▼山のまん画ばなし【本文】のページ05

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▼北ア・鏡平の池の中の槍ヶ岳

【略文】

深い谷をはさんでそびえる槍ヶ岳の影が大小の池が散在する鏡平の
水面に映る。明治時代の画家で登山家の中村清太郎は「北アルプス
の秘境」で、鏡平の場所に「清見ヶ原」、池には「穂影の池」と命
名している。そばに山小屋もあり、休憩する登山者でいつも満席状
態だ。
・岐阜県高山市。

※ご用とお急ぎでない方は、【本文】もどうぞ。

【本文】

 北アルプスのまっただ中、岐阜県新穂高温泉から双六岳(すご
ろくだけ)へ向かう途中、弓折岳(ゆみおれだけ)直下に鏡平(か
がみだいら)というところがあります。ここは標高2300mのところ。

 大小の池が散在し、深い谷をはさんでそびえる槍ヶ岳の影が青く
澄んだ水面に映る絶景が名物になっています。そばに山小屋もあり、
鏡池のほとりのベンチはまわりの景色を見ながら休憩する登山者で
いつも満席状態です。山小屋で売っているかき氷を手に談笑する人
も多い。


 明治時代の画家で登山家の中村清太郎はその著「北アルプスの秘
境」で、鏡平の場所を「清見ヶ原」、池には「穂影の池」と命名し
ています。穂影の池はまさにぴったりの名前。時おりさざ波が揺ら
ぐ池に槍ヶ岳の穂影が細かにゆれます。


 ここの登山道は「小池新道」の名があります。これは双六小屋を
経営している小池潜さんの父上が開いたための命名。小池さんは50
年前その父と初めて双六小屋に登ったという。


 40年前に小屋経営を父から引き継いでいまでは鏡平山荘、ワサビ
平小屋、黒部五郎小舎も経営しています。カメラをよくしこれまで
に4冊の写真集を出版しています。鏡平の山荘は1965(昭和40)年
にできましたが、豪雪で2回つぶされるなど老朽化が目立ってきた
ため、1999年に全面改築工事が行わたということです。


 ことしの夏山も暑かった。鏡平についても木陰がなく、木道の上
をウロウロ。「穂影」の絶景も上の空です。雨傘を取り出しさすあ
りさま。ふと足下に登山靴の靴底が落ちているではありませんか。


 私も古い山靴のそこがとれかかったことがあります。この人、ど
うやってバス停のある新穂高温泉まで歩いたのでしょうか。靴下だ
けの足を引きずりながら、岩の上や砂利道をただただ歩む気の毒な
姿を思い浮かべました。


●鏡平【データ】
▼【所在地】
・岐阜県高山市上宝町(旧同県吉城郡上宝村)。JR高山本線高山
駅からバス、新穂高温泉終点から歩いて5時間半で鏡平山荘。地形
図に池と山荘名と建物記号の記載あり。
▼【位置】
・鏡平山荘:北緯36度20分45.35秒、東経137度36分13.73秒
▼【地図】
・2万5千分の1地形図「三俣蓮華岳(高山)」
▼【山行】
・某年8月13日(土曜日・快晴)



▼【参考】
・『愛しき山稜−双六岳をめぐりて−小池潜写真集』(山と渓谷社刊)
2003年(平成15)ほか


▼この話は山の伝承神話 いらすと紀行 から引用しました。


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