山の歴史と伝承に遊ぶ 【ひとり画ってん】

山旅イラスト通信【ひとり画展】とよだ 時

▼223号 「西丹沢・山ノ神峰のハンジョウヅル」

【概略】
菰釣山から山伏峠と三国山方面への分岐点山の神峰。縦走路からち
ょっとはずれた小道を急登したところで、ヤブが高く成長し、山中
湖や富士山がやっと眺められる。6月には、そのヤブの中にハンシ
ョウヅルが鐘形の花をたくさんつける。
・神奈川県山北町と山梨県道志村と山中湖村の境

▼223号 「西丹沢・山ノ神峰のハンジョウヅル」

神奈川県と山梨県の境にある西丹沢菰釣山(1379m)から南下しま
す。やがて山伏峠と三国山方面への分岐点・山の神峰につきます。
ヤブが高く成長し、山中湖や富士山がやっと眺められる程度のピー
クです。

ピークは縦走路からちょっとはずれた小道を急登、息が切れるくら
いになってやっとたどり着きます。あたりは高圧送電線が通ってい
て、鉄塔が目立つところ。

6月はじめの暑い日、縦走路を歩いた時のことです。山の神峰を回
り込むように登山道が続いています。そのピークを過ぎるあたり、
道路わきのヤブの中にハンショウヅルの花が咲いているのを見つけ
ました。

ハンショウヅルはキンポウゲ科の木質つる植物。センニンソウ属に
属しているだけに、鐘形の花が下を向いている様は神秘的です。ハ
ンショウヅルの茎はしばしば暗紫色をおび、葉は3出複葉(枝の先
端に3枚の小葉をつける)で互生しています。

花柄は6から12センチもあり、その先端に紅紫色の花をひとつつ
けます。花は長さ3センチくらい、紅紫色で光沢があり完全に開か
ず垂れ下がります。名前は半鐘のような花の形からきているそうで
す。

長いツルがやぶの中にのびて、紅紫色の半開きの花があちこちに咲
いているのを見るとちょっとびっくりします。
キンポウゲ科センニンソウ属の木質藤本(つる植物)

▼【データ】
【所在地】
・神奈川県足柄上郡山北町と山梨県南都留郡道志村と山梨県南都留
郡山中湖村の境。富士急行富士吉田駅からバス。平野から歩いて2
時間で山ノ神峰。写真測量による標高点(1268m)がある。その
ほかは何もなし。地形図に標高点の標高のみ記載。標高点より西北
方向690mに山伏峠がある。付近に何も記載なし。

【位置】
・標高点:北緯35度26分55.68秒、東経138度56分14.32秒

【地図】
・2万5千分の1地形図「御正体山(甲府)」

【山行】西丹沢菰釣山
・某年6月6日(土・晴れ)探訪

【参考】
・「牧野新日本植物図鑑」牧野富太郎(北隆館)1974年(昭和49)

山と田園の画文ライター
イラストレーター・漫画家
【とよた 時】

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山旅イラスト【ひとり画通信】
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