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CD本【新・山の神々いらすと紀行】(01)
とよだ 時(とよた時)

(イラスト本ではありません)

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▼奥武蔵子の権現・子の聖と妖怪

【略文】
平安時代初期、紀伊の国で十二支の子(ね)の年の、子(ね)の月
の子(ね)の日、子(ね)の刻に生まれたのが子(ね)ノ聖(ひじ
り)が開いた子ノ権現。奥武蔵のいまの「子の山」に堂宇を創建し
ようとするするが悪魔どもが山に火をつけやけどを負わせたとい
う。
・埼玉県飯能市。

▼奥武蔵子の権現・子の聖と妖怪


【本文】
 奥武蔵(埼玉県)の「子(ね)ノ権現」は伊豆ヶ岳や竹寺と組み
合わせて程よいハイキングコースです。ここは神さまと仏さまが入
り混じったお寺で、正式には天台宗別格本山天竜寺。お寺の前に鳥
居と仁王さまが建っているのは、明治初年までつづいていた神仏混
淆(しんぶつこんこう)時代の名残なのだそうです。

 ここは、足腰の仏さまとして信仰され、江戸時代には、飛脚や力
士の参詣が多く、明治に入って人力車夫、最近は競輪選手、サッカ
ー選手などの尊信を集めています。子ノ権現というのは子ノ聖(ひ
じり)のことだそうです。

 「子(ね)ノ権現」の「子(ね)ノ聖(ひじり)」と続くには、
いわくがあるのだそうです。その起源については、平安時代のはじ
めまでさかのぼります。紀伊の国というからいまの和歌山県に阿字
長者という女性がいました。

 この人がある夜、神から剣を口の中に突き通された夢を見ました。
すると処女でありながら懐妊したというのです。そして、十二支の
子(ね)の年の、子(ね)の月の子(ね)の日、子(ね)の刻に出
産しました。生まれたのが子(ね)ノ聖(ひじり)だという。のち
にここ子(ね)の山に「子(ね)ノ権現」のお寺を造ったと、お寺
の縁起は「子づくし」を伝えています。

 それによると、子の聖は成長すると各地を旅をしながら修行をし
ていました。しかし、東北を旅するころ、自らの終焉(しゅうえん)
の聖地を求めて、羽黒山から「般若経」を空に向かって投げたとい
う。すると「般若経」は、空中を飛んできて埼玉県奥武蔵のいまで
いう「子の山」に落ちたというのです。

 子の聖は、お経の放つ「聖光」を頼りにこの山までやってきて、
十一面観音をまつり、お堂を造ろうとしました。あわてたのはここ
に巣をくう悪魔どもです。自分たちが巣を食っている所を聖地にさ
れたのではすみにくくなって仕方ありません。お堂が建つ前に、子
の聖(ひじり)を殺そうと相談がまとまりました。

 そして子の聖が寝ている間に山に火をつけました。火は容赦なく
子の聖を襲います。しかし危うくなったころ突如として神の使いで
ある「天竜」が現れ、雨を降らして「子の聖」を助けたとお寺の縁
起にあります。子ノ聖は下半身に大やけどを負ったものの神仏の力
で治ったという。

 そこで「我登山のおり、魔火のため腰と足を痛めることあり。故
に腰より下を痛めるもの、一心に祈らばその験を得さしめん」と誓
いをたてたといい、足腰の守り神になっています。ここは昔から履
き物を奉納して願をかける風習があって、境内には重さ2000キロ
もの日本一の鉄のワラジはそのシンボルになっているそうです。

 一説に、この山火事は実は子ノ聖をねたんだ近くの高山不動の仕
業だとも、子ノ聖が通りがかりの美女と恋を語っていたとき、暖を
とっていた「たき火」が燃え移ったものだというものまであります。
さすがの聖(ひじり)も美女には弱かったのでしょうか。

 お寺のすぐ近くには駐車場もあります。足腰のご利益があるとい
うこともあってスカートやスーツ姿で気軽に訪れるひとも多いお寺
です。鐘突き堂の鐘はだれでも一度は突いてみたくなるところ。時
々「ゴォーン」とよく響く音が山中にこだまします。

▼子ノ権現【データ】
★【所在地】
・埼玉県飯能市・西武秩父線西吾野駅から1時間半で子ノ権現(大
鱗山雲洞院天龍寺)。地形図に子ノ権現の文字と寺院記号のみ記載。
★【ご利益】
・大鱗山雲洞院天龍寺:足腰の守護・子宝・子育て・厄除け開運
★【位置】
・子ノ権現:北緯35度54分27秒,東経139度11分17秒
★【地図】
・2万5千分の1地形図「原市場(東京)」



▼【参考文献】
・『角川日本地名大辞典11・埼玉県』小野文雄ほか編(角川書店)
1980年(昭和55)
・『日本伝説大系5・南関東』(千葉・埼玉・東京・神奈川・山梨)
宮田登ほか(みずうみ書房)1986年(昭和61)
・『日本歴史地名大系11・埼玉県の地名』小野文雄ほか(平凡社)1
993年(平成5)
・「子ノ権現天龍寺パンフ」(仁王様):1936(昭和11)年
・『ものがたり奥武蔵』神山弘ほか(金曜堂出版部)1984年(昭和59)



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【とよだ 時】 山の伝承探査
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