山の歴史と伝承に遊ぶ 【ひとり画ってん】

山旅イラスト通信【ひとり画展】とよだ 時

▼590号 「北ア槍・西鎌尾根千丈乗越」

【概略】
槍を十字路に東西南北に延びる北鎌、南鎌、東鎌、西鎌の尾根。鎌
尾根とは鎌の刃のような細い尾根。槍の肩から1時間半も下った西
鎌尾根千丈沢乗越で男性が座り込んで携帯で連絡。仲間が肩で手を
振っている。再び立ち上がったがまだまだ先は遠い。
・長野県松本市と岐阜県高山市との境

▼590号 「北ア槍・西鎌尾根千丈乗越」

【本文】
北アルプスを象徴する槍・穂高。その槍ヶ岳を十字路に東西南北に
延びる北鎌、南鎌、東鎌、西鎌の尾根。鎌尾根とは鎌の刃のような
細い尾根で、青壮年期の山地の特徴だという。

槍の山頂から見る西鎌尾根は、なんとなく心を誘います。この尾根
は双六岳から三俣蓮華岳に続く裏銀座ルートです。急きょ計画を変
更、今夜は双六小屋テント場と決めました。

西鎌尾根を1時間半も下った千丈沢乗越で男性がひとり、ケイタイ
をかけています。聞けば歩く気力がなく仲間に追いつず連絡してい
るといいます。

そういえば槍ヶ岳の肩で2、3人心配そうに見降ろしていたっけ。
槍は目の前、頑張って。声をかけたら汗を拭き拭き立ち上がりまし
た。

しばらくして振り返ったらまだ道標の近くで座っています。夕方も
近くなりました。仲間が迎えに来たのでしょうか。ちょっと気にな
った一こまでした。

ちなみに槍ヶ岳は、長野県と岐阜県の境にあるように見えますがよ
く見ると、県境を通っているのは小屋のある山頂の肩で、三角点の
ある穂先は長野県に出っ張っています。

▼【データ】
【所在地】
・長野県松本市安曇(旧南安曇郡安曇村)と岐阜県高山市上宝町(旧
同県吉城郡上宝村)との境。篠ノ井線松本駅の北西35キロ。松本電
鉄新島々駅からバス、上高地から歩いて延べ12時間で千丈沢乗越。
地形図に地名の記載なし。乗越より西北約72mに写真測量による標
高点(2734m)がある。乗越より東方向直線約866mに槍岳山荘が
ある。

【位置】(国土地理院「電子国土ポータルWebシステム」から検索)
・【千丈沢乗越】緯度経度:北緯36度20分33.43秒、東経137度38分7.
34秒

【地図】
・2万5千分の1地形図「槍ヶ岳(高山)」

山と田園の画文ライター
イラストレーター・漫画家
【とよだ 時】

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