山の伝承伝説に遊ぶ 【ひとり画ってん】

山旅イラスト通信【ひとり画展】とよだ 時

▼896号 高山植物・タカネグンナイフウロ

タカネグンナイフウロ(高嶺郡内風露)はグンナイフウロの高山型。
7月から8月ごろ、茎の上部で枝分かれし、その先に、散房花序(さ
んぼうかじょ)になって大きめな濃い紫紅色の5弁花をつけます。
郡内とは山梨県の東部の郡内地方(都留市付近)のことだそうです。
母種のグンナイフウロの花は淡い紅色です。
(本文は下記にあります)

【本文】

高山植物にタカネグンナイフウロというのがあります。高山の草原
などに生え、枝分かれした先に紅い紫っぽい花を咲かせています。
茎は真っ直ぐに立ち、高さ50センチくらい。下の方の葉は長い柄
があり、裏面には毛がビッシリと生え、茎や葉柄にも生えています。

葉は大形で、手のひらのように5つから7つに裂けています。裂け
た1つ1つの指?(裂片)がまた浅く裂けていて、その小裂片には
ギザギザ(鋸歯)があります。

7月から8月ごろ、茎の上部で枝分かれし、その先に、散房花序(さ
んぼうかじょ)になって大きめな紫紅色の5弁花をつけます。散房
花序とは、軸から順に枝が出ててっぺんがが平面になるように花を
つける形です。花は径3センチほどで、の5弁花で横向きか、やや
うつむきに咲きます。

タカネグンナイフウロ(高嶺郡内風露)はグンナイフウロの高山型。
母種(淡紅色)に比べて花の色が濃い紅紫色で、背丈はやや低く、
葉裏のおもに葉脈の上に毛があります。郡内とは山梨県の東部の郡
内地方(都留市付近)のことだそうです。

ちなみに、タカネグンナイフウロやグンナイフウロはフウロソウの
仲間です。フウロソウ属は6つのグループに分かれるという。第1
のグループはイチゲフウロの仲間。花が対にならず1個しかつかな
いもの。

第2のグループはゲンノショウコの仲間で花が小さいもの。第の3
グループはハクサンフウロの仲間。花が濃厚紫色で美しいもの。第
4のグループはグンナイフウロ仲間。葉が互生し、花が多数集散花
序につきます。

第5のグループはアメリカフウロの仲間。第6のグループはヒメフ
ウロなのだそうす。タカネグンナイフウロやグンナイフウロはハク
サンフウロなどに比べると、背が高く真っ直ぐ立ち、茎も太いよう
です。

昔、煎じ薬に使われた腹痛薬「ゲンノショウコ」の兄弟分なのだそ
うです。タカネグンナイフウロの分布:本州(中部地方)の高山。
・フウロソウ科フウロソウ属の多年草。

▼【参考文献】
・『高山植物』(野外ハンドブック・8)小野幹雄ほか(山と渓谷社)
1985年(昭和60)
・『植物の世界3巻・30号』(週刊朝日百科)(朝日新聞社)1994年
(平成6)
・『世界の植物巻4・43号』(朝日新聞社)1976年(昭和51)
・『日本の野草』(山と渓谷社)1983年(昭和58)
・『牧野新日本植物図鑑』牧野富太郎(北隆館)1974年(昭和49)

山岳漫画・ゆ-もぁイラスト・画文ライター
【とよだ 時】ゆ-もぁ-と事務所

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