築
文章んが


 キョウビは、交通の便優先ということもあり、マンション、マンション。しか

し構造偽造事件もあったりして、一戸建てはやはり人気があります。



 木造住宅の新築工事は地鎮祭からはじまります。ひとは天神と同じよう

に地神もいると考えました。地鎮祭はその神をまつり、その敷地を神から

もらい受け、土地の悪霊をしずめ工事の安全を祈ります。しめ縄を張り神

主を招いて執り行います。地鎮祭はくわ入れ式ともいい、建材や大地を

支配する神さまに感謝し許可を得るわけです。



 それから仮設工事、基礎工事、本工事に入り、棟木をあげて建前。内

装、外装工事から設備工事をへて完成です。そのほかコンクリートブロッ

ク造り、軽量鉄骨造り、鉄筋コンクリートなどありますがそれぞれ一長一

短。間取りだ、壁や床、天上の色合わせ、ご近所に挨拶、住宅ローンの

手続きだと気の休まる暇はありません。

−p147−

……………………………………
・建 前
文章んが


 家の骨組みができて棟上げがおわると、どういうわけが棟上げ式を行う

シキタリがあります。建前(たてまえ)といい、建築主が大工さんにお酒を

出してごちそうします。棟の上には魔よけの弓矢をのせ酒や米を供えたり

します。



 ムカシは建前には餅や小銭をまいたりしました。いまでも地方へ行くと

時どき見かけることがあります。また地方によっては屋根ふきがすむと主


人が、一晩そこで過ごすならわしがあったそうです。



 それは「ふきごもり」といい、最初に悪魔が泊まったりしないように一晩

中見張るのだともいわれます。

−p148−

……………………………………
・もちなげ
文章んが


 いまでも地方へ行くと、家の建前(たてまえ)にもちを投げるのを見かけ

ます。これは神前に供えるシトギもちで、かつては「わらづと」に入れて小

銭といっしょにまいたそうです。これを拾って、頭痛のときや赤ちゃんの夜

泣きのとき、枕元におくとなおるなどといったそうです。



 もちなげのとき大工の棟梁(とうりょう)は、すみのもちとか四方もちという

大きなもちを四方の柱に向かって投げました。四方もちのほかに大もちと

いうのを投げ、それを大の男が奪い合います。大もちはもまれた方がめで

たいとされ、引きちぎられた小さなかけらをみんなで分けて食べます。



 もちは元来、晴れの日の食べ物。それには神霊、魂が宿るとされ丸い

形は心臓を表しているのだそうです。

−p149−

……………………………………
・新築祝い
文章んが


 家を新築すると見に来てくれと招かれます。他人の家をわざわざ見に

行っても仕方ないというのがホンネです。でもせっかくの招待、むげに断

るわけにもいけません。家をほめてあげましょう。



 ここをこうした方がよかったとか、私の家はこうしたなどと言わないよう。

また、火に関することばや話題は禁句だそうです。



 お祝品も、ストーブなど火に関係あるものを贈ってはいけないのだと

か、シチメンドウなことではあります。ファンヒーターはどうなんだろーネ?

