▼山の軽口ばなし
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【とよだ時】(豊田時男
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この夏富士山に登って、お鉢めぐりで
古銭を探そう

【説明略文】
かつて富士登山者は火口に賽銭を投げる習慣
があったという。その賽銭を拾う権利争いで
ゴタゴタがおこります。村山修験や、駿河に
侵攻した武田軍。さらには須走浅間・浅間大
社がからんで紛糾・訴訟がつづいたという。
この昔、投げられた賽銭が、いまでもお鉢め
ぐりの登山道で見つかることがあるらしい
よ。

★お急ぎでない方は下記本文もご覧下さい。

この夏富士山に登って、お鉢めぐりで
古銭を探そう

【本文】
 富士山の火口(内院)は浅間神社の奥ノ院
にあたります。かつて登山者は無事の登山を
感謝し一族の幸せを願い火口に賽銭を投げる
お散銭(さんせん)の習慣があったといいま
す。

 富士山火口は巨大な賽銭箱だったわけで
す。その習慣は室町時代にはすでにあったと
いいます。賽銭を投げればそれを拾う人がい
るはずです。

 遠藤秀男「富士山よもやま話」によれば、
1533年(天文2)駿河今川氏輝の文書に「内
院御末社参銭(散銭と同じ)之事」とあり、
散銭の処務を富士山八合目以上の所有者であ
る村山の修験辻之坊が受け持っていたといま
した。その後、駿河に侵攻した武田の支配下
になります。


 そして参銭を拾う権利は一日だけ須走浅間
が与えられました。さらに江戸時代になると
浅間大社がその処務を受け持つことになりま
すが須走浅間の権利も残る状態だったといい
ます。

 参銭拾いについては一番拾いを浅間大社、
二番拾いを須走浅間が行うというわけです。
しかし一番拾いが拾ったあとでは、賽銭の額
が大違い。散銭一番拾いの権利争いが相次ぎ、
元禄時代には本宮と須走で4対6の配分で参
銭を受け取るように決まり、その配分は江戸
末期までつづいたといいます。

 日本一の霊峰といっても金銭がからめば美
しい心というわけにはいかないようですね。
ちなみに「富士山記」に書かれている神池は
いまでいう「このしろ池」説と大内院の北北
西にある砂礫に埋まった窪地(小内院)だと
する説があるようです。


 このように昔、投げられた賽銭が長い年月
のうち、風で噴火口の底から吹き上がり、い
までもお鉢めぐりの登山道で見つかることが
あるらしいよ。


▼富士山頂【データ】
【山名の由来】
・天地の富を士(つかさどる)故に富士山と
号し、郡名と作(な)す。勅使が大勢の兵士
を連れて登ったので、富士山が兵士でいっぱ
いになった。そこで「士に富む山=富士山」
になった(「竹取物語」)。

 富士山8合9勺(はちごうきゅうしゃく=
3360m)から上、約400万平方mは、徳川家
康が富士山本宮浅間大社に寄進したとの記録
があるが、明治維新後国有地にされていまし
た。8合目から上の神社の施設のある約16万
平方m分は1952年(昭和27)に大社に譲与さ
れていますが、富士山頂が返還されなかった
ため、大社側が国を相手取って裁判を起こし
ました。

 1974年(昭和49)、最高裁の判決で大社側
の所有が認められました。しかし静岡、山梨
の県境が確定しておらず、登記手続きがとれ
ず(東海財務局)、2004年(平成16)12月17
日、土地の所有権が国から富士山本宮浅間神
社に移りました。(2004年(平成16)12月18
付け朝日新聞から)。

 しかし、土地の所有権は認められはしたも
のの、山頂付近の静岡県と山梨県の県境はま
だ定まっていないといいます。したがって、
土地登記が出来ずじまい。住所は、もちろん
静岡県でもなく山梨県でもありません。

 所在地は、日本国富士山無番地なのだそう
です。同大社側は「これで所有権の手続きは
解決した。県境の問題は県民感情もあり、登
記に向けて時間をかけて解決したい」と話し
ているといいます。


▼【所在地】富士山頂
 山梨県富士吉田市、山梨県南都留郡鳴沢村
と静岡県富士宮市、富士市、御殿場市・静岡
県駿東郡小山町との境だが八合目付近から上
部は富士山本宮浅間大社の「私有地」になっ
ており、境界がはっきりしていない。

 富士急行河口湖駅からバス、河口湖口五合
目から5時間30分で富士山頂。山頂剣ヶ峰に
電子基準点(3777.39m)と二等三角点(377
5.63m)、白山岳に二等三角点(3756.36m)
がある。火口内に写真測量による標高点(35
35m・標石はない)がある。

【位置】(国土地理院「電子国土ポータル」
・火口内の標高点:北緯35度21分46.53秒、
東経138度43分53.27秒

【地図】
2万5千分の1地形図「富士山(甲府)」

【山行】
・某年07月31日(水曜日・快晴)

▼【参考】
・「富士山記」(都良香著):「本朝文粹註釋巻
第12」柿村重松註(内外出版)1992年(平成
4)。
・『富士山・史話と伝説」遠藤秀男(名著出
版)1988年(昭和63)
・『富士山よもやま話」遠藤秀男(静岡新聞
社)1989年(平成元)



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