山の歴史と伝承に遊ぶ 【ひとり画ってん】

山旅イラスト通信【ひとり画展】とよだ 時

▼315号 「新潟県・苗場山雷清水のシラネアオイ」

【概略】
6月、上越新幹線・越後湯沢駅方面からスキー場を通り、最後のリ
フトを過ぎて3時間足らずで苗場山山頂。苗場山近くの雷清水の水
を汲んでいたら、遠くであがった歓声。そこはシラネアオイの花が
群生している。私たちも負けずに歓声をあげた。
・新潟県津南町、湯沢町と長野県栄村との境

▼315号 「新潟県・苗場山雷清水のシラネアオイ」

スキー場として知られる上越の苗場山(2145m)。その名は山頂が
苗を植えた稲田のようだからとのこと。山頂は、南北約5キロ東西
約2キロの平坦な湿原。

その湿原いっぱいに散らばる自然の苗代田。苗場と呼ばれるこの小
さな池は、大きさ5〜10m、深さ20〜40センチ。これが600個前後
もあり、その中にミヤマアシ、タテヤマスゲ、ミヤマホタルイなど
の湿地植物が苗のように生えています。

秋になると穂をつけ、そのうえ、カエルやイナゴまでいるというの
ですから、普通の田んぼと変わりません。昔から多くの文人墨客が
訪れました。

なかでも江戸後期越後塩沢の文人・鈴木牧之の『北越雪譜』(二編
巻之四苗場山)は有名です。

6月、上越新幹線・越後湯沢駅方面からスキー場を通り、最後のリ
フトを過ぎて3時間足らずで苗場山山頂です。苗場山近くの雷清水
の水を汲んでいたら、遠くで歓声が上がりました。

そばへ行ってみたらシラネアオイの花が群生しています。日光とは
また趣が違うすばらしさ。私たちも負けずに歓声をあげました。
・キンポウゲ科シラネアオイ属の多年生草本。一属一種の日本固有


▼【データ】
【所在地】
・新潟県南魚沼郡湯沢町。上越線越後湯沢駅の西15キロ。上越新幹線
越後湯沢駅からタクシー第2リフト町営駐車場下車、歩いて2時間40分で
雷清水。水場がある。そのほかは何もなし。地形図上には何も記載
なし。

【位置】
・【雷清水】緯度経度:北緯36度50分58.92秒、東経138度42分
4.15秒(国土地理院「電子国土ポータルWebシステム」から検索)

【地図】
・2万5千分の1地形図「苗場山(高田)」。5万分の1地形図「高田−苗
場山」

【山行】苗場山山行
・某年6月24日(土・くもり)探訪

【参考】
。「日本山名事典」徳久球雄ほか(三省堂)2004年(平成4):(p74
6・苗場山)
・「北越雪譜」鈴木牧之(ワイド版岩波文庫82)岡田武松校訂(岩
波書店発行)1991年(平成3)
・「角川日本地名大辞典15・新潟県」田中圭一ほか篇(角川書店)1
989年(平成1)

山と田園の画文ライター
イラストレーター・漫画家
【とよだ 時】

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山旅イラスト【ひとり画展通信】
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