新築祝いのお返しにはなにかを「入れる物」を返す習慣があるといいま

す。

−p150−

……………………………………
・中元 歳暮
文章んが


 ムカシ、中国で旧暦の正月15日を上元、7月15日を中元、10月15日

を下元といい、合わせて三元といいました。このなかの中元に人をもてな

せば、知らずに犯した自分の罪が許されるといわれたそうです。この風習

が日本にも伝来、お盆の行事と合わさって物を贈る習慣となって残って

います。



 盆は先祖を供養するばかりでなく、生身霊(いきみたま)、つまり生きて

いる父母や恩人に贈り物をする風習もあります。これが中元の本来の姿

で室町時代からつづいてきた習俗だったそうです。歳暮もはじめは、祖

先の霊(たま)祭りとともに、いま生きている親の健康を祝うため、もちや魚

を贈ったのがもとになっているといいます。



 上元・中元・下元の三元は、道教の三官信仰からきているという。三官

とは天官、水官、地官をいいます。



 天官は上元(旧暦正月15日)に生まれ、福を与える神。水官は下元

(旧暦10月15日)に生まれ、水や火の災いを防ぐ神。また地官は、中元

(旧暦7月15日)に生まれ、善悪を分別し人間を愛し、罪を許す神だと考

えました。

−p151−

……………………………………
・転勤・転居
文章んが


 サラリーマンととって転勤はつきものです。子どもの教育の関係で単身

赴任が多くなり、社会問題化しています。転勤のあいさつは先輩や上司

などなどにはだいたいハガキですませているようです。栄転祝いなどの

記念品は鎌倉時代からの行われた習慣だとか。こういう習慣は長くつづく

ものです。



 よく「餞別を送る」といいますが、餞別の餞は馬に対しての贈り物の意

味だとか。馬に乗って遠くへ行く人に、馬のエサが買えるほどの金品を贈

ることだそうです。絵馬にしろ、引き出物にしろ、かつては馬はそれほど

大切な動物だったんですね。



 ちなみに転居とは、同じ市町村の中で移転した場合いをいい、その他

は転出転入というんだそうです。

−p152−

……………………………………
・病気見舞い
文章んが


 ムカシは、病気見舞いというのは病人が重体になってから行くもので、

早くからお見舞いに行くと嫌われたのだそうです。たしかに大勢で見舞い

に押し掛けられると迷惑です。いまは簡単に入退院するため、少しぐらい

のことは知らせないようです。



 見舞いが逆効果にならないよう、病院に行く時期、時間方法など気を

配るようにとものの本に載っています。



 また、いつの世にも縁起をかつぐ人はいるものです。見舞い品も「根

(寝)つく」といい、鉢植えをきらうとか、数でも4は死、9は苦でどうのこうの

と、ウジャウジャ。気を使うこっちが病気になってしまいます。

−p153−

……………………………………
・快気祝い
文章んが


 病気見舞いに対して、病気がなおったとき、快気祝いの返礼をするの

がシキタリだそうです。かつては全快祝いといっていたようですが、全快し

ていなくても一応退院ということもあり、そんなときは全快ではウソになるの

で、苦しまぎれにできた言葉かも?



