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CD本【新・山の神々いらすと紀行】(08)
とよだ 時(とよた時)

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▼白馬岳三国境で発見された地蔵さま

【略文】
白馬岳北東の三国境から1935年(昭和10)に、地蔵さまが発見さ
れた話があります。その後点々と移転し、最後に白馬村役場の床の
間に安置されましたが、いつのころか行方不明。いまは誰にも分か
らないという。

▼白馬岳三国境で発見された地蔵さま

【本文】

 北アルプス白馬岳北東の三国境は、信濃、越後、越中の旧国境に
なっています。北側からは朝日岳や蓮華温泉からのザク道と、白馬
大池から小蓮華山経由の道を合わせ、舟窪(二重山稜)も見られ白
馬岳へはもう一歩という所です。こんな人里遠く離れた山中の三国
境から石仏が発掘された記録があります。


 1935年(昭和10)のことだったという。以下は石仏発見のとこ
ろへ通りかかった地元新聞社の記者が書いた記事です。…【白馬山
頂発】 北アルプス白馬頂上付近から、端もなく二十八日、世にも
珍しい仏像が発見され、アルピニストの目を丸くさせている。


 …東北に聳える大日岳(小蓮華山)に因縁のあるものと思われ、
…(小蓮華山の初代の仏像は行方不明)…これから見て、掘り出さ
れた仏像は正しく源長寺洞光和尚の刻んだ天正年間作のものに間違
いないと見られる……。


 当時の登山案内人が、東京の山草クラブの学生に高山植物の説明
をしていると、瓦礫の中にボールのような丸い石がありました。ピ
ッケルで掘ってみると地蔵の座像が出てきました。


 大きさは40センチくらいで水成岩造り。銘など刻んだあとは見
つからず、結局いつ誰が彫ったのか分かりませんでした。小蓮華山
にも石仏があり、それと関係があるかとの意見もありましたが、調
査の結果、小蓮華山の像は大日如来であり、手の形、印相も違い小
蓮華山の石仏とは関係がなさそうです。


 地蔵はガイドが、そのまま自然岩で台座をつくり現地に安置した
という。戦後になり石仏盗難が相次ぐため、関係者が協議の結果、
発見者のガイドの家で供養することになり、石仏を麓にかつぎおろ
しました。


 しかし家に置いてはみたものの、個人ではとても管理しきれるも
のではありせん。そこで出身校の北城小学校へ預け、供養を頼んだ
という。数年後の昭和38(1963)年、台風で松川が氾濫し小学校
も被害を受け、仏像は泥の中に埋まってしまいました。


 見かねた地元山岳史研究家の長沢武氏が、白馬村役場の床の間に
安置しておきましたが、いつのころか行方不明になり、いまは誰も
知らないと、氏自身の著書(『北アルプス白馬連峰』)の中で書いて
おられます。


▼三国境【データ】
【所在地】
・長野県北安曇郡白馬村と新潟県糸魚川市・富山県下新川郡朝日町
との境。JR大糸線白馬駅からバス・猿倉から大雪渓経由6時間45
分で三国境(本当の三国境は登山道より二重山稜の船窪地形を越え
て80m東に離れている)。写真測量による標高点(2751m)。地形図
に地名と標高点の標高の記載あり。三国境より南南西約950mに白
馬岳の三角点がある。
【位置】
・三国境:北緯36度45分58.15秒、東経137度45分44.7秒
【地図】
・2万5千分の1地形図「白馬岳(富山)」


▼【参考文献】
・『信州山岳百科1』(信濃毎日新聞社編)1983年(昭和58)
・『北アルプス白馬連峰』(その歴史と民俗)長沢武(郷土出版社)1986
年(昭和61)



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【とよだ 時】 山と田園風物漫画
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 (主に画文著作で活動)
【ゆ-もぁ-と】事務所
山のはがき画の会
from 20/10/2000


 

 

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