山の伝承伝説に遊ぶ
山旅通信
【ひとり画ってん】とよだ 時

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▼045号「奥多摩・高水三山青渭神社」

【略文】
奥多摩高水三山の惣岳山頂にある青渭神社は大国主命をまつってあ
り、ふもとの横尾子地区に拝殿があります。延喜式内社というから、
平安時代から続く格式のある神社らしい。
1月、青渭神社の前で大休止としました。コンロを出してお茶をわ
かします。快晴の上天気。日溜まりはすわる場所を太陽の動きに合
わせ移動するほど暑い陽気でした。

▼045号「奥多摩・高水三山青渭神社」

【本文】
東京都の奥座敷奥多摩。いまは休日に限らず中高年のハイカーが大
勢訪れます。そのJR青梅線の御獄(みたけ)駅北方に高水山(た
かみずやま)・岩茸石山(いわたけいしやま)・それに惣岳山(そう
がくやま)のあわせて高水三山があります。

惣岳山山頂には青渭(あおい)神社という神社がまつられ、社殿の
まわりはぐるりと金網がはりめぐらされています。スギ林に囲まれ
展望はありません。

惣岳山山頂には青渭(あおい)神社という神社がまつられ、社殿の
まわりはぐるりと金網がはりめぐらされています。

延喜式(えんぎしき)内の社(多摩八社のひとつ)というから平安
時代から続く、格式のある神社だそうな。大国主命(おおくにぬし
のみこと)をまつり、ふもとの横尾子(よこおす)地区に拝殿があ
ります。

ある年の1月のことでした。子どもたちを連れて棒ノ折山から岩茸
石山経由で惣岳山の神社につきました。天が抜けるような快晴です。
適当に雪があり、楽しい山道です。神社の前でコンロを出してお茶
をわかします。1月というのに日溜まりは暑いくらいの陽気です。

真冬とはいえ、結構お天道さまの光が強い。まわりの木々を見なが
ら、すわる場所を太陽の動きに合わせて木陰、木陰へと移動移動す
るほど。日だまり山行とはいうけれど真夏に近い山行でありました。

青渭神社から御獄駅側に下ります。まき道と合流するところに真名
井の井戸窪があります。洞に水が湧いていて(といっても水たまり
程度)祠がまつられています。

青謂の井ともいうそうです。青謂神社はこれをまつっているのだと
いう。真名井とは「天真名井」で天照大神と素戔嗚尊(すさのおの
みこと)が誓約して、この水をかけると次々神々が生まれたという
神話に由来しているといいます。

▼【データ】
【所在地】
・東京都青梅市と東京都西多摩郡奥多摩町との境 JR青梅線御獄
駅から1時間30分で惣岳山青渭神社。標高点(756m)がある。
地形図に山名と鳥居神社記号、標高点の標高の記載あり。

【位置】
・標高点:北緯35度49分9.15秒、東経139度10分40.13秒

【地図】
・旧2万5千分の1地形図「武蔵御岳(東京)」

【参考】
・『新日本山岳誌』日本山岳会(ナカニシヤ出版)2005年(平成17)

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山と田園の画文ライター
イラストレーター・漫画家
【とよだ 時】

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