山の歴史と伝承に遊ぶ 【ひとり画ってん】

山旅通信【ひとり画展】とよだ 時

▼082号「奥日光・金精峠の金精さま」

・【概略】
栃木県奥日光の湯ノ湖から群馬県沼田市へ抜ける金精峠。峠から40
分ほど山道を登るとお堂の形の金精権現の社があります。金精サマ
は金勢、金生とも書き、縁結びの神であり、妊娠、出産、婦人病な
どに霊験あらたかな神。金精神の社や祠は全国的に見られますが、
とくに東北地方に多い神サマだということです。
・栃木県日光市と群馬県片品村との境

▼082号「奥日光・金精峠の金精さま」

栃木県奥日光・湯ノ湖から群馬県沼田へ抜ける国道120号線があり
ます。その県境に金精峠があります。峠から40分ほど山道を登る
とお堂の形をした金精権現の社が建っています。

なかには石製の「カナマラさま」がちん座しています。金精サマは
金勢、金生とも書き、縁結びの神であり、妊娠、出産、婦人病など
に霊験あらたかという。

金精さまの「金」は金色に輝く立派なものという意味で、「精」は
精力絶倫の勢いをあらわすのだという。峠の名前はもちろんこの神
さまに由来するもの。

金精神の社や祠は全国的に見られますが、とくに東北地方に多いそ
うです。7月、雨もあがり、白根山から弥陀ヶ池のシラネアオイを
見学後、神社についたころは太陽も顔を出してくれました。鳥居の
前で、雨具を乾かしながら参拝。格子の間からなかをのぞきます。

社のなかには男なら誰でもが劣等感にさいなまれそうな立派なシロ
モノがデーンと鎮座しています。

当方としては、縁結び、出産などにはもう縁がなくなっていますが
一応、夫婦そろって念入りに拝んできた次第でありま〜す。

▼【データ】
【所在地】
・栃木県日光市と群馬県利根郡片品村との境。JR日光線日光駅の
北西23キロ。JR・東武日光線日光駅からバス、金精峠。地形図
に峠名の記載あり。峠より西方60mに金精神社(鳥居の記号)があ
る。

【位置】
・金精峠:【緯度経度】36度49分08.89秒、東経139度23分42.92
秒(国土地理院「電子国土ポータルWebシステム」から検索)

【地図】
・2万5千分の1地形図「男体山(日光)」国土地理院「地図閲覧サ
ービス」から検索

【参考】
・「角川日本地名大辞典9・栃木県」大野雅美ほか編(角川書店)1984
年(昭和59)
・「新日本山岳誌」日本山岳会(ナカニシヤ出版)2005年(平成17)
・「旅と伝説」全193号(三元社):1930年(昭和5)
・「日本歴史地名大系・栃木県」(平凡社)1988年(昭和63)

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山岳漫画・ゆ-もぁイラスト・画文ライター
【とよだ 時】ゆ-もぁ-と事務所

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