【クスリになる野菜・果物】第1章
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▼3月の野菜・果物
・(1)アシタバ ・(2)イヨカン ・(3)ウグイスナ ・(4)エシャロット
・(5)オレンジ(スィートオレンジ) ・(6)カキナ ・(7)カツオナ
・(8)亀戸ダイコン ・(9)カラシナ ・(10)カルドン ・(11)キニラ
・(12)小カブ(コカブ) ・(13)サヤエンドウ ・(14)サラダナ
・(15)セロリ ・(16)タアサイ(キサラギナ) ・(17)豆苗 ・(18)ナバナ
・(19)二年子ダイコン ・(20)ハーブ ・(21)ハッサク ・(22)マナ
・(23)ミイケタカナ ・(24)レモン ・(25)ワケギ
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(1)アシタバ(春3月)
アシタバは漢字で明日葉。きょう摘んでも、明日にはまたすぐ若
葉が出てくるほど草の勢いが強く、食べると非常に精がつくといわ
れます。
日本の中南部の海岸、とくに房総から三浦半島、紀伊半島までの
太平洋の海岸、伊豆七島、小笠原に分布。八丈島に多いところから
ハチジョウソウの名もありまた、アシタグサともよばれます。
茎の高さは1mくらい。茎や葉柄が太く、切ると切り口から黄色
い汁がにじみ出す特徴があります。葉は大きく光沢があり、ウドや
ブドウに似ています。葉は1、2回3出葉の複葉(茎から3枚の小
葉、またはもう1度3枝に分かれた先に3枚の小葉をつける)。
8月から9月ごろ大きな笠のような花穂を出して、淡い黄色の小
さな花をいっぱい咲かせます。花のあと長楕円形の翼のある果実を
つけます。
アシタバは、八丈島や伊豆七島では乳牛のえさに利用、これを食
べさせると乳質がよくなり、また乳量も増えるという。
この草はシシウド属(アンゲリカ属)に属し、アンゲリカはアンジェ
ルス(エンジェルスー天使)で、同属に強心剤として薬効のあるもの
があり、死者をよみがえらせるところからついた名前だという。利尿、
緩下、催眠などにも薬効があるという。
この若葉は緑黄色野菜のひとつで、ビタミンA効力のカロチンが
多く、またビタミンCや鉄分も多い。冬も枯れず一年中とれるが春
から夏にかけてとくに多く採取されます。伊豆七島ではつくだ煮、
漬け物としてみやげ物に売り出しています。
種子からでも簡単に作れ栽培もやさしいという。若葉をゆでてお
浸しに、ゴマ和え、酢の物、味噌和えなどに利用します。
・セリ科シシウド属の多年草
・薬効・繁殖力が強く、強壮作用があるとされています。若葉は緑
黄色野菜のひとつ。
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(2)イヨカン(春3月)
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(3)ウグイスナ(春3月)
ウグイスナは、コマツナの一種で春に出荷されるもの。ウグイ
スが鳴きだすころとれるので名前がついたという。コマツナは、
年内からとれる早生、「よしず」の霜除けの下でとれる中生、春に
なってからとれる晩生のウグイスナがあります。晩生ほど菜の色
が濃く、葉に丸みがあって、トウの立つのが遅くなります。
初春にまいた種から葉が3〜4枚出たころつまみ菜として収穫
します。ウグイスナの名前は昔からあって、室町時代末期の永禄
2年(1559)4月に降ったヒョウのため、「ウグイスナ」が大きな
被害を受けたとの記録が残っていると聞きます。
東京都江戸川区中央の香取神社に「小松菜ゆかりの里」の石碑
があります。
・アブラナ科アブラナ属の2年草
【効能】鉄分・ビタミンA、C、カルシウムが豊富なアルカリ性
食品。便秘に効ありとのことです。………………………………………………………
(4)エシャロット(春3月)
エシャロットというのはフランス名で、英名はシャロットだと
いう。そのフランス名エシャロットがスーパーや八百屋さんで売
っています。味噌をつけた生食は酒の肴に結構いけます。
ところが、このエシャロットは、同属のラッキョウを軟白した
もので、静岡県が栽培地だという。一時はこれをエシャラッキョ
ウともいっていました。