 昔は身を清め、赤飯をたいて神棚に供え、全快祝いをしたそうです。

出費もかさんでいる時期、大げさなことは控えたいものです。それでも気

がすまないという人は「祝いごとは倍返し」や、下記の「昔風の全快祝い」

でドーゾ。



 「昔の全快祝い」:身をきよめ、髪を整え、赤飯をたいて神仏に供えてと

なり近所に配りました。また、願かけをした神に「願解き」として金品を供え

たそうです。



 「いまの快気祝い」:病気見舞いは、もともと心配してきてくれたもの。へ

たな快気祝いの品物より心のこもった礼状の方がなによりのお返しになる

そうです。

−p154−

……………………………………
・誕生日
文章んが


 もともと日本では、初誕生以外の誕生日を祝う風習はありませんでし

た。いまのように年ごとの誕生祝いやプレゼントするのは、明治時代ヨー

ロッパの習慣が入ってきてからのことだそうです。



 バースデーケーキに刺した年の数のローソクを一息で消します。これ

は成長した自分の力を認めさせ、きょうの誕生日を契機に過去を消し去

り、新規に出発しようとの意味だそうです。



 またパーティは、大勢で飲食することで善意の神霊やゴットマザー、有

力者と親しくなり、子どもの将来を保証しようとするものだとか。ナルホド

ネ。

−p155−

……………………………………
・誕生石
文章んが


  誕生日の次は誕生です。自分の生まれた月で誕生石が決まります。

どういうわけか、1月はザクロ石、2月はアメジスト(紫水晶)……なのだそ

うであります。大ムカシから宝石には魔よけ力があると考えられ、それを身

につけていると病気や災難がよけられる信じられていました。



 誕生石のルーツについては、旧約聖書「出エジプト記」にイスラエルの

12部族をあらわした12個の宝石の話があります。また占いを得意とした

カルデア人の時代からの占星術の「月々の宝石」の俗信もあります。しか

し、誕生石の風習は、直接には18世紀ポーランドなどに移住したユダヤ

人から広まったそうであります。



 誕生石の定め方は時代や民族によって異なり、フランスのようにとくに

定めない国もあるようです。1912年アメリカの宝石小売商組合が新しい

誕生石を発表、つづいてイギリスがこれにならってイギリスの誕生石を選

定しました。いま誕生石はこのふたつが基準になっているという。



 しかし、1958(昭和33)年日本の全国宝石商組合がこれを不服として

「日本の誕生石」つくりました。それによると

1月 ザクロ石:貞操、友愛、忠実、堅忍

2月 アメシスト(紫水晶):心の平和、誠実

3月 サンゴ:沈着、勇敢、聡明

4月 ダイヤモンド:清浄無垢

5月 エメラルド(またはヒスイ):幸福な妻、幸運

6月 真珠(またはムーンストーン):長寿、健康、富

7月 ルビー:愛情と威厳

8月 サードオニックス:夫婦の幸福

9月 サファイア:誠実、徳望、慈愛

10月 オパール(またはトルマリン):悲哀を越えて幸せを得る

11月 トパーズ:真の友愛、希望

12月 トルコ石(またはラピスラズリ):成功

−p156−

……………………………………
・星 座
文章んが


 あなたの星座は何?などと聞かれます。自分の生まれた月日でかに座

だとかおとめ座という星座が決まります。これが運勢占いに使われ、うお

座がどうのこうの、てんびん座は忘れものに注意などとテレビでも週刊誌

でも占星術がお盛んです。



 星座は古代オリエント天文学に初めて使われ、太陽や月、惑星の位置

を表すのに使用されましたが、中世ヨーロッパでは出生時の天界の様子

で運命を占うホロスコープ占星術に利用されるようになりました。



 太陽の黄道に沿った天域を12等分します。それを黄道十二宮と呼ぶ

そうです。十二宮は、春分点にはじまり、黄経が0〜30度を白羊宮(はく

ようきゅう)、30〜60度を金牛宮(こんぎゅうきゅう)、双子宮(そうしきゅ

う)、巨蟹宮(きょかいきゅう)、獅子宮、処女宮、天秤宮(てんびんきゅ

う)、天蝎宮(てんかつきゅう)、人馬宮、磨羯宮(まかつきゅう)、宝瓶宮

(ほうへいきゅう)、双魚宮となります。



 これは黄道の上の12星座の各座に対応したもの。それに生まれた月

日を当てはめます。すなわち、おひつじ座(3月21〜4月19日)、おうし

座(4月20日〜5月20日)、ふたご座(5月21日〜6月21日)、かに座(6

月22日〜7月22に日)、しし座(7月23日から8月22日)、おとめ座(8月

23日〜9月22日)、てんびん座(9月23日〜10月23日)、さそり座(10

月24日〜11月22日)、いて座(11月23日〜12月21日)、やぎ座(12

月22日〜1月19日)、みずがめ座(1月20日〜2月18日)、うお座(2月1

