山の歴史と伝承に遊ぶ 【ひとり画ってん】

山旅イラスト通信【ひとり画展】とよだ 時

▼259号 「北アルプス・黒部川源流の碑」

【序文】
延長85キロを流れて日本海にそそぐ黒部川。源流は北アルプス中央
部、富山県の鷲羽岳・ワリモ岳・雲ノ平祖父岳の鞍部岩苔乗越にあ
り、そのすこし下流、三俣山荘へ分岐には黒部川源流の石碑も建っ
ている。登山者は決まってひとくち水を口にする。
・富山県富山市

▼259号 「北アルプス・黒部川源流の碑」

総延長85キロ、流域面積682平方キロ、断崖の高さ数百mにも達す
る日本一の渓谷黒部川。

その源流は北アルプス中央部、富山県の鷲羽岳・ワリモ岳・雲ノ平
祖父岳の鞍部岩苔乗越(のっこし)にあります。

川の流れは雲ノ平の台地の西を大きく迂回。上ノ廊下を通り黒部湖
へそそいでいます。

富山、長野、岐阜の3県にまたがる三俣蓮華岳(2841m)から雲ノ
平に向かう途中の鞍部に源流の流れを渡る場所があって、黒部川源
流の石碑も建っています。そこで登山者は決まってひとくち水を口
にします。

ある夏、三俣山荘にテントを張りっぱなしにして周辺の山々を巡り
ました。一度、源流からさらに上流、本当の「源流の源流」の一滴
を飲んでみようと岩苔乗越から沢すじへ下りました。

それこそポタッとしたたる最初の一滴。コップにためて一気に飲み
干します。のどを冷たい水が通ります。この水が日本海に流れ込む
まで何日くらいかかるのだろう。

高山植物の咲く中を源流の碑のある下流へ50分。そこで水を飲んで
いる人たちを見てちょっぴり優越感に浸ったものでした。

▼【データ】
【所在地】
・富山県富山市旧大山町各地区名(旧上新川郡大山町)。JR高山
線高山駅からバス、新穂高温泉から歩いて延べ11時間で黒部川源
流の碑。・源流碑のみでほかは何もなし。地形図に何も記載なし。

【位置】
・【黒部川源流の碑】緯度経度:北緯36度24分09.8秒、東経137
度35分38.33秒(国土地理院「電子国土ポータルWebシステム」か
ら検索)

【地図】
・2万5千分の1地形図「三俣蓮華岳(高山)」

【山行】北アルプス笠ヶ岳〜黒部源流縦走
・某年8月11日(木・快晴)探訪

山と田園の画文ライター
イラストレーター・漫画家
【とよだ 時】

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山旅イラスト【ひとり画展通信】
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