山の歴史と伝承に遊ぶ 【ひとり画ってん】

山旅イラスト通信【ひとり画展】とよだ 時

▼626号「栃木県・夕日岳と十三夜」

【概略】
夕陽が沈んだ後、十三夜の月が少しいびつになって輝いています。
この位の方が趣があっていい。眺めていると、左下に小さな点を見
つけます。火星です。何という運のいいことでしょう。夜中、鹿が
やってきてひと鳴き、ふた鳴き。この世の贅沢とはこんなことでし
ょうか。
・栃木県鹿沼市

▼626号「栃木県・夕日岳と十三夜」

【本文】
日光中禅寺湖南東・足尾山地北部に夕日岳(1526m)という山があ
ります。古峰ヶ原高原、薬師岳、横根山などとともに前日光県立公
園を形成する一峰で、禅頂行者の道にあたり、修験道の道場として
知られています。

古峰神社から茶ノ木平へのルートの三ツ目と呼ばれる場所から15分
のところにあり静かな趣のある山頂です。

きょうは十五夜の前の十三夜。夕日岳から見る夕日はどんなものだ
ろうと山頂へ急ぎます。夕日は三ツ目方面に沈み、アカトンボが陽
に映えて一段と赤くなり、木の枝が開けた空いっぱいに飛んでいま
す。

陽が落ちるにしたがい、ガスが出て視界ゼロ。夕食をとり、ふと見
るとさっきのガスはウソのよう。十三夜の月が少しいびつになって
輝いています。

十五夜の満月よりやはりこの位の方が趣があっていい。眺めている
うち、左下に小さな点を見つけました。火星です。何という運のい
いことでしょう。

夜中、鹿がやってきてひと鳴き、ふた鳴き。この世の贅沢とはこん
なことでしょうか。

翌日、家に帰り新聞(朝日新聞・10日付け朝刊、社会面)に、中秋
の競演との見出しで大きく写真が載っている出はありませんか。何
という!何という!その新聞の切り抜きを大事に山行記録といっし
ょにファイルしてあります。

▼夕日岳【データ】
【所在地】
・栃木県鹿沼市。日光線日光駅の南西10キロ。東武日光線新鹿沼駅
からバス、終点古峰神社下車、さらに歩いて4時間で夕日岳。二等
三角点(1526.1m)がある。そのほか付近に何もなし。地形図上に
は山名と三角点記号とその標高のみ記載。付近に何も記載なし。

【位置】(国土地理院「電子国土ポータルWebシステム」から検索)
・【等三角点】緯度経度:北緯36度41分23.18秒、東経139度31分58.
94秒

【地図】
・2万5千分の1地形図「日光南部(日光)」。5万分の1地形図「日
光−日光」

【参考】
・「日本山名総覧」竹内正(白山書房)1999年(平成11)
・「コンサイス日本山名辞典」(三省堂)1979年(昭和54)
・「角川日本地名大辞典9・栃木県」大野雅美ほか編(角川書店)1
984年(昭和59)

山岳漫画・ゆ-もぁイラスト・画文ライター
【とよだ 時】ゆ-もぁ-と事務所

山旅イラスト【ひとり画展通信】題名一覧へ戻る
………………………………………………………………………………………………
「峠と花と地蔵さんと…」トップページ【戻る】