9日〜3月20日)で1年です。



 これとは別に地平座標によって十二位がつくられ、それぞれの位が一

人一人の健康や財産、結婚、寿命などをつかさどるとします。この十二宮

の惑星と十二位の位置関係を示したものがホロスコープ(占星表)だとい

います。これに一人一人の生まれた時の日や月、5惑星の位置を当ては

め、それらの位置関係で占います。

−p157−

……………………………………
・育 児
文章んが


 育児は、妊娠したときからもう始まっており、妊娠中、両親がしゃべった

外国語を生まれた子どもは早く覚えるとか……。胎教は昔から大切なも

のとされ、かつては葬式や火事を見ることまで禁止したそうです。



 生まれてからも病気、けが、しつけ……子育ては本当に大変です。


 医学があまり発達していなかった時代、病気は神だのみ、おまじない

だのみでした。夜泣きをする時には魔物はいないかと追い払い、「かんの

虫」にはアカガエルでおまじない、「ほうそう」にはほうそう神送りのお祭り

を、「百日ぜき」にはお守りなどで祈ります。親はいつの時代も必死です。

−p158−

……………………………………
・ひきつけ
文章んが


 ひきつけとは発作性のけいれんのこと。多くは子どもの全身けいれんを

いいます。ひきつけそのものはそれほど驚くことはない、などと本には出

ていますが、突然ブルブル、ピクピクでは、驚くなという方がムリ。



 もし、ひきつけをおこしたら、あわてて体をゆすったりしないで衣類をゆ

るめ、静かに寝かせ、舌をかまないように、割り箸などをガーゼにまいて

奥歯にかませて手足をあたため、熱があれば頭を冷やします。30分たっ

てもおさまらなければ至急小児科医に行ってみてもらいましょうとのことで

す。

−p159−

……………………………………
・夜泣き
文章んが


 赤ちゃんの夜泣きにも困ります。真夜中、お母さんが夜泣きをする子を

だいて外に出る……。だれしも経験します。かつては、夜泣きはオムツに

魔物がとりつくためだと考え、オムツの夜干しを禁じたりしたそうです。



 また夜泣きはキツネやイタチのしわざで起こると信じ、赤ちゃんのまくら

もとに、鎌やナイフなどの刃物を置いたり、ニワトリの絵をかまどの壁に貼

ったりしたそうです。



 また「夜泣き松」という伝説の松の木を削って、子どものまくらもとで燃

やしたりしたそうです。昔はいろいろかんがえたのですねェ。

−p160−

……………………………………
・迷 信
文章んが


 育児に関する迷信・俗信はいろいろあります。それだけ昔の人も親とし

て真剣だったのでしょう。とくに病気についての俗信、まじないは各地に

あるようです。



 いわく、かんの虫にはアカガエルのつけ焼きを赤ちゃんに食べさせると

か、ほうそうの流行には、ほうそう神送りをしました。さんだわらに赤飯をの

っけて赤いご弊をたて村境や四つ辻に置き、ほうそう神の立ち出るのを

祈ったのでした。



 また百日ぜきや「はしか」のお守りとして桃や桑の木でひさご形や横づ

ち形のものをつくり、子どもにつけるというものもあります。



 かんの虫は赤ガエルのつけ焼きやマゴタロウムシ(ヘビトンボの幼虫)

を食べさせたそうです。ウェーッ。

−p161−

……………………………………
・予防接種
文章んが


 伝染病から赤ちゃんを守るため、いろいろな予防接種があります。これ

は予防接種法という法律で決められています。予防接種には定期的に

受けなければならないものと必要時に任意に受けるものとがあります。


 予防接種法は昭和23年法律第68号で実施され、その目的は、伝染

のおそれがある疾病の発生及びまん延を予防するために、予防接種を

行い、公衆衛生の向上及び増進に寄与するとともに、予防接種による健

康被害の迅速な救済を図ることを目的とするというものでした。



 しかしその後、生活環境の改善などで感染症の発生が少なくなり、ま

た予防接種の副反応も問題化。予防接種法も次々に改正されていま

す。平成17年7月29日、厚生労働省より、平成18年度の予防接種法改

正も通知が出されています。

−p162−


(第7章「育児」終わり)

 結婚記念日は、もと欧米の風習で5年目、15年目、25年目、50年目、60年目などをいっていたそうですが、次第にはでになりいまではスズ婚式、やわら婚式、木だ、皮だ、はては象牙まで記念日にしてしまうしまつです。

 キリスト教の国では、昔から個人にかぎらず団体でも、記念すべき日や創立記念日を祝う風習がありました。19世紀半ばころのイギリスでは最初に書いた5回だけでしたが、アメリカでは75年目のダイヤモンド婚まで祝う年数を増やしていたそうです。

