山の伝承伝説に遊ぶ
山旅通信
【ひとり画ってん】とよだ 時

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▼012号「上州・上野原高原のミズバショウ」

【略文】
群馬県上野原高原にもミズバショウがあるという。ある年の4月中
旬、雪がまだヒザまでありました。雪融けの水に小さなミズバショ
ウは咲いていました。その夜は湯の小屋温泉泊まり。翌日、道路わ
きの洞元の滝にマイカーが1台落ち込みました。あの後どうなった
のでしょうか。

▼012号「上州・上野原高原のミズバショウ」

【本文】
高山植物のミズバショウといえば群馬県と福島県にまたがる尾瀬が
有名ですが、そこから比較的近い群馬県の上野原高原にもミズバシ
ョウがあるといいます。

ミズバショウは葉が大きくなってバショウのような形になるのがこ
の名の由来だとか。北海道では長さが1mをこえるものがあるとい
う。ミズバショウの茎は生長した分だけ地中に引きずり込まれるの
で芽はいつも地面の下にあるといいます。

ある年の4月中旬、家族を連れて上野原高原を訪れました。時期が
時期、雪がまだヒザまでありました。それがやっと溶けはじめてい
る2坪ばかりの湿地。

雪融けの水が流れるなか、小さなミズバショウはまるでお義理のよ
うに咲いていました。「あるにはあったね」と子どもたちの声。そ
の夜は湯の小屋温泉の山荘に泊まりました。

当時、山荘の風呂は沢から引いたお湯を沸かしているので、風呂の
中にお湯と一緒に入ってくる枯れ葉がたくさん浮かんでいます。な
かなかの風情です。

翌日、道路わきの洞元の滝に行楽のマイカーが1台落ち込みました。
パトカーや救急車がかけつけたが人も車もとうとう浮かんできませ
んでした。あの後どうなったのでしょうか。

▼【データ】
【所在地】
・群馬県利根郡みなかみ町(旧利根郡水上町) JR上越線水上駅から
バス、久保停留所下車歩いて1時間で上ノ原高原。地形図に上野原山
の家の文字と石碑の記載あり。

【位置】
・緯度経度:北緯36度50分9.13秒、東経139度5分0.5秒

【地図】
・2万5千分の1地形図「藤原湖(日光)」or「藤原(日光)」(2図
葉名と重なる)

【参考】
・「子供の科学」(自然は友だち・95)とよた 時(誠文堂新光社)
・「牧野新日本植物図鑑」牧野富太郎(北隆館)1974年(昭和49)
・「世界の植物・8」(朝日新聞社)1975年(昭和50)
・「植物の世界・11」(朝日新聞社)1996年(平成8)

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山と田園の画文ライター
イラストレーター・漫画家
【とよだ 時】

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山旅通信【ひとり画展】
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