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岳みち里みち田んぼみち
▼山と田園の伝承神話(本文のページ)(09)
【とよだ時】(豊田時男)
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山旅【ひとり画ッ展】
▼南ア三伏峠・三人の山伏の峠」
【説明略文】
峠名は地元の三方に尾根を伏せた形からだとも、三正坊伝
説の山伏にちなむとの説があります。この峠は日本で最も
高い峠で「日本三峠」のひとつ。最近は塩川ルートよりも
登りの楽な鳥倉林道から入る人が多くなり塩川小屋はさび
れてしまうかもしれないといいます。
【本文】は下記をどうぞ。
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(長文です。拾い読みしてください)
▼南ア三伏峠・三人の山伏の峠」
【説明本文】
南アルプスの南部と北部をつなぐ三伏峠は、古くから伊
那地方と甲州地方を結ぶ伊那街道が通じていたといいます。
三伏峠という名前は、三方(大鹿村・長谷村(いまは伊
那市)・静岡市)に尾根を伏せたような地形上の理由から
だとも、開山説など古い言い伝えの残る「三正坊」の3人
の山伏にちなむ(「新日本山岳誌」)などの説。またフク・
フセ(布瀬、伏)は地形語で傾斜地のことで、三つの傾斜
地を持つ峠(「日本山岳ルーツ大辞典」)との説もあります。
長野県大鹿村には少しつむじ曲がりの山神が伝承されて
おり、大鹿村・釜沢の三正坊の祠には「鼻高天狗」と「口
高天狗」の面が飾られているといいます。これなども開山
伝説に関係があるのでしょうか。
もっとも、三伏峠の名は江戸後期の地図には記載されて
おらず、おそらく江戸末期か明治も初めころつけられた呼
び名ではないかと推測されています。
この峠は日本で最も高い峠で「日本三峠」(針ノ木峠・
三伏峠・雁坂峠、または針ノ木峠・夏沢峠・雁坂峠、また
針ノ木峠、清水峠、雁坂峠ともいう)のひとつでもありま
す。
かつては赤石構造谷への塩の移入路として利用されたら
しいという説もあるようですがはっきりしません。いまあ
る三伏峠小屋は1935年(昭和10)、「鹿塩の湯」の経営者
平瀬理太郎氏が建設、1958年(昭和33)に平瀬調吉氏が
現在の三伏峠小屋を建設したものだそうです。
その登山口・長野県下伊那郡大鹿村は、古くからあった
地名だといいます。『吾妻鏡』の文治2年(1186・鎌倉時
代初頭)三月十二日条に、「大河原鹿塩」と記されている
ほどです。
また南北朝時代、南朝の後醍醐天皇の皇子宗良(むねな
が)親王が、南朝勢力挽回のため、北条時行、諏訪頼継、
高坂高宗などを従え(『アルプスの伝説・p34』)、遠江国伊
谷城を棄てて信濃の国に入り、大河原に根拠地をおき、東
奔西走するかたわら、しばしば赤石岳山頂に座し、足利市
調伏を祈願したということです。
このことは同親王の『李花集』という本に出ています。
大河原集落から小渋川に沿った道をさらに遡り、釜沢近く
の林道を北東に登ると御所平と呼ばれるところがあり、親
王30年間の在所(宗良親王御所跡)として史跡も多く残
っていて、宗良親王の終焉の地としても有力視されていま
す。
大鹿村から三伏峠を目指すには、かつては塩川小屋経由
の塩川ルートが普通でしたが、最近は鳥倉林道が豊口山南
方の標高1700m付近まで開通。登山者も、登りのきつい
塩川経由よりも楽な(3〜4時間)鳥倉林道から入る人が
多くなっているちおいいます。かつてお世話になった塩川
小屋のおばさんの顔が浮かびます。
2009年夏には伊那大島駅からのバスも鹿塩方面へは運
休で、バスは鳥倉登山口方面だけなので仕方なく鳥倉林道
から三伏峠へ向かいました。鳥倉林道の駐車場はマイカー
で満杯状態でした。また豊口山分岐から塩川小屋へ下る道
も荒れはじめて寂しさが漂っていました。
ちなみに三伏峠の標高については文献によりさまざま
で、以下、一応ならべてみました。2560m(「コンサイス
日本山名辞典」)、2570m(「コンサイス日本地名事典」、「日
本山名事典」)、2580m(「角川日本地名大辞典20・長野県」、
「山DAS」、「信州百峠・改訂普及版」、「日本山岳ルー
ツ大辞典」)、2600m(「日本大百科全書・16」)、2607m(南
アルプス観光連絡協議会の地図、付近にある標高点)の順
になっています。これどうしましょう。
▼三伏峠【データ】
★【所在地】
・長野県下伊那郡大鹿村と静岡県静岡市葵区との境。JR
飯田線伊那大島駅の東22キロ。JR飯田線伊那大島駅から
バス、鳥倉登山口停留所下車、さらに歩いて3時間で三伏
峠。三伏峠小屋とキャンプ指定地がある。
★【位置】国土地理院「電子国土ポータルWebシステム」
から検索
・三伏峠:北緯35度33分20.02秒、東経138度08分35.75秒
・峠の東側の標高点:北緯35度33分17.62秒、東経138度08
分28.15秒
★【地図】
・2万5千分の1地形図「塩見岳(甲府)」
▼【参考文献】
・『吾妻鏡』巻六:岩波文庫「吾妻鏡」(二)龍(りょう)
粛(すすむ)訳注(岩波書店)1997年(平成9)
・『角川日本地名大辞典20・長野県」市川健夫ほか編(角
川書店)1990年(平成2)
・『コンサイス日本山名辞典」徳久球雄編(三省堂)1979
年(昭和54)
・『コンサイス日本地名事典」谷岡武雄ほか監修(三省堂)
1987年(昭和62)
・『信濃奇談」堀内元鎧(がい)?著:(「日本庶民生活史
料集成16・奇談奇聞」(鈴木棠三ほか編)編集委員代表・
谷川健一(三一書房)所収
・『信州山岳百科2」(信濃毎日新聞社)1983年(昭和58)
・『信州百峠・改訂普及版」井出孫六・市川健夫監修(郷
土出版社)1995年(平成7)
・『新日本山岳誌」日本山岳会(ナカニシヤ出版)2005年
(平成17)
・『日本の地名 岩波新書」谷川健一(岩波書店)2006年
(平成18)
・『山DAS」石井光三(白山書房)1997年(平成9)
・『山国の神と人』松本義雄(未来社)1984年(昭和59)
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