 明治23(1890)年、日本での金婚式第1号が新聞で報道されたという。それによれば、「宮城県桃生郡中津山(いまの石巻市桃生町)の人、千葉泰蔵氏は結婚の後五十年がへて………………このたび金婚式を施行するよし。我が国にてはこの人をもって、こう矢(し)とすべし」(東京日々新聞)。この4年後、明治天皇の大婚25年祝典が行われ、それからというもの結婚記念日が一般に広まりました。

 ちなみに結婚記念日を羅列してみますと、1年(紙婚式)、2年(わら婚式)、3年(草婚式)、5年(木婚式)、7年(花婚式)、10年(錫婚式)、12年(皮婚式)、15年(銅婚式)、20年(陶婚式)、25年(銀婚式)、30年(象牙婚式・真珠婚式)、35年(珊瑚婚式)、40年(緑玉婚式・ウール婚式)、45年(紅玉婚式・絹婚式)、50年(金婚式)、60年(イギリス・ダイヤモンド婚式)、75年(アメリカ・ダイヤモンド婚式)とならびます。

 かつて日本では、新時代の生活に必要な贈り物ということで8年目が電気器具婚式などともいったそうです。

−p146−

 

……………………………………

・新 築

文章んが

 キョウビは、交通の便優先ということもあり、マンション、マンション。しかし構造偽造事件もあったりして、一戸建てはやはり人気があります。

 木造住宅の新築工事は地鎮祭からはじまります。ひとは天神と同じように地神もいると考えました。地鎮祭はその神をまつり、その敷地を神からもらい受け、土地の悪霊をしずめ工事の安全を祈ります。しめ縄を張り神主を招いて執り行います。地鎮祭はくわ入れ式ともいい、建材や大地を支配する神さまに感謝し許可を得るわけです。

 それから仮設工事、基礎工事、本工事に入り、棟木をあげて建前。内装、外装工事から設備工事をへて完成です。そのほかコンクリートブロック造り、軽量鉄骨造り、鉄筋コンクリートなどありますがそれぞれ一長一短。間取りだ、壁や床、天上の色合わせ、ご近所に挨拶、住宅ローンの手続きだと気の休まる暇はありません。

−p147−

 

……………………………………

・建 前

文章んが

 家の骨組みができて棟上げがおわると、どういうわけが棟上げ式を行うシキタリがあります。建前(たてまえ)といい、建築主が大工さんにお酒を出してごちそうします。棟の上には魔よけの弓矢をのせ酒や米を供えたりします。

 ムカシは建前には餅や小銭をまいたりしました。いまでも地方へ行くと時どき見かけることがあります。また地方によっては屋根ふきがすむと主人が、一晩そこで過ごすならわしがあったそうです。

 それは「ふきごもり」といい、最初に悪魔が泊まったりしないように一晩中見張るのだともいわれます。

−p148−

 

……………………………………

・もちなげ

文章んが

 いまでも地方へ行くと、家の建前(たてまえ)にもちを投げるのを見かけます。これは神前に供えるシトギもちで、かつては「わらづと」に入れて小銭といっしょにまいたそうです。これを拾って、頭痛のときや赤ちゃんの夜泣きのとき、枕元におくとなおるなどといったそうです。

 もちなげのとき大工の棟梁(とうりょう)は、すみのもちとか四方もちという大きなもちを四方の柱に向かって投げました。四方もちのほかに大もちというのを投げ、それを大の男が奪い合います。大もちはもまれた方がめでたいとされ、引きちぎられた小さなかけらをみんなで分けて食べます。

 もちは元来、晴れの日の食べ物。それには神霊、魂が宿るとされ丸い形は心臓を表しているのだそうです。

−p149−

 

……………………………………

・新築祝い

文章んが

 家を新築すると見に来てくれと招かれます。他人の家をわざわざ見に行っても仕方ないというのがホンネです。でもせっかくの招待、むげに断るわけにもいけません。家をほめてあげましょう。

 ここをこうした方がよかったとか、私の家はこうしたなどと言わないよう。また、火に関することばや話題は禁句だそうです。

 お祝品も、ストーブなど火に関係あるものを贈ってはいけないのだとか、シチメンドウなことではあります。ファンヒーターはどうなんだろーネ?新築祝いのお返しにはなにかを「入れる物」を返す習慣があるといいます。

