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CD本【新・山の神々いらすと紀行】(04)
とよだ 時(とよた時)

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▼南アルプス・光岳の光る岩峰

【略文】
ふもとの村から見ると、沈みゆく夕日に映えて「テカリ」と光る山
があります。村人はそれをテカリ岳と呼び「光岳」の字を当てまし
た。そのテカリと光るのが光岳山頂の西側にある光岩。西日を浴び
て白く光って目立つという。
・静岡県本川根町と静岡県南信濃村との境

▼南アルプス・光岳の光る岩峰

【本文】
 南アルプスはふつう北端の甲斐駒ヶ岳から、光岳までをいってお
り、光岳は縦走の終点にあたります。北のイザルヶ岳との間にある
センジヶ原は、二重山稜になった草原でダケカンバが生えたお花畑。

地面が幾何学模様に縁どられ、ひとつひとつが島のようになってい
ます。光岳と書いて「テカリ岳」。山の名は本当にむずかしい。テ
カリ、センジヶ原、イザルヶ岳など独特の名前がならび、南アルプ
ス最南端の雰囲気が感じられます。

 ふもとの村から見ると、沈みゆく夕日に映えて「テカリ」と光る
山があります。村人はそれをテカリ岳と呼び「光岳」の字を当てま
した。そのテカリと光るのが光岳山頂の西側にある光岩。石灰岩の
ザラザラした岩峰で、南西の池口岳方面から見ると、西日を浴びて
白く光って目立つという。

「峰頭はいずれも木立は遠のいて、岳樺や偃松(はいまつ)が身
をふせ、西南に面して灰白の断崖を三丈ばかり剥き出している、岩
石の膚はザラザラに荒らけて、地衣が青白いの、樺色の、膏薬でも
貼りつけたようだ。…寸又谷には奥山の高みに四角な大岩がある。
遠くまで光って見えるので谷間の猟夫たちは“テカリ石”と呼んで
いる……」。中村清太郎も「光岳・イザルヶ岳」のなかで書いてい
ます。

 光岳の南には遠江、東は駿河、西に信濃と旧国名が広がっていま
す。三つの国の隅っこ、国境にあるので「三隅山」の異名もありま
す。

 光岳はハイマツの南限地だという。地面に這っているからハイマ
ツで、立ち上がってしまえばハイマツではなくなります。ところが、
ここのハイマツは立ち上がりはじめています。日本でのハイマツ生
息地の南端は東洋の最南端であり、それは世界の最南端にもなると
いう。

 光岳山頂は樹林の中で展望はありません。簡単に登れる光石は、
真っ白な岩峰で、なるほど「夕日にテカリと映える」は納得です。
光小屋前の広場が幕営地になっています。その晩は篠つくような大
雨です。あしたは早い。早々に夕食をすませ、シュラフの中へもぐ
ります。

 翌朝3時、テントから出てみると満天の星が光っています。月明
かりでテントをたたみました。これから寸又峡までの長丁場が待っ
ています。芝沢橋の林道まで4時間。あとは37キロの林道歩き。
林道は底深い寸又川に沿い、長々と延びています。

 林道はその支流があるたびごとに大きく支流に沿って巻き、また
登り返すので、なかなか先に進みません。足にマメができそうにな
っては靴を脱ぎ、手当をしてまた歩きはじめます。寸又峡へ渡る吊
り橋が見えるころにはすでに陽は西にかたむきはじめています。寸
又峡キャンプ場に着いたときは夏にもかかわらず、暗くなってしま
いました。


▼光岳【データ】
【所在地】
・静岡県榛原郡川根本町と長野県飯田市(長野県下伊那郡南信濃村)
との境。大井川鉄道井川駅からバス・畑薙第一ダムから歩いて13
時間で光岳。さらに進むと光石。三等三角点(2591.1m)がある。
地形図に山名と光岳の標高と東方に光小屋の記載あり。
【地図】
・2万5千分の1地形図「光岳(甲府)」or「池口岳(静岡)」(2図
葉名と重なる)


▼【参考文献】
・『信州山岳百科2』(信濃毎日新聞社編)1983年(昭和58)
・『日本山岳風土記2・中央・南アルプス』(宝文館)1960年(昭
和35)



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【とよだ 時】 山と田園風物漫画
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 (主に画文著作で活動)
【ゆ-もぁ-と】事務所
山のはがき画の会
from 20/10/2000


 

 

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