それでは「ホントウ」のエシャロットとはどんなものか。エシ
ャロットは、約2000年前タマネギから変化してできたといわれ、
原産地などは一切不明の霧のなか。
古くからヨーロッパで栽培され、とくに香辛料としてフランス
料理にもよく使われています。オニオン、ガーリックのような刺
激臭をもっていて、鱗茎をすりおろしてソースに入れたりします。
春の葉もやわらかく、生食、煮物にも用いられます。
エシャロットは、ネギに似た形ですが、ずっと小形。高さは30
センチ。地下茎は肥大して鱗茎になっています。夏は葉を枯らし
て休眠し、秋からまた茂りはじめ、次の年の初夏に白いネギ坊主
のような花を咲かせますが種子はできないといいます。
・ユリ科ネギ属の多年草、タマネギの一種の小形で株立ちになる
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(5)オレンジ(スィートオレンジ)(春3月)
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(6)カキナ(春3月)
カキナは寒さには強い野菜。だれにでも好まれる青菜であり、
緑黄野菜です。収穫は三月上旬からはじまり、ちょうど野菜の端
境期にあたることから重宝される野菜です。
さっばりした味は早春の食事を飾ります。また割り合い長い間
収穫でき、摘んでもまた芽がどんどん出てくるので、近くの菜園
に栽培しておくと大変便利。
品種は「宮内菜」が多く作られ、生育が旺盛で茎立ちがよく、
また甘味と風味に富んでいて、葉柄が長いため収穫しやすい品種
です。
ビタミン類は野菜の中でも最も多いグループに属します。ビタ
ミンCのほかにビタミンA、食物繊維が多く含まれます。お浸し、
ゴマ和え、油いため、汁の実、浅漬けなど多様です。
・アブラナ科アブラナ属の2年草………………………………………………………
(7)カツオナ(春3月)
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(8)亀戸ダイコン(春3月)
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(9)カラシナ(春3月) 葉が辛いのでカラシナ(芥菜)で、黄色い種子を粉末にしたもの が、おでんや納豆に添える「からし」です。種子には薬効があり、 ギリシャ時代にはヘビにかまれたり、サソリに刺されたときにこれ を酢でねって軟膏にし、傷口に貼ったといいます。 また、かつては粉末を塩水でこねて泥状にして皮膚にぬり、気管 支炎、肺炎、神経痛の治療に用いたこともあります。カラシナは一 名雀芥(チュエチェ)ともいうそうです。スズメがこの実を食べる と興奮してはねまわるという。(単に辛くてはねているのとちがう かなあ) 原産地は、あのイラク南部からアラビア半島あたり。そこから古 ーい時代、シルクロードを通り、インドや中国に導入されたという から、大変な旅人(菜)なのであります。 そこでいろいろな形に分化し、いまでは中国を中心にアジア南部 で重要な野菜になっています。中国での栽培は古く、紀元前5、60 年の本「礼記」(らいき)に書かれているという。
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(10)カルドン(春3月) カルドンとは聞き慣れない名前です。これはアザミの一種で、ア ーティチョークはカルドンから改良されたといわれます。 アーティチョークは花の蕾がついた茎の先端のふくらんだ総苞片 のもとのところをゆでて食べますが、カルドンは主にとう立ちしな い前の葉柄を軟白して野菜として食べます。
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(11)キニラ(春3月) キニラは漢字で黄韮。農林省の統一名称になっています。薬用 のニラ株を養成、日光をさえぎって軟化栽培したもの。ニラモヤ シとも呼ばれます。葉が黄色なため黄ニラ。黄金のように美しい というのでコガネニラの別名もあります。 キニラは、中国では韮黄と書き「ジオウホワン」。日本と文字を 入れ替えただけです。現地でも重要な野菜になっているとか。原 産地の中国から導入、古くから岡山県で栽培されていたという。 形は普通のニラと同じで、特有の香りはあるもの、軟らかく甘 みもあり、アクも少ない。ニラと同じように調理するが、炒めす ぎないよう。豚肉と炒めたり、春巻き、ワンタンの具、スープの 実、ゴマ和えなどに利用されます。
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(12)小カブ(コカブ)(春3月) カブがまだ十分成長する前、根の直径が4〜5センチくらいの 小さな時に収穫し、葉とともに出荷します。葉も一緒に食べるの でほかのカブより栄養価が高い。 小カブは大きくなる前に収穫するため、出荷までの日にちが短 く、早いものは30日くらい。小カブは一年中出回っていますが、 本当の味は2月下旬から3月にかけての十分寒さにあったものが よいという。
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(13)サヤエンドウ(春3月) エンドウの内、若い莢ごと食べるのがサヤエンドウで、莢をむ いてまだやわらかい未熟な豆がグリーンピース、莢と未熟な豆を いっしょに食べるのがスナップエンドウ、また若い葉とつるを食 べるのが豆苗、さらに熟した豆を乾燥させて食べるエンドウマメ があります。ただエンドウマメは野菜ではなく穀物として扱われ ます。 また、サヤエンドウには、莢が小さい種類の上品な感じのするキ ヌサヤエンドウと、莢の大きい種類のフランス大サヤ、オランダ などの大サヤエンドウがあります。 フランス大サヤはフランスから、オランダはアメリカまたはカ ナダから導入されたもの。サヤエンドウとして代表的なものはキ ヌサヤとオランダです。 オランダはオランダサヤエンドウ、略してオランダザヤとかオ ランダ豆と呼ばれ、莢の長さが10センチ前後で幅も広いのに対 して、キヌサヤは草丈が矮小で、莢も4から5センチと小さい。 そのうちキヌサヤエンドウは、絹莢豌豆と書き、その名は新鮮 な莢をすり合わせると、絹さばきの時に似た音がするのでその名 があります。莢がやわらかく、戦前は冬でも暖かい伊豆半島で1 2月の内から出荷され、人気が高く高値で売れたので「成金豆」 の別名もあったという。 品種は、伊豆半島で栽培される「伊豆赤花」、愛知県渥美半島で 作られる「渥美白花」のほか「三十日絹莢」、「四十日絹莢」など があります。
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(14)サラダナ(春3月) 葉が柔らかく、サラダや料理のつけあわせとして利用されるそ の名もサラダナ(サラダ菜)。レタスの一種です。 サラダナはレタス類のなかのタマチシャのうち、バターヘッド 型のものをいい、葉を食べるとバターのような滑らかな感じがあ ります。同じタイプにバターレタスという品種があります。 またクリスヘッド形の玉レタス(ふつうにいうレタス)とは同系 のものだという。レタス類は中近東、小アジア原産といわれてい ますが、タマチシャはヨーロッパ生まれだという。 葉は、緑色でふちにきざみがありません。結球種に属するため、最 後は結球しますが、その前本葉が14から15枚くらいで半結球の時、 出荷されてしまいます。 サラダナが日本に入ってきたのは明治大正のころといいいます。 いまはレタス(ちしゃ)といえば玉レタスのことですが、戦前は 「ちしゃ」の代表は、サラダナが主だったこともあったという。
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(15)セロリ(春3月) いまでは生食やサラダ、スープとおなじみのセロリも渡来当時 は独特の強い香りが日本人になじまず、普及しなかったという。 セロリはセルリ、オランダミツバ、キョマサニンジンなどの異名 もあるセリ科の1、2年草。ヨーロッパ原産とされ、ヨーロッパ 中部から南部、アフリカ、南アメリカ、西アジア、西インドとい う広い地域に分布しています。原産はスウェーデンだとの説もあ り。 セロリは古代ローマ、ギリシャ時代から整腸剤、強精剤など薬用 にされ、香ばしく、香気が酒の悪酔を防ぐなどともいわれ、盛ん に食べられ、またミイラの首飾りとして装飾にも用いられていま した。当時の名はセリノンだったが少しずつ変わりいまではセロ リに。 中世まではもっぱら生食されていたセロリですが17世紀になって、 煮て調理するといっそう風味が増し、薬効も変わらないことがわ かり、ますます利用されるようになります。野菜として栽培を始 めたのはフランスで、1623年ころから。そしてイギリス、オ ランダ、イタリアへ伝わっていきます。(栽培はイタリアで始ま ったとの説もあり)。
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(16)タアサイ(キサラギナ)(春3月) タアサイは中国江蘇省、上海などで多く栽培され、冬の間の野 菜のひとつになっているという。日本でもこの近縁種が戦前に導 入され、キサラギナ(如月菜)、ヒサゴナ(瓢児菜)、ちぢみユ キナ(雪菜)の名で北関東、東北地方で冬菜として栽培されてい ました。日中国交回復前後に再導入されたのがこのタアサイ。 漢字でとう葉(とうは土偏に日の下に羽)と書き、「とう」は つぶれたとかへこんだという意味だそうです。冬場は全体が扁平 に育つ特色があるからという。葉柄が長く、先端に近円形のサジ のような葉身がつきます。葉は濃い緑色から暗緑色でしわがより やや肉厚。分化する速度が早く、少し長く畑におけば葉数が数十 枚にもなりさかずき形の株になります。 冬場は葉は放射状にビッシリ広がるが、気温が高いと葉が立ち あがり、温度によって半立性になったりロゼット状になったりし ます。一年中出回っているタアサイ。同じ品種なのに秋冬期とで は形がちがうため、ちょっとまどいます。花芽は冬の低温時形成 され、春には淡黄色の十字花をつけます。
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(17)豆苗(春3月) エンドウの内、若い葉とつるを食べるのが豆苗です。春先から 初夏の生育旺盛時に、若茎葉をつみ取り乾燥して保存し、野菜の 不足時に湯で戻し利用にします。日本人の趣向にも合う品目です。 中国では、豆苗用に小粒のエンドウで節間が短く茎葉のよく茂 る品種を用いているそうですが、わが国では専用品種が少ないの で若莢用の品種でスナックエンドウ系を利用しています。
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(18)ナバナ(春3月) アブラナ科の野菜の花のつぼみは、元来古くから各地で食用と して利用されてはいました。なかでも房総の安房地方では、江戸 の昔からナタネのつぼみを食べていたといい、昭和20年ころから は東京市場にも出荷しています。 洋種ナタネも用いられてはいますが、多くは和種ナタネ。和種 ナタネは、明治以後油の収穫の多い西洋ナタネが導入されてから は、油料作物としての価値はなくなってしまいましたが、まだ各 地に葉菜として、また鑑賞用切り花として残っています。
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(19)二年子ダイコン(春3月)
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(20)ハーブ(春3月) 最近のブームで、あちらこちらにハーブ園ができています。ハ ーブは、香辛料のうち、おもに葉、茎を利用するものの総称。 西欧では昔から料理の風味づけ、肉の臭み消しに使われ、ハー ブティや染料、香料、入浴剤にも利用されています。 種類が多く、ローズマリー、タイム、セージ、バジル、オレガ ノ、ミント、ローレル、マージョラム、フェンネルなどが主なも の。
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(21)ハッサク(春3月) ハッサクは八朔で、旧暦の8月朔日(ついたち)の意味だとい う。いまの暦のだいたい9月のはじめ。ハッサクはこのころから 食べられるというのでその名がついたといわれます。 しかし、その時期はまだ果実は未熟で、実際には12月下旬か ら1月上旬に収穫し、1〜5月ごろまで貯蔵して出荷します。 ハッサクは江戸時代後期の1860年(万延元)、広島県因島(い んのしま)市田熊町の恵日山浄土寺の境内で、住職の恵徳上人が みつけた偶発実生。住職は「八朔(はっさく)」と命名。毎年八 朔の日に果実をとり檀家に配ったとか。1890年(明治23) 愛媛県で贈植、愛媛県の特産品に発展していきます。
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(22)マナ(春3月) カナで書くとなんのことだかわかりませんが、漢字では「真菜」、 ナットクです。 マナは在来のナタネとイサイ(またはオオサカシロナ)との自 然交雑でできたものといわれており、主に野菜用に栽培されてい ます。仙台地方の名産で冬の葉菜として利用。
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(23)ミイケタカナ(春3月) これは福岡県三池で栽培。漬け物として企業化もされているミ イケタカナ。 タカナの一種で、全般に大きく多肉質。大きい葉は中央脈の幅 がとくに広く、葉の部分は紫色をおびていて、葉のヘリの切れ込 みがあまりありません。
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(24)レモン(春3月)
その酸っぱさと、ビタミンCの豊富さで知られるレモン。その昔
世界中の海を股にかけたイギリスの船員たちは、「ライミズ」と呼
んでいたレモンとライムを大量に内に貯蔵して運び、ビタミンC
を補給し、壊血病の予防にそなえたという。
そもそもレモンは、インドのヒマラヤや西部が原産地。温帯南部
から熱帯にわたって栽培されています。
レモンは10世紀に原産地から地中海沿岸に入り、14世紀にアメリ
カに伝播。初めイタリアが主産地でしたが、いまではアメリカ、イ
タリア、スペイン、オーストラリアなどが主産地になっています。
レモンが日本に初めて渡来したのは、明治8、9年だといいます。
アメリカ・サンフランシスコ領事館からネーブル・オレンジ、ブド
ウ、イチゴなどの苗木といっしょに、レモンの苗木を勧業寮に送っ
てきたもの。
しかし、日本の高温多湿で、レモンの大敵である壊瘍病発生しや
すく広島県、和歌山県、四国、九州地方に栽培されているだけ。
その地方の栽培は、明治末から大正初期に始まったもので、農林
省でもレモン栽培の必要を認め、1917年(大正6)にはさらに、ア
メリカからユーレカ、リスボン、ビラフランカなどの品種の苗木を
輸入、広島県大長柑橘試験地で、いまの広島県下のレモン栽培のも
とになりました。
品種のユーレカは、1877年にアメリカ・カリフォルニアで、シ
シリー種の実生から選抜育成したもの。日本には1910年(明治43)
に導入。とげが少なく寒さにやや弱く、収量も少ないが品質がよい。
果実が木の外側になり外観もよいといいます。
またリスボンは、原産地はポルトガル。樹勢が強く、高さ4、5
mにもなり、枝にとげが多いうえ、寒さに弱く、果実が木の内部に
なることが多い。
日本では5月ごろ開花、10月から12月ごろ収穫しますが、カリ
フォルニアなどレモンは適地では年に3回開花し、次々に実るので、
1年中収穫できるといいます。
【効能】レモンが酸っぱいのは、クエン酸が働くためだという。最
近、クエン酸そのものを服用する「クエン酸療法」という療法が一
部で行われていますが、実行している人に聞いてみると「たしかに
疲れがとれてよい」とか…。
ビタミンCは、いつまでも破壊されずに残り、疲労をのぞき消化
をよくするなどの効果があります。疲労回復はバツグン。風邪を治
し、消化作用を助けるアルカリ食品。
・ミカン科ミカン属の常緑小高木
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(25)ワケギ(春3月) 古名は冬葱。ワケギは、夏に葉が枯れて休眠するが、秋からふ たたび葉が出て茂り、11月から4月末まで出荷され、とくに3月 〜4月に入ってネギがトウが立ち、かたくなってから重宝される 野菜です。 ワケギは、ギリシャからシベリア地方原産とされ、日本には、 中国を経て5世紀ごろに渡来したといわれます。
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第1章【春の野菜・果物】(3月)終わり
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私の単行本をCDにしました ▼とりあえず、下記に |