−p150−

 

……………………………………

・中元 歳暮

文章んが

 ムカシ、中国で旧暦の正月15日を上元、7月15日を中元、10月15日を下元といい、合わせて三元といいました。このなかの中元に人をもてなせば、知らずに犯した自分の罪が許されるといわれたそうです。この風習が日本にも伝来、お盆の行事と合わさって物を贈る習慣となって残っています。

 盆は先祖を供養するばかりでなく、生身霊(いきみたま)、つまり生きている父母や恩人に贈り物をする風習もあります。これが中元の本来の姿で室町時代からつづいてきた習俗だったそうです。歳暮もはじめは、祖先の霊(たま)祭りとともに、いま生きている親の健康を祝うため、もちや魚を贈ったのがもとになっているといいます。

 上元・中元・下元の三元は、道教の三官信仰からきているという。三官とは天官、水官、地官をいいます。

 天官は上元(旧暦正月15日)に生まれ、福を与える神。水官は下元(旧暦10月15日)に生まれ、水や火の災いを防ぐ神。また地官は、中元(旧暦7月15日)に生まれ、善悪を分別し人間を愛し、罪を許す神だと考えました。

−p151−

 

……………………………………

・転勤・転居

文章んが

 サラリーマンととって転勤はつきものです。子どもの教育の関係で単身赴任が多くなり、社会問題化しています。転勤のあいさつは先輩や上司などなどにはだいたいハガキですませているようです。栄転祝いなどの記念品は鎌倉時代からの行われた習慣だとか。こういう習慣は長くつづくものです。

 よく「餞別を送る」といいますが、餞別の餞は馬に対しての贈り物の意味だとか。馬に乗って遠くへ行く人に、馬のエサが買えるほどの金品を贈ることだそうです。絵馬にしろ、引き出物にしろ、かつては馬はそれほど大切な動物だったんですね。

 ちなみに転居とは、同じ市町村の中で移転した場合いをいい、その他は転出転入というんだそうです。

−p152−

 

……………………………………

・病気見舞い

文章んが

 ムカシは、病気見舞いというのは病人が重体になってから行くもので、早くからお見舞いに行くと嫌われたのだそうです。たしかに大勢で見舞いに押し掛けられると迷惑です。いまは簡単に入退院するため、少しぐらいのことは知らせないようです。

 見舞いが逆効果にならないよう、病院に行く時期、時間方法など気を配るようにとものの本に載っています。

 また、いつの世にも縁起をかつぐ人はいるものです。見舞い品も「根(寝)つく」といい、鉢植えをきらうとか、数でも4は死、9は苦でどうのこうのと、ウジャウジャ。気を使うこっちが病気になってしまいます。

−p153−

 

……………………………………

・快気祝い

文章んが

 病気見舞いに対して、病気がなおったとき、快気祝いの返礼をするのがシキタリだそうです。かつては全快祝いといっていたようですが、全快していなくても一応退院ということもあり、そんなときは全快ではウソになるので、苦しまぎれにできた言葉かも?

 昔は身を清め、赤飯をたいて神棚に供え、全快祝いをしたそうです。出費もかさんでいる時期、大げさなことは控えたいものです。それでも気がすまないという人は「祝いごとは倍返し」や、下記の「昔風の全快祝い」でドーゾ。

 「昔の全快祝い」:身をきよめ、髪を整え、赤飯をたいて神仏に供えてとなり近所に配りました。また、願かけをした神に「願解き」として金品を供えたそうです。

 「いまの快気祝い」:病気見舞いは、もともと心配してきてくれたもの。へたな快気祝いの品物より心のこもった礼状の方がなによりのお返しになるそうです。

−p154−

 

……………………………………

・誕生日

文章んが

 もともと日本では、初誕生以外の誕生日を祝う風習はありませんでした。いまのように年ごとの誕生祝いやプレゼントするのは、明治時代ヨーロッパの習慣が入ってきてからのことだそうです。

