『新・ふるさとの神々』(上)加筆
第3章 鬼 神

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▼03-10「三重・滋賀県境鈴鹿峠の鬼」

【本文】
 三重県関町と滋賀県土山町の境にある鈴鹿峠(350m)も鬼女伝
説のあるところです。この峠は伊勢と近江を結ぶ重要な道で江戸時
代には五街道のひとつでしたが、昔から箱根に次ぐ難所として知ら
れていました。

 ここには山賊が多く出没し、多くの通行人が被害にあったと『日
本略記』などの古書に記されています。やがて「鈴鹿山の立烏帽子
(たてえぼし)」という山賊の名が伝わり、なかには女盗賊がいた
とする本まで出てきます。この話がやがて坂上田村麻呂と「鈴鹿御
前」のストーリーに発展していったものとされています。

 その時代で本の筋書きや鬼の名前が微妙に変わりますが、以下が
大ざっぱな物語です。昔、この峠に鬼女(立烏帽子、鈴鹿御前、鈴
鹿姫ともいう)が住んでいました。鬼女は峠にたびたびあらわれ、
通る旅人を襲うため、天皇が坂上田村麻呂には鬼女退治を命じまし
た。行ってみると峠には御殿があって、美しい姫が侍女にかしずか
れています。

 それを見た田村麻呂は美女に話しかけ、近づこうとします。美女
は「嬉しいが私には夫鬼がいます。殺してくれればあなたの妻にな
ります。」妻の手引きで田村麻呂はまんまと夫鬼を殺すことができ、
美女に化けていた鬼女も退治したということです。

 しかし、別の説では、鬼女と田村麻呂はお互いを深く愛するよう
になり、一緒に京へ向かいましたが、鬼女はそこで捕まり処刑され
ることになってしまいました。だが処刑の寸前、妖術で姿を消しま
す。その後、田村麻呂麻呂も姿を消したしまったという話も残って
います。いまではこの峠の守り神になっているといわれます。
・三重県亀山町(旧鈴鹿郡関町)と滋賀県甲賀市土山町との境。

▼鈴鹿峠【データ】
【所在地】
・三重県亀山町(旧鈴鹿郡関町)と滋賀県甲賀市土山町との境。関
西本線関駅の北西7キロ。関西本線関駅からタクシー。鈴鹿峠下片
山神社山道入り口から50分で鈴鹿峠(350m)。鏡肌岩がある。
【位置】
・鈴鹿峠:北緯34度53分33.33秒、東経136度20分21.99秒
・2万5千分の1地形図:鈴鹿峠

 

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【とよだ 時】 山の漫画文著作
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ゆ-もぁ-と制作処【時ノ坊】
山のはがき画の会

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