▼山の軽口ばなし
本文のページ(10)
【とよだ時】(豊田時男
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立山雄山のお花畑の由来

【説明略文】
立山雄山山頂付近で
咲き誇る高山植物。
ここはもと悪さをする
大蛇たちがすむ
池だったという。

立山権現は大蛇たちに
草花の種をまかせ芽が出るまで
もぐるようにいい、
毎日大雪を降らせて
雪の下に永久に封じ込めて
しまいました。

やがて雪が溶けまいた花が咲き、
いまはお花畑になった
ということです。
・富山県立山町


★詳細は本文をご覧下さい。

立山雄山のお花畑の由来

【本文】
 「越中立山、加賀には白山、
駿河の富士山日本一だよ…」。
何かの古歌にあるとおり、
立山は富士山、白山とともに
日本三霊山(三名山)に
数えられ、越中では男子16歳になる
と立山に登らないと
男として一人前になれないと
いわれたという。

 主峰雄山は立山山岳信仰の
中心地で、山頂には雄山神社が
あります。
この雄山の山頂付近に咲き乱れる
高山植物のお花畑があり、
登山者の目を楽しませてくれます。

 ここにはもと千蛇ヶ池という
池があり、恐ろしい大蛇が
たくさんすんでいたという。
大蛇は夜になると人里に
降りてきては人を殺したり、
家畜を盗んだりのし放題。

 見かねた立山権現は
大蛇たちを神殿に集め
「いまのようなことをしていると、
この世に人間がいなくなってしまう。
お前たちだって食べるものが
なくなって困るだろう。

 ここにある草花の種をやるから
池のほとりにまいて、
芽が出るまで池に潜って待っておれ。
そのうちに人間も増えるだろう」
と諭しました。

 なるほどいわれてみれば
もっともな話です。
大蛇たちは種をまいて
池に潜りました。
立山権現はそれを見すますと、
池の上に毎日毎日大雪を降らせ
大蛇たちを雪の下に永久に
封じ込めてしまいました。

 雪は大雪渓になり、
やがて溶けはじめると大蛇たちが
まいた高山植物の花が咲きはじめ、
いまのお花畑に
なったということです。
その後大蛇たちはどうなったのかは
不明です。

▼【立山雄山データ】
【所在地】
・富山県中新川郡立山町。
富山地方鉄道立山駅の東22キロ。
富山地方鉄道立山駅からケーブル、
美女平からバス、
室堂から2時間30分で雄山。
一等三角点(標高2991.6m)と
写真測量による標高点(3003m)と
雄山神社がある。

【位置】
・標高点:北緯36度34分23.49秒、
東経137度37分04.38秒
・一等三角点:北緯36度34分21.23秒、
東経137度37分2.85秒

【地図】
・2万5千分の1地形図「立山(高山)」
or「黒部湖(高山) 」
(2図葉名と重なる)。

【山行】
・某年09月13日(日曜日・くもり)

▼【参考】
・『山の伝説・日本アルプス編』青木純二
(丁未出版)1930年(昭和5)
・『日本山岳ルーツ大辞典』村石利夫
(竹書房)1997年(平成9)
・『続・植物と神話』近藤米吉編著
(雪華社)1976年(昭和51)
・『日本山名事典』徳久球雄ほか
(三省堂)2004年(平成4)

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