無料メールマガジン山の伝承通信(02)
(とよだ 時)

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山旅イラスト通信【ひとり画展】から
▼富士山・火口内の虎岩

【概略】

平安時代の漢文学者・都良香の「富士山記」に「山頂に池があり、
蒸気が上がり熱湯が煮えたぎっている。中には大岩があってまるで
虎がうずくまっているようだ」とあります。

噴火口にある「虎岩」のことです。当時は溶岩が煮えたぎっていた
だろうし、書かれている地形もそっくりです。そのため、この記述
は実際に富士山に登った人から直接聞いた話であり、記録の上で富
士登山者第1号は、筆者に話をしたこの人だろうという。

書かれている竹というのは、苔ではないかといわれています。虎に
似た虎岩は崩れかけたとはいえ、いまでもはっきり確認できます。

▼富士山・火口内の虎岩

【本文】
あの富士山頂にトラがいる…。平安時代の漢詩人で文章博士の都良

香(みやこのよしか・834〜879年、46歳で没)は、日本ではじめ

て富士山頂を具体的に記述した「富士山記」に次のように書いてい

ます。



「山頂に登ると池があり、竹が生えていて、平地を進むと大きな窪

地があって中にも池があり、蒸気が上がり熱湯が煮えたぎっている。

池の中には大岩があってまるで虎がうずくまっているようだ」とい

うのです。虎というのは噴火口にある「虎岩」のことです。



当時は、中央火口に溶岩が煮えたぎっていただろうし、ここに書か

れている地形もそっくりです。そのため、この記述は実際に富士山

に登った人から直接聞いた話であり、記録の上で富士登山者第1号

は、都良香に話をしたこの人だろうということになっています。



書かれている竹というのは、苔ではないかといわれています。虎に

似た虎岩は崩れかけたとはいえ、いまでもはっきり確認できます。

この岩に関しては江戸時代には虎の絵を描くのを得意とする日本画

岸派の二代目の岸岱(がんたい)の絵による「蹲虎の碑(そんこの

ひ)」が富士山山頂に建てられています。



8月、山頂は測候所のド−ムがまぶしい(いまは撤去してありませ

ん)。「富士山記」は火口に溶岩があふれたという承平年間(平安時

代前期931〜938年)から30年後の本。察するにさぞ危険をおかして

の登山だったにちがいありません……。頂上の岩に寝ころがりなが

ら本の記述を思い出しました。



▼富士山【データ】
★【所在地】富士山頂
・山梨県富士吉田市、山梨県南都留郡鳴沢村と静岡県富士宮市、富
士市、御殿場市・静岡県駿東郡小山町との境だが八合目付近から上
部は富士山本宮浅間大社の「私有地」になっており、境界がはっき
りしていない(電子ポータル地形図には山梨県の町村境のラインが
引いてある)。富士急行河口湖駅からバス、河口湖口五合目から5
時間30分で富士山頂。山頂剣ヶ峰に電子基準点(3777.39m)と二
等三角点(3775.63m)、白山岳に二等三角点(3756.36m)がある。
火口内に写真測量による標高点(3535m・標石はない)がある。

★【位置】(国土地理院「電子国土ポータルWebシステム」から検索)
(山頂剣ヶ峰に電子基準点と三角点、白山岳に三角点、火口内に標
高点がある)
・剣ヶ峰電子基準点:北緯35度21分38.78秒、東経138度43分38.24

・剣ヶ峰三角点:北緯35度21分38.26秒、東経138度43分38.51秒
・白山岳三角点:北緯35度22分00.02秒、東経138度43分46.42秒
・火口内標高点:北緯35度21分46.51秒、東経138度43分53.22秒

★【地図】
・旧2万5千分の1地形図「富士山(甲府)」

★【参考】
・「富士山記」(都良香著):「本朝文粹註釋巻第12」柿村重松註(内
外出版)1992年(平成4)所収

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★気になる言葉                       
群れない、慣れない、頼らない
(日本画家、堀文子)

「犬の遠吠え」

・戦争はイヤだ。
戦時中の軍隊はおおいばり。国民学校初等科の生徒の憧れ
でした。ちょっと頭の弱いあんちゃんが、田んぼのあぜみちに
苗を1列に並ばせて「気をつけ、前へ習えッ!こらッ貴様、曲
がってるゾ」と大声をあげながら殴っていました。
            ……千葉県の下総地方でもこんなふうでした。

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今回の余計なひと言
・名のある人の恥知らず、名も無きわれら恥を知る。

                
 ……恥ずかしきことのみですわ。

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