▼山のまん画ばなし【本文】のページ01
 【とよだ 時】

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北ア・剱岳内蔵助平のクロマメノキ

【概略】 

 剱岳を左に見上げながら剣沢を下って仙人峠あたりは仙人山の直
下。仙人ヒュッテの前に仙人池。ここから見る裏剣は岩壁がせまり、
小窓雪渓の雪の白さとのコントラストがすばらしい。


 ある夏、仙人池から目指すは黒部ダム。真砂沢ロッジ手前からハ
シゴ谷乗越へ。ハシゴ谷乗越では本道から少しはずれるとちょっと
した見晴台があります。


 その見晴台で小休止。眼下に内蔵助谷の樹林を眺めながらお茶を
飲みます。内蔵助平へは水の流れあとを利用した登山道を歩きます。
両脇の茂みの中に見つけた黒く熟したクロマメノキの実。


 つまんで食べると甘酸っぱさが口いっぱいに広がります。手のひ
らイッパイにつかみ取り、ほおばりながら着いた黒部川。冷たい水
に足を思いっきり冷やしたっけ。
・富山県立山町

※ご用とお急ぎでない方は、【本文】もどうぞ。

【本文】

 ゴツゴツの岩山・北アルプス剱岳を左に見上げながら剣沢を下っ
て仙人新道から仙人峠に出ます。このあたりは仙人山の直下。仙人
ヒュッテの前に仙人池がありサンショウウオがのんびりと泳いでい
ます。


 ここから見る裏剣は岩壁がせまり、小窓雪渓の雪の白さとのコン
トラストがすばらしい。ある夏、ヒュッテで一泊後、裏剣の十分に
堪能したあと水面に映す仙人池をバックにして、カメラにおさまり
ザックの整備をして出発しました。


 目指すは黒部ダム。真砂沢ロッジ手前からハシゴ谷乗越へ向かい
ます。ハシゴ谷乗越では本道から少しはずれるとちょっとした見晴
台があります。その見晴台で小休止。眼下に内蔵助谷の樹林を眺め
ながらお茶を飲みます。


 内蔵助平へは水の流れあとを利用した登山道を歩きます。昔、富
山城主の佐々成政(内蔵助)が冬の立山越えをしたのはこの内蔵助
谷だという説もあります。ここは西北の真砂岳への途中に氷河地形
のカールとモレイン(堆石)があることで有名なところです。


 大カールの最低部の氷は一千数百年もの年月を経た「生きている
氷河」ということです。カールの上部にある内蔵助山荘は、以前は
内蔵助カールの堆石提上に建てられていましたが、2度も雪崩にあって
いまの位置に移されたということです。


 内蔵助カールの底には、S字型に堆石提にせき止められた越年生の
雪渓があり、20m近くも積もって氷河氷となっているというのです。夏に
は径1mのマンホールのようなのたて穴がいくつもあられるそうです。


 これは名古屋大学水圏科学研究所の樋口敬二教授のグループが調
査し、穴の底から氷詰の木片や葉片を採取、年代を測定したところ1700
年前の植物片と分かりビックリ。1988(昭和63)年に日本最古の氷と認
定されたそうです。


 さらには1999(平成11)年に、その近くの砂礫地下から永久凍土も発
見されたと、国立極地研究所の福井幸太郎氏の報告があるそうです。こ
れは冬期に南西の季節風が強く、尾根の東側に多量の雪が吹き留まる
ことによるからだということです(「富山県山名録」)。


 内蔵助平は内蔵助谷の流れを水場として利用でき、テントも張れる平
地もあります。両脇の茂みの中に見つけた黒く熟したクロマメノキの
実。つまんで食べると甘酸っぱさが口いっぱいに広がります。手の
ひらイッパイにつかみ取り、ほおばりながら着いた黒部川。冷たい
水に足を思いっきり冷やしたっけ。



▼内蔵助平【データ】
【所在地】
・富山県中新川郡立山町。JR大糸線信濃大町下車、バスで扇沢か
ら黒部ダム、さらに歩いて3時間あまりで内蔵助平。

【位置】
・内蔵助平:北緯36度35分35.21秒、東経137度39分18.44秒

【地図】
・2万5千分の1地形図:「十字峡(高山)」

【山行】某年9月15日(火曜日・晴れ)


▼【文献】
・『角川日本地名大辞典16・富山県』坂井誠一ほか編(角川書店)1
979年(昭和54)
・『コンサイス日本山名辞典』(三省堂)1979年(昭和54)
・『富山県山名録』橋本廣ほか(桂書房)2001年(平成13)

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【とよだ 時】
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・名のある人の恥知らず、名も無きわれら恥を知る。
・人と群れること、付き合うことが苦手で、フリーになって半世紀。
いまごろになってそれが一番必要な職業だと気がついた。どうりで
生きにくかったわけだ。