山の伝承伝説に遊ぶ 【ひとり画ってん】

山旅通信【ひとり画展】とよだ 時

▼780号 「山の植物・深山の苺、ミヤマフユイチゴ」

【概略】
冬の日だまりハイクで時々見つけるフユイチゴ。その仲間にミヤマ
フユイチゴがあり、やはり赤く熟し甘くてよく食べられています。
名前は深山(みやま)に生えるフユイチゴだとか。フユイチゴに似
ていて、いたるところでフユイチゴと雑種をつくるそうです。
・バラ科キイチゴ属の常緑小低木

▼780号 「山の植物・深山の苺、ミヤマフユイチゴ」

【本文】
山歩きで食べられる木の実を探すのも楽しみなひとつです。とくに
キイチゴ・クサイチゴは種類も多く、冬でも実が熟して、日だまり
ハイクでもよく見つけます。

冬のイチゴで代表的なのがフユイチゴですが、その仲間にミヤマフ
ユイチゴという種類があります。このイチゴの実も甘くて食べられ
ます。名前は深山(みやま)に生えるフユイチゴの意味だとか。

本州(埼玉県・神奈川県以西)から四国・九州の山地にはえるつる
性の常緑小低木です。

茎はほそく長く、高さ30〜40センチぐらい。直立または斜め上にの
びて毛はなく、小さいとげがあります。葉は互生(茎に互い違いに
つく)して卵形。

先端は鋭頭形で、基部は心臓形、多くは3〜5、浅く裂けています。
葉のふちには細かい歯牙状のきょ歯があって、両面に生える毛は少
い。葉柄にも毛が少ないですが、とげがあります。

夏に葉のわきから出る短い花枝に穂をつくって小さい白い花をつけ
ます。がく片は卵形で鋭く尾っぽのようにとがり,がくの両面には
柔らかい短かい毛が多く生えています。

花弁は5枚つき、その形は倒卵状楕円形で、がく片より短い。核果
は集まって球形になり、冬に赤く熟します。フユイチゴによく似て
いますが、茎葉に毛がほとんど生えていなく、葉が鋭くとがり、小
さなとげがあって、花弁はがく片より短いところが違うそうです。

そのあたりでフユイチゴと区別できるのだそうです。でもいたると
ころでフユイチゴと雑種をつくるというし難しそうですね。

▼【データ】
ミヤマフユイチゴ(深山冬苺)
バラ科キイチゴ属の常緑小低木

★【参考】
「植物の世界・5」(朝日新聞社)1996年(平成8)
「世界の植物・5」(朝日新聞社)1976年(昭和51)
「牧野新日本植物図鑑」牧野富太郎(北隆館)1974年(昭和49)

山と田園の画文ライター
イラストレーター・漫画家
【とよだ 時】

 

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