山の歴史と伝承に遊ぶ 【ひとり画ってん】

山旅イラスト通信【ひとり画展】とよだ 時

▼534号 「富士周辺御坂峠の富士山」

【概略】
御坂峠は新御坂トンネルの上にある峠。休業中の御坂茶屋のわきに
雪を踏み固め、テントを張った。目の前にどっしりと富士山が大き
く夕日で光っている。暗くなりはじめた眼下の河口湖。夕なずむ富
士山はやはり雄大だ。噴火の話題にもかかわらず幸いにも美しい姿
を見せてくれている。
・山梨県笛吹市と山梨県富士河口湖町との境

▼534号 「富士周辺御坂峠の富士山」

【本文】
富士山の噴火の話題がなりはじめたのはいつごろのことだったでし
ょうか。その富士山の低周波地震が2000年の10月ごろから10倍から
20倍に急増しているという。

火山噴火予知連絡会も観測体制に本腰を入れはじめたという。そん
な雪の富士山をいまのうち見ておこうと物好きにも2月、御坂山地
の御坂峠に宿を借りました。

御坂山地の御坂峠というと「富士見三景」のひとつで太宰治の「富
嶽百景」でおなじみの天下茶屋のある御坂トンネルのあるところと
思いがちですがここは昭和6年に開通したトンネル。

トンネル手前の天下茶屋の道路向かい側に太宰治の文学碑も建って
いて、クルマの行楽客でにぎわっています。

御坂峠は新御坂トンネルの上にある峠。ここは奈良・平安時代から
重要な歴史のある街道だったという。峠にある御坂茶屋は現在休業
中。

そのわきに雪を踏み、固めテントを張ります。目の前にどっしりと
富士山。夏とはまた違って大きく夕日で光っています。暗くなりは
じめた眼下の河口湖。夕なずむ富士山はやはり雄大です。

平安時代以降いろいろな文献に書かれ、歌に詠われ、人の心を魅了
してきた富士山。いつまでもこのまま美しい姿を変えないでいて欲
しいものです。富士山は幸いにもいまでも美しい姿を見せてくれて
います。

▼【データ】
【所在地】
・山梨県笛吹市御坂町(旧東八代郡御坂町)と山梨県南都留郡富士
河口湖町(旧南都留郡河口湖町)との境。富士急行河口駅の北7キ
ロ。富士急行河口湖駅からバス三ツ峠登山口下車、歩いて1時間30
分で御坂峠。地形図に峠名のみ記載。標高の記載なし。

【名峠】
・井出孫六選定「日本百峠」(第34番選定:山梨県)

【位置】(国土地理院「電子国土ポータルWebシステム」から検索)
・御坂峠:【緯度経度】北緯35度33分23.04秒、東経138度45分49.45


【地図】
・2万5千分の1地形図「河口湖東部(甲府)」

【参考】
・「角川日本地名大辞典19・山梨県」磯貝正義ほか編(角川書店)1
984年(昭和59)
・「日本歴史地名大系19・山梨」(平凡社)1995年(平成7)
・「日本山名事典」徳久球雄ほか(三省堂)2004年(平成4)

山と田園の画文ライター
イラストレーター・漫画家
【とよだ時】

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