▼山のまん画ばなし【本文】のページ(07)
【とよだ 時】
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▼北ア・白馬鑓ヶ岳大出原のクルマユリ
【略文】
この山も槍ヶ岳のようにとがった山。この両方を区別す
るため鑓の字を使ったという鑓ヶ岳。日本で2番目に高
い温泉白馬鑓温泉がその懐にあります。ここは雪崩の巣
のため毎年建て替えるという。鑓温泉への途中の大出原
は一面のお花畑。クルマユリがまるで風車のように風に
ゆれていました。
・長野県白馬村。
※ご用とお急ぎでない方は、下方の【本文】もどうぞ。
▼北ア・白馬鑓ヶ岳大出原のクルマユリ
【本文】
北アルプス白馬岳南方にある鑓ヶ岳は、穂高近くの槍
ヶ岳と同じ「やり」。そこで区別するため鑓の字を使い
白馬鑓ヶ岳といっています。また白馬岳ととなりの杓子
岳、鑓ヶ岳をあわせて白馬三山と呼んだりします。
その白馬鑓ヶ岳から2時間ばかり下ったところに日本
で2番目に標高の高いところにある白馬鑓温泉(「角川
日本地名大辞典・長野」では日本第2位、「山DAS」
では第5位)があります。
白馬三山を歩く人は普通、自然の冷蔵庫の中にいるよ
うな白馬大雪渓を登り、白馬岳山頂へ。さらに南下、鑓
ヶ岳から鑓温泉に泊まります。その途中の大出原は一面
の草原のお花畑。
ハクサンコザクラ、ウサギギク、シナノキンバイが花
ざかり。とくにクルマユリが大群生します。いっせいに
黄金の風車が回っているように風にゆれています。あち
こちでカメラのシャッターの音がにぎやかでした。
ちなみに大出原の名は、白馬鑓ヶ岳の裏側、富山県側
に硫黄がとれる朱殿坊山があり、かつて大出村の村人が
硫黄搬出時、大勢遭難したところといわれています。
クルマユリは深山高山の草原などに生えるユリで、花
は黄金色、茎の中央部あたりに、葉が何枚も車形に輪生
しています。
・ユリ科ユリ属の多年草
▼鑓温泉【データ】
【所在地】
・長野県北安曇郡白馬村。JR大糸線白馬駅からバスで50
分、終点猿倉から歩いて3時間で鑓温泉(標高2100m)。
【位置】
・鑓温泉:北緯36度43分28.06秒、東経137度45分59.9
秒
【地図】
・旧2万5千分の1地形図「白馬町(富山)」
【山行】某年8月3日(金曜日・晴れ)
・ビンボー山行の私は青春18切符愛好者。山小屋にも泊
まれず、テント山行です。
▼【出典】
・『山DAS』石井光三(白山書房)1997年(平成9)
・『角川日本地名大辞典20・長野県』市川健夫ほか編(角
川書店)1990年(平成2)
・『北アルプス白馬連峰 その歴史と民俗』長沢武(郷
土出版社)1986年(昭和61)
・『信州山岳百科1』(信濃毎日新聞社編)1983年(昭
和58)
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▼このシリーズは、CD本『山の伝承神話・いらすと紀行』に記載してあります。
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