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岳みち里みち田んぼみち
▼山と田園の伝承神話(本文のページ)(03)
【とよだ時】(豊田時男
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山旅通信【ひとり画ッ展】
▼北アルプス「小蓮華山と風切り地蔵」

【短略説明】
小蓮華山の大日如来像は「風切地蔵」とも呼
ぶそうです。小蓮華山頂と、ふもとの落倉集
落の風切地蔵、そして柄山(からやま)峠の
風切地蔵は東へ向かって一直線。これは冬至
の「日の出」と夏至の「日の入」にぴったり
と符合。結界を形づくり、昔からこのライン
の南には「魔」が入らないと伝えられていま
す。

【説明本文】は下記にあります。

…………………………………………………………

…………………………………………………………

(長文です。拾い読みしてください)
▼北アルプス
「小蓮華山と風切り地蔵」

【説明本文】
 新潟県糸魚川市方面から白馬岳方面を見る
と、谷奥深く雪をいだいた峰々がまるで白い
ハスの花弁に見えるそうです。そこで越後側
ではこの周辺の山を蓮華岳と呼び、大蓮華(白
馬岳)のとなりの小さい山を小蓮華と呼んだ
そうです。

 その小蓮華山(2763.37m)が2006年(平
成18)に山頂部が大崩落。頂上は3m沈下し
以前とは風景が一変しているという。山頂に
まつってあった祠も転落しました。また祠と
対になっていた鉄剣と、風化で首がなくなっ
た大日如来像も危うく崩落に巻き込まれると
ころだったそうです。昔は登山者たちが決ま
ったように、白馬岳を見ながら鉄剣と大日如
来のそばで小休止したものでした。

 この大日如来像は、天正2年(1574)にふも
との長野県小谷村源長寺の開祖である洞光和
尚が山頂に安置したといいます。その像が後
に行方不明になったため、別に像を彫って同
じ場所にまつったとされています。

 この像に由来して、小蓮華山は大日岳とも
呼ばれてきました。この大日如来像は、「風
切地蔵」とも呼ばれています。この石像とふ
もとの白馬村落倉集落の同じく風切地蔵、そ
してかつての善光寺街道の柄山(からやま)
峠(1338m・長野県白馬村と鬼無里村との
境)のこれも同じ風切地蔵と不思議なことに
南東へ向かって一直線に結ばれているので
す。

 この方向は冬至の「日の出」と夏至の「日
の入」にぴったり符合し、昔から結界を形づ
くっていて、昔からこの風切地蔵のラインの
南に「魔」が入らないように機能してきたと
伝えられているそうです。

 山麓にはこんな話が伝わっています。むか
し白馬村の落倉が見渡せる「塩の道」に、石
の地蔵さまが建っていました。その近くに「み
よ」という女の子の家がありました。みよは、
地蔵さまに花を供えながら「あど、三ツ寝り
ゃ、父チャが帰る。おらへのお土産、なんだ
べか」などと話しかけます。

 みよの父は冬の間は町の酒屋へ酒造りに行
って働いているのです。みよはおばばから地
蔵さまの話をよく聞かされました。「この地
蔵さまは風切地蔵といってナ、「岳おろし」
の風をしずめてくれるありがてえお地蔵さま
だ。柄山峠の地蔵様と小蓮華岳の地蔵様の三
体で力を合わせなさるってこんだ」。

 雪どけのころ吹く突風(岳おろし)は「平
川おろし」とか、「白馬おろし」と呼ばれ、
村の人たちを恐れさせていました。強い風で
屋根の「かや」がめくれてしまいます。急い
で屋根に上がってナワで止めねばなりませ
ん。

 「父チャが帰るまで強い風が吹かないよう、
お地蔵さま、お守りくださいまし」。おばば
は雪どけのころになると地蔵さまに祈るので
した。

 きょうは1929年(昭和4)4月21日、父
チャが帰ってくる前日の朝のこと。西の山が
すっぽり厚い雲におおわれ、向かいのおじじ
も「岳おろし」がくるかと心配しています。
案の定、みるみる風が強くなり、裏山がゴー
ゴーと鳴りはじめ、家の雨戸がいまにも外れ
そうです。おばばは怖がるみよを連れて土蔵
へ入りました。「どうか地蔵さま、風をしず
めてください」ふたりは一生懸命祈りました。

 二人の願いが通じたのか午後になると風が
やんできました。しかし被害は甚大で、新田
地区では何軒もの家がつぶれて、大木は根元
からたおされたといいます。八方地区の蚕の
篭がはるか青鬼地区まで飛んでいったとい
う。神城地区では13軒もの家がこわれたも
いいます。

 岳おろしの被害を聞きつけ父チャがあわて
て帰ってきました。そして家も家族も無事だ
ったのを喜び、これは地蔵さまのおかげだと、
翌朝3人で地蔵さまにお礼をいいに行ったの
でした。落倉地区では父チャたちが集まって
大風のあと片づけをしながら話し合いまし
た。

 「ここは大した被害もなく、けが人も出な
かった。きっと地蔵さまのお陰だで。みんな
で地蔵さまのお祭りをやっちゃどうだろ」。
するととなりの切久保地区や、栂池地区の人
たちも大賛成。お地蔵さまのまわりの草を刈
り、台座もきちんと据えグラグラだった首も
つけなおされ、赤い前掛けや帽子もつけられ
ました。

 そして小谷村の千国の源長寺の坊さまにお
経をあげてもらったのでした。こうして落倉
の地蔵祭りがはじまりました。いまでは「落
倉の風切地蔵」は、白馬地方や小谷方面など
の人たちに親しまれています。(白馬村の昔
話)



▼小蓮華山【データ】
★【所在地】
・長野県北安曇郡小谷村と新潟県糸魚川市と
の境。JR大糸線白馬駅からバス、栂池高原
から歩いて4時間30分で小蓮華山(崩壊後の
新最高地点標高2766m・新三等三角点
2763.37m)(2008年10月1日国土地理院暫
定値)。

★【所在地】
・長野県北安曇郡小谷村と新潟県糸魚川市