▼山の伝承神話【本文】のページ04

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▼「群馬上毛三山・妙義山の大ノ字」

【説明本文】

 奇岩怪石がならぶ妙義山は、上毛三山のひとつでもあり日本三大
奇勝(大分県・耶馬渓、香川県・寒霞渓)のひとつにもなっていま
す。妙義山は中木川の東側を表妙義、西側を裏妙義といい、表妙義
の白雲山中腹には、白い「大」の字があって遠くからでも木々の中
に浮かんで望めます。


 これは東麓にある妙義神社の神仏習合時代の妙義大権現の「大」
だとのこと。かつては旅人も、山全体の神として街道から手を合わ
せたと聞きます。この神はここに棲む天狗妙義坊はこの大権現の化
身だとされています。


 伝説ではかつて日本武尊が白雲山に波己曽(はごそ)神をまつる
社を建て、波己曽山と呼んでいたそうです。波己曽山を妙義山と名
前が変えるにはこんな理由がありました。南北朝時代、南朝方に名
臣とした名高い、内大臣花山院(かざんいん)右近衛大将藤原長親
(ながちか)という人がいたそうです。


 明徳5年(1394年)、この人が出家して耕雲明魏(こううんめい
ぎ)法師と名前を変えて、洛東華頂山(かちょうざん・京都,東山
三十六峰の一)の奧に隠とん生活に入ります。10年あまりも過ぎ
てから、関東方面に流浪の旅に出たという。


 そしてはるばる妙義山に流れ着いたというのです。人徳篤い耕雲
明魏(こううんめいぎ)法師は、ここでも絶大な民衆の信頼を得て、
一生を終えたという。妙魏法師を慕っていた民衆や、寺僧たちが、
山中に塚を建てて妙義山の祭神とし、山の名を明魏(妙義山)に変
えたというのです。


 ただ『妙義山』(歴史と信仰の山)上州路文庫(あさを社)の一
節「妙義信仰」(近藤義雄)では、その説は根拠が薄く、こじつけ
の感がると否定しています。


 また「白雲山妙義大権現由来」という文献によれば、妙義大権現
は比叡山十三代目の座主(ざす)法性坊尊意僧正だとしています。
僧正は天慶3年(940・平安時代)に逝去しましたが、のち碓氷峠
にあらわれ白雲山に来山。「われは比叡山座主(ざす)尊意僧正な
り。宿世の縁でこの山に住し、衆生を済度せん」と託宣しました。
以後妙義権現と敬われたのが山名由来だとする説もあります。


 目のさめるような紅葉の中、大の字岩峰で遊びます。柱の上にた
てられた「大」の字は大きすぎカメラに収まりません。鎖につかま
りながら岩峰を降り、奥の院へ。岩室の中、陽に映えた紅葉を見な
がら食べたおやつのミカンがなんともうまかったのを覚えていま
す。深田クラブ選定「日本二百名山」(1984年)。


▼妙義山大ノ字【データ】
★【所在地】
・群馬県安中市松井田町(旧碓氷郡松井田町)・同県富岡市旧妙義
町各地区名(北甘楽郡旧妙義町)と同県甘楽郡下仁田町との境。信
越本線松井田駅の南西4キロ。JR信越本線松井田駅からバス妙義
神社前下車1時間10分で大の字。大ノ字を表したやぐらがある。


★電子国土ポータル【位置】
・妙義山大ノ字:北緯36度18分06.46秒、東経138度45分26.38秒

★【地図】
・2万5千分の1地形図「松井田(長野)」or南軽井沢(長野)(2図
葉名と重なる)(国土地理院「地図閲覧サービス」から検索)。

★【山行】
・某年11月22日(火曜日・くもりのち雨):妙義山から岩船山・高
津牧場縦走時探訪

▼【参考】
・『角川日本地名大辞典10・群馬県』井上定幸ほか編(角川書店)1
988年(昭和63)
・『山岳宗教史研究叢書16・修験道の伝承文化』五記重編 (名著出
版)1981年(昭和56)
・『山岳宗教史研究叢書・17』(修験道史料集1・東日本編)五来重
編(名著出版)1983年(昭和58)
・『図聚天狗列伝・東日本編』知切光歳(三樹書房)1977年(昭和5
2)
・『妙義山』(歴史と信仰の山)上州路文庫(あさを社)1981年(昭
和56)



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