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山旅伝説伝承【ひとり画展】(04) 【とよだ 時】

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▼山旅通信944号「北海道・幌尻岳と源義経伝説」

・【簡略説明】
ポロシリはアイヌ語で大きな山。山ろくには義経神社、義経公園、
静御前碑、義経峠などがあり、義経伝説があるところ。岩手県衣川
から北海道に逃れた一行は羊蹄山麓をまわり、いまの平取町に落ち
着いた。そこで義経はオキクルミ王と敬われ、神としてまつられた
という。
・北海道日高市庁沙流郡平取町と新冠郡新冠町との境。

▼山旅通信944号「北海道・幌尻岳と源義経伝説」

・【説明本文】
 幌尻岳(ぽろしりだけ)は、北海道平取町と新冠(にいかっぷ)
町との境にある山。ポロ・シリはアイヌ語で「大きな・山」の意味
だそうです。

 その名のように、北海道南部を北から南に貫く日高山脈で、ただ
ひとつ標高2052mと2000mを超す山です。日高山脈襟裳国定公園
内の特別保護地区で『日本百名山』にも選定されています。また十
勝側にも同名の山「十勝幌尻岳」があり、それに対しこちらを「日
高幌尻岳」と呼んで区別します。

 この山には氷河の痕跡とされるカールが七ツ沼、北、東と3つも
あります。なかでも山頂の北東にある七ッ沼カールは、夏は高山植
物のお花畑が広がって美しくテント場としても絶好の場所です。し
かし、そこは北方にある戸蔦別岳に向かい、稜線を約1キロほど歩
き、稜線から急で危険箇所を降りなければなりません。

 その七ッ沼カールに伝わる伝説です。その昔、日高に住むアイヌ
が幌尻岳に登り、大きな沼を見つけました。その沼には白い熊が遊
んでいました。白熊と七ッの沼、その神秘な光景にアイヌはしばら
く見とれていました。

 すると突然何者かがあらわれていいました。「ここで目にしたも
のは誰にも話してはならぬぞ」といって消え去りました。ところが、
アイヌは村に帰りそのまま話してしまいました。その後彼は、家を
出たまま帰らなかったという。それからというもの、白熊のすむ美
しい沼は人々から恐れられたということです。

 ところで幌尻岳山ろくの平取、新冠(にいかっぷ)は、義経渡来
伝説があるところ。平取町には義経神社、義経公園、常磐御前碑、
静御前碑、義経峠。また 新冠町には判官館森林公園というのもあ
ります。そのほか道内各地には義経にちなんだ地名遺跡がたくさん
あるのです。鎌倉時代のはじめの文治5年(1189)、源義経は藤原泰
衡の裏切りにあい、衣川(岩手県胆沢郡)で生涯を終えたという。

 しかし、討たれた義経は影武者で、本物の義経はひそかに落ち延
びて、青森県の竜飛岬から津軽海峡を渡り、北海道に逃れたという
伝説があります。さらに大陸に渡り、やがて成吉思汗(ジンギスカ
ン)になったというのです。徳川幕府の大学頭であった林羅山も著
書『本朝通鑑』に「衣川之役、義経死セズ、逃レテ蝦夷島ニ至ル」
と記しています。

 幌尻岳山ろく平取町にある義経神社の社伝には、義経一行は蝦夷
地白神(現福島町)に渡り、西の海岸を北上し、羊蹄山麓をまわり、
日高ピラトリ(現平取町)のアイヌ集落に落ち着いた。そこで義経
は外国の侵攻からアイヌ民族を守り、そのかたわら農耕、舟の作り
方と操法、機織などを伝授しました。

 アイヌの民からは「ハンガンカムイ」とか「ホンカンカムイ」(ア
イヌ伝承の創造神であるオキクルミの再来)と呼ばれ敬われ、のち
には神としてまつられたといいます(『続本朝通鑑』など)。しかし
これには異論もあり、それは先の話とは逆の「義経はアイヌ民族か
ら宝物を奪った大悪人」というアイヌ民族の言いつたえもあるそう
です。

 さらに幌尻岳山頂には大きな湖があるという伝説があります。ア
イヌ語で「カイカイゥシト」あるいは「カイカイウント」と呼ばれ
る湖だという。そこは海のようにさざ波がたち「「昆布や海の魚も
すむ霊沼」だといいます。そして「見た人は必ず死ぬ」とも伝えら
れます。

 ポロシリ岳をつかさどる神は、周辺の山々の神を統帥する強大な
権力をもち、口承文芸の中にもそのような神々が描写されたものが
あるそうです。一方ではポロシリ岳の神は「豪雄な神」あるいは「嫉
妬深い恐ろしい神」ともいわれてもいます。

 また、江戸時代末期(幕末)から明治にかけての探検家、松浦武
四郎はその著『東蝦夷日誌』で幌尻岳に触れ、新冠川の源流を「ポ
ロシリ岳と云、峨々たる高山、実に神仙の域境なりと。堅雪の時上
るに、七日にて到る此と」と記しています。

 ここに三角点を置いたのは陸地測量部の吉野半平ら。1913年(大
正2)5月に三角点選点を行いました。その後、1925年(大正14)
夏、北海道大学の伊東秀五郎らがピパイロ岳、一九六七峰、戸蔦別
岳を経て幌尻岳に登頂。この時の記録に「ピパイロ岳から幌尻岳ま
での尾根の縦走はさほど困難ではない。大正9(1920)年の測量の
時の苅分の跡がかすかに残っていた」とあります。5年前の測量の
時の調査の時の踏み跡があったのですね。

 幌尻岳の山頂は展望が雄大で、日高山脈の峰々から、遠く芦別岳、
大雪山、十勝連峰、はるかに羊蹄山まで望めます。植物も豊富で、
オオバキスミレ、エゾハクサンチドリ、キバナシャクナゲなどが咲
きます。7月に咲くエゾサイコは幌尻岳とアポイ岳にしか見られな
い珍種だそうです。

▼幌尻岳【データ】
【所在地】
・北海道日高市庁沙流郡平取町と新冠郡新冠町との境。JR日高本
線富川駅からバス、振内案内所バス停、タクシー(1:10)で林道(第
一)ゲート、歩いて5時間30分で幌尻山荘、さらに歩いて5時間で
幌尻岳。2等三角点(2052.36m)がある。
【位置】
・三角点:北緯42度43分09秒.9665、東経142度40分58秒.4171
【地図】
・2万5千分1地形図名:幌尻岳

▼【参考文献】
・『甲子夜話』(4)松浦靜山著:東洋文庫「甲子夜話・全6巻」校
訂・中村幸彦ほか(平凡社)1989年(昭和64)
・『角川日本地名大辞典1・北海道(上)』(角川書店)1991年(平
成3)
・『新日本山岳誌』日本山岳会(ナカニシヤ出版)2005年(平成17)
・『日本架空伝承人名事典』大隅和雄ほか(平凡社)1992年(平成
4)
・『日本山岳ルーツ大辞典』村石利夫(竹書房)1997年(平成9)
・『日本三百名山』毎日新聞社編(毎日新聞社)1997年(平成9)
・『日本歴史地名大系1・北海道の地名』高倉新一郎ほか(平凡社)
2003年(平成15)年

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▼山の伝説・神々と未確認生物(天狗、仙人、鬼、妖怪)。
・山旅通信ひとり画っ展

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【とよだ 時】 山の伝説伝承探査
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from 20/10/2000


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・Word is wind(きのうのことなど、風になってとうにキリマンジ
ャロのテッペンに行っちゃってらァ〜…)