 バースデーケーキに刺した年の数のローソクを一息で消します。これは成長した自分の力を認めさせ、きょうの誕生日を契機に過去を消し去り、新規に出発しようとの意味だそうです。

 またパーティは、大勢で飲食することで善意の神霊やゴットマザー、有力者と親しくなり、子どもの将来を保証しようとするものだとか。ナルホドネ。

−p155−

 

……………………………………

・誕生石

文章んが

  誕生日の次は誕生です。自分の生まれた月で誕生石が決まります。どういうわけか、1月はザクロ石、2月はアメジスト(紫水晶)……なのだそうであります。大ムカシから宝石には魔よけ力があると考えられ、それを身につけていると病気や災難がよけられる信じられていました。

 誕生石のルーツについては、旧約聖書「出エジプト記」にイスラエルの12部族をあらわした12個の宝石の話があります。また占いを得意としたカルデア人の時代からの占星術の「月々の宝石」の俗信もあります。しかし、誕生石の風習は、直接には18世紀ポーランドなどに移住したユダヤ人から広まったそうであります。

 誕生石の定め方は時代や民族によって異なり、フランスのようにとくに定めない国もあるようです。1912年アメリカの宝石小売商組合が新しい誕生石を発表、つづいてイギリスがこれにならってイギリスの誕生石を選定しました。いま誕生石はこのふたつが基準になっているという。

 しかし、1958(昭和33)年日本の全国宝石商組合がこれを不服として「日本の誕生石」つくりました。それによると
1月 ザクロ石:貞操、友愛、忠実、堅忍
2月 アメシスト(紫水晶):心の平和、誠実
3月 サンゴ:沈着、勇敢、聡明
4月 ダイヤモンド:清浄無垢
5月 エメラルド(またはヒスイ):幸福な妻、幸運
6月 真珠(またはムーンストーン):長寿、健康、富
7月 ルビー:愛情と威厳
8月 サードオニックス:夫婦の幸福
9月 サファイア:誠実、徳望、慈愛
10月 オパール(またはトルマリン):悲哀を越えて幸せを得る
11月 トパーズ:真の友愛、希望
12月 トルコ石(またはラピスラズリ):成功

−p156−

 

……………………………………

・星 座

文章んが

 あなたの星座は何?などと聞かれます。自分の生まれた月日でかに座だとかおとめ座という星座が決まります。これが運勢占いに使われ、うお座がどうのこうの、てんびん座は忘れものに注意などとテレビでも週刊誌でも占星術がお盛んです。

 星座は古代オリエント天文学に初めて使われ、太陽や月、惑星の位置を表すのに使用されましたが、中世ヨーロッパでは出生時の天界の様子で運命を占うホロスコープ占星術に利用されるようになりました。

 太陽の黄道に沿った天域を12等分します。それを黄道十二宮と呼ぶそうです。十二宮は、春分点にはじまり、黄経が0〜30度を白羊宮(はくようきゅう)、30〜60度を金牛宮(こんぎゅうきゅう)、双子宮(そうしきゅう)、巨蟹宮(きょかいきゅう)、獅子宮、処女宮、天秤宮(てんびんきゅう)、天蝎宮(てんかつきゅう)、人馬宮、磨羯宮(まかつきゅう)、宝瓶宮(ほうへいきゅう)、双魚宮となります。

 これは黄道の上の12星座の各座に対応したもの。それに生まれた月日を当てはめます。すなわち、おひつじ座(3月21〜4月19日)、おうし座(4月20日〜5月20日)、ふたご座(5月21日〜6月21日)、かに座(6月22日〜7月22に日)、しし座(7月23日から8月22日)、おとめ座(8月23日〜9月22日)、てんびん座(9月23日〜10月23日)、さそり座(10月24日〜11月22日)、いて座(11月23日〜12月21日)、やぎ座(12月22日〜1月19日)、みずがめ座(1月20日〜2月18日)、うお座(2月19日〜3月20日)で1年です。

 これとは別に地平座標によって十二位がつくられ、それぞれの位が一人一人の健康や財産、結婚、寿命などをつかさどるとします。この十二宮の惑星と十二位の位置関係を示したものがホロスコープ(占星表)だといいます。これに一人一人の生まれた時の日や月、5惑星の位置を当てはめ、それらの位置関係で占います。

−p157−

 

……………………………………

・育 児

文章んが

 育児は、妊娠したときからもう始まっており、妊娠中、両親がしゃべった外国語を生まれた子どもは早く覚えるとか……。胎教は昔から大切なものとされ、かつては葬式や火事を見ることまで禁止したそうです。

 生まれてからも病気、けが、しつけ……子育ては本当に大変です。
 医学があまり発達していなかった時代、病気は神だのみ、おまじないだのみでした。夜泣きをする時には魔物はいないかと追い払い、「かんの虫」にはアカガエルでおまじない、「ほうそう」にはほうそう神送りのお祭りを、「百日ぜき」にはお守りなどで祈ります。親はいつの時代も必死です。

−p158−

 

……………………………………

・ひきつけ

文章んが

 ひきつけとは発作性のけいれんのこと。多くは子どもの全身けいれんをいいます。ひきつけそのものはそれほど驚くことはない、などと本には出ていますが、突然ブルブル、ピクピクでは、驚くなという方がムリ。

 もし、ひきつけをおこしたら、あわてて体をゆすったりしないで衣類をゆるめ、静かに寝かせ、舌をかまないように、割り箸などをガーゼにまいて奥歯にかませて手足をあたため、熱があれば頭を冷やします。30分たってもおさまらなければ至急小児科医に行ってみてもらいましょうとのことです。

−p159−

 

……………………………………

・夜泣き

文章んが

 赤ちゃんの夜泣きにも困ります。真夜中、お母さんが夜泣きをする子をだいて外に出る……。だれしも経験します。かつては、夜泣きはオムツに魔物がとりつくためだと考え、オムツの夜干しを禁じたりしたそうです。

 また夜泣きはキツネやイタチのしわざで起こると信じ、赤ちゃんのまくらもとに、鎌やナイフなどの刃物を置いたり、ニワトリの絵をかまどの壁に貼ったりしたそうです。

 また「夜泣き松」という伝説の松の木を削って、子どものまくらもとで燃やしたりしたそうです。昔はいろいろかんがえたのですねェ。

−p160−

 

……………………………………

・迷 信

文章んが

 育児に関する迷信・俗信はいろいろあります。それだけ昔の人も親として真剣だったのでしょう。とくに病気についての俗信、まじないは各地にあるようです。

 いわく、かんの虫にはアカガエルのつけ焼きを赤ちゃんに食べさせるとか、ほうそうの流行には、ほうそう神送りをしました。さんだわらに赤飯をのっけて赤いご弊をたて村境や四つ辻に置き、ほうそう神の立ち出るのを祈ったのでした。

 また百日ぜきや「はしか」のお守りとして桃や桑の木でひさご形や横づち形のものをつくり、子どもにつけるというものもあります。
 かんの虫は赤ガエルのつけ焼きやマゴタロウムシ(ヘビトンボの幼虫)を食べさせたそうです。ウェーッ。

−p161−

 

……………………………………

・予防接種

文章んが

 伝染病から赤ちゃんを守るため、いろいろな予防接種があります。これは予防接種法という法律で決められています。予防接種には定期的に受けなければならないものと必要時に任意に受けるものとがあります。
 予防接種法は昭和23年法律第68号で実施され、その目的は、伝染のおそれがある疾病の発生及びまん延を予防するために、予防接種を行い、公衆衛生の向上及び増進に寄与するとともに、予防接種による健康被害の迅速な救済を図ることを目的とするというものでした。

 しかしその後、生活環境の改善などで感染症の発生が少なくなり、また予防接種の副反応も問題化。予防接種法も次々に改正されています。平成17年7月29日、厚生労働省より、平成18年度の予防接種法改正も通知が出されています。

−p162−

 

 

(第7章「育児」終わり)

……………………………………

第8章へ