無料メールマガジン山の伝承ひとり画通信
【ひとり画展】
(05)
(とよだ 時)

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山の伝承【ひとり画通信】(ひとり画展)から
南アルプス十二支の山・兎岳

【序文】
140字

南アルプス兎岳は十二支の山。チマキを口にほおばり雄大な聖岳を

ながめます。ふつうなら気にもとめずに通りすぎる山ながらふと気

になります。山名の由来を現地に問い合わせましたがついにわから

ずじまい。兎岳は兎岳だと兎岳の声が聞こえてきそうです。ま、い

いか。

・長野県飯田市と静岡県静岡市との境

▼南アルプス十二支の山・兎岳


【本文】

1988年(昭和63)と古い話で恐縮です。ことしはウサギどし。そこ

で干支(えと)の山を「山名辞典」で調べてみました。ネ・子の原

(岐阜県)、ウシ・牛奥ノ雁ヶ腹摺山(山梨県)、トラ・寅巳山(栃

木県)、ウサギ・兎岳(新潟県)、タツ・辰巳山(福島県)などえと

にちなんだ山が結構あるものです。



ここ南アルプス兎岳(長野県・静岡県)は標高2799.3m。聖岳の西

北にあり、北側に小兎岳をしたがえています。山頂付近はハイマツ

が群生しています。三角点は山頂から南西・往復30分ほどの稜線

上のハイマツ帯にあり、兎岳の本当の山頂は三角点のあるところよ

りも3mほど高い。



山頂からの眺望は360度。北方を見れば赤石岳、荒川岳、その向こ

うに甲斐駒ヶ岳、仙丈ヶ岳も遠望できます。聖岳寄りに下ったすぐ

下にがっちりした避難小屋(長野県側)もあります。この一帯はク

ロユリの群生地で、花が咲く7月下旬ごろが見ごろ。



晴れた日には西麓の長野県飯田市方面からはいつもこの山を眺める

ことができるそうで、村人たちはこの山を単に「ウサギ・ウサギ」

と呼んで親しんでいるという。さらに飯田市南信濃地区(旧下伊那

郡南信濃村)の木沢小学校の校歌には「明日に仰ぐ聖岳 夕べに望

む兎岳…」と歌われているほど。



8月の暑い日、百間洞(ひゃっけんぼら)から中盛丸山、小兎岳を

へて兎岳で小休止しました。ふり返ればきのう登った赤石岳が大き

い。ザックをおろし汗をふき、水を飲みます。貰いもののチマキを

口にほおばり、雄大な聖岳を見ながら飲みこみます。左手に兔岳東

面バットレスの頭がのぞいています。



ふつうならこの山は雄大な聖岳を前に、気にもとめずに通りすぎる

山です。ところでなぜ兎岳というのでしょうか。調べましたがどう

しても分かりません。そこで現地の観光協会2、3に電話で問い合

わせましたがついにわからずじまい。理由はどうであれ、兎岳は兎

岳だと兎岳の声が聞こえそうです。ま、いいではありませんか。



その後調べたところによると、山名は西側長野県側から突き上げる

遠山川の支流、兎谷(または兎洞)の源頭の山の意味から来ている

という説(「角川日本地名大辞典・長野」)、また山麓に兎がたくさ

んすんでいて、兎狩りをしたことによる山名(「日本山岳ルーツ大

辞典」)との説などあります。



山頂西南の兎平付近からに長く兎洞に落下している険しい岩溝は

1983年(昭和58)現在、まだ登攀者の記録がないところでありま

す。カモシカ、ホンシュウジカのほか、ライチョウもいるそうです。

測量登山は1905年(明治38)だそうです。



▼兎岳【データ】

【所在地】

・長野県飯田市南信濃地区(旧下伊那郡南信濃村)と上村地区(旧

下伊那郡上村)と静岡県静岡市葵区との境。飯田線飯田駅の南東29

キロ。JR飯田線飯田駅からタクシー(2時間)シラビソ峠下車、

さらに歩いて延べ12時間で兎岳(標高2818m)。三等三角点(2799.

3m)と写真測量による標高点(2818m)、避難小屋がある。地形図

に山名と縦走路の南西に三角点の標高、縦走路わきに標高点(2818

m)の標高、その南東に兎岳避難小屋、避難小屋わきに標高点(26

96m)の記載あり。


【位置】(国土地理院「電子国土ポータルWebシステム」から検索)

・標高点:北緯35度25分42.98秒、東経138度07分16.29秒

・三角点:北緯35度25分41.01秒、東経138度07分9.6秒


【基準点の詳細】基準点成果等閲覧サービス

・基準点:(基準点コード:TR35338100901)(点名:兎岳)(冠字選

点番号:白 31)(種別等級:三等三角点)(基準点成果状態:正

常)(測地系:世界測地系)(緯度経度:緯度 35°25′40.8649、経

度 138°07′09.5187)(標高:2799.33m)(基準点現況状態:報告

なし 00000000)(所在地:記載なし)(点の記図:閲覧×)。(国土

地理院「基準点成果等閲覧サービス」から検索)


・【点の記】

・閲覧不能


【地図】

・2万5千分の1地形図「大沢岳(甲府)」or「赤石岳(甲府)」(2

図葉名と重なる)


【参考文献】

・『角川日本地名大辞典20・長野県』市川健夫ほか編(角川書店)

1990年(平成2)

・『新日本山岳誌』日本山岳会(ナカニシヤ出版)2005年(平成17)

・『日本山岳ルーツ大辞典』村石利夫(竹書房)1997年(平成9)。

・『日本山名事典』徳久球雄ほか(三省堂)2004年(平成16)

・『信州山岳百科・2』(信濃毎日新聞社)1983年(昭和58)

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明記しました。1971年(昭和46)年から発行しています。
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(気になるひとこと)
★群れない、慣れない、頼らない(日本画家、堀文子)

           「犬の遠吠え」
・戦争はイヤだ。
子どものころ家の廊下から向こうの森を見ていたら、飛行機が
2機追いかけっこをしていた。まるでトンボが遊んでいるようだ。
アメリカの艦載機を日本の飛行機が機関銃を撃ちながら追い
かけているのだった。あとで薬莢を探しに行った。
             ……千葉県の下総地方でもこんなふうでした。

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きょうの余計なひと言
・人生やっても駄目なことばかり、どうせ駄目なら酒飲んで寝よか。
                           
……そうだ、そうだ

 

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