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▼よも山ひとり画ッテン本文のページ)(06)
【とよだ時】(豊田時男
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▼高山植物・黄金の杯で一献、シナノキンバイ

【短略説明】
高山のお花畑でよくみかけるシナノキンバ
イ。よく目立つ黄金の花びらのようなのは、
実はがくで広倒卵形の形をしていて杯のよう
にも見えます。がく片は5〜7枚。茎の高さ
30〜50センチ。根元には枯れた古い葉鞘の繊
維が残っています。南限は北陸の白山、南限
は北海道の夕張岳あたりだという。・キンポ
ウゲ科キンバイソウ属の多年草

【本文】は下記をどうぞ。
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(長文です。拾い読みしてください)
▼高山植物・黄金の杯で一献、シナノキンバイ

【説明本文】
 高山植物のシナノキンバイは登山者におな
じみです。夏山のまだ残雪がある湿ったお花
畑、よく目立つ黄金色の花が群生している姿
はみごとです。シナノキンバイは、漢字で「信
濃金梅」。長野県に多くキンバイソウに似た
花の意味だそうです。キンバイソウは、梅の
形をした金色の花です。この盃で一献やれた
ら、と飲んべえは思います。

 あるとき、金の盃で飲みすぎたババサマは、
坂道でうっかり落としてしまいました。「しまった」。
坂道を転がる金の盃。それを追いかける
ババサマは「サカズキャトマレ サカズキャト
マレ」叫びながら追いかけました。すると、叫
ぶたび金色の花(シナノキンバイ)が咲き出
したという民話もあります。

 シナノキンバイはキンポウゲ科キンバイソ
ウ属の多年草で、茎の高さ30〜50センチ。
根元には枯れた古い葉鞘の繊維が残っていま
す。葉はやや厚く、堅くて光沢があります。
葉は掌状に深く五つに裂け、さらに中裂して
鋭いノコギリのようなギザギザがあります。
根元から出る葉や茎の下の方の茎葉は長い柄
をもっていますが、上の方は短くなっている
か、ほとんどなくなっています。

 7〜8月、茎の先端に直径4センチくらい
の金色の花を一個ずつ、上向きに咲かせます。
黄金の花びらのように見えるのは、実はがく
で広倒卵形の形をしていて杯のようにも見え
ます。がく片は5〜7枚。花びらはというと
非常に小さく、がくのなかにある濃いだいだ
い色をした細い線のようなものだそうです。

 雄しべより短く6〜9ミリで下部に蜜腺が
あります。雄しべはたくさんついて、雌しべ
は数個から十数個程度。果実は袋果で丸く球
状に集まり、6〜13個。長さ3ミリくらい
の花柱が残ってつきます。北海道、本州中部
地方に分布しています。シナノキンバイは、
北陸の白山(岐阜・石川県境)が南限で、北
海道の夕張岳や暑寒別(しょかんべつ)岳が
北限だそうです。これより北にはシナノキン
バイの母種といわれるチシマノキンバイソウ
になるといいます。

 チシマノキンバイソウは、シナノキンバイ
より花柱がもっと短くがく片が狭いといいま
す。北海道の高山帯、千島、カラフト、カム
チャツカに分布しています。キンバイソウ属
には、シナノキンバイの他、キンバイソウ、
チシマキンバイソウ、レブンキンバイソウ、
ボタンキンバイソウなどがあるといいます。
属の名前にもなっているキンバイソウは、本
州中部の亜高山帯の草地などに生え、高さは
大きいものでは1mにもなります。日本特産。

 キンバイソウは、シナノキンバイにくらべ、
花弁が雄しべより長いところが違うというこ
とです。レブンキンバイソウはその名のよう
に北海道の礼文島に生えています。またボタ
ンキンバイソウというのもあり、北海道利尻
島の高山草原に生える特産品。がく片が9〜
16枚と多く、名前のとおり牡丹咲きになる
そうです。雌しべの先が赤紫色に色づき、昆
虫に蜜のありかを示す蜜標となっているのだ
といいます。

 ロシアではこの仲間は寒冷地のため平地に
ふつうに生えているという。地元では待ち遠
しい春を告げる身近な花とされているそうで
す。そして他の仲間の花々とともに「アガニ
ョーク(炎)」と呼ばれて親しまれているそ
うです。また、同じ「キンバイ」がつくもの
で、ミヤマキンバイがありますが、これはバ
ラ科。茎の高さ10〜20センチで花も径が2
センチと小さい。・キンポウゲ科キンバイソ
ウ属の多年草


▼【参考文献】
・「植物の世界・8巻」(92号)(週刊朝日百
科)(朝日新聞社)1996年(平成8)
・「世界の植物・6巻」(69号)(朝日新聞社)
1977年(昭和52)
・『日本大百科全書11』(小学館)1986年(昭
和61)
・「花の伝説」稲田由衣(株式会社ナカザワ)
・『「牧野新日本植物図鑑』牧野富太郎(北隆
館)1961年(昭和36)


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