山の歴史と伝承に遊ぶ 【ひとり画ってん】

山旅通信【ひとり画展】とよだ 時

▼364号「丹沢・枯れゆくブナ林」

【概略】
最近丹沢のブナ林の衰退が進んでいるといわれ、その保護団体が活
動に取り組んでいるという。よく言われる酸性雨か、工場の煙のせ
いか。立ち枯れた大きなブナの木。枯れゆく木の幹に毒キノコのツ
キヨタケがびっしりとついている。
・神奈川県丹沢山塊

▼364号「丹沢・枯れゆくブナ林」

【本文】
ハイキングでおなじみのブナの木は、山地に生える高さ30mにもな
り。丹沢などではおなじみです。

ブナは山中に降った雨の水分を地中に保つ作用があり、木の実やキ
ノコなどから多くの動物のすみかを提供し、また生活に必要な多く
の器具、用具の材料を提供してくれることからその保護が叫ばれて
います。

首都圏に近い丹沢は、中級程度の山のため、標高7、800m付近を境
に下部はカシの林域に、上部はブナの林域に分かれています。また
尾根近くのブナ林は強い風のため木が高くならず、枝分かれが多く
なっています。

最近このブナ林の衰退が進んでいるとし、その保護団体が次々に名
乗りを上げいろいろな活動に取り組んでいるのは喜ばしいことで
す。

しかしまだまだ丹沢全域から見ると油断のならない現象が多く見受
けられます。

8月も末、大倉尾根を夜中に登り深夜に歩くカモシカ山行に出かけ
ました。不動ノ峰から蛭ヶ岳に向かう途中、ブナの木の立ち枯れが
目立ちます。

よく言われる酸性雨か、工場の煙のせいでしょうか。毒キノコのツ
キヨタケがびっしりとついて悲惨な感じがただよっていました。
ブナ科ブナ属の落葉高木。

▼丹沢山塊【データ】
【所在地】
・神奈川県と山梨県、静岡県の境

【山行】
・某年8月31日(土・晴れからガス)丹沢山塊探訪

【参考】
・「丹沢の自然観察」(日本自然保護協会)1987年(昭和62)
・「植物の世界」(朝日新聞社)1995年(平成7)
・「世界の植物・7」(朝日新聞社)1977年(昭和52)
・「日本大百科全書・20」(小学館)1990年(平成2)

山と田園の画文ライター
イラストレーター・漫画家
【とよだ 時】

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山旅イラスト【ひとり画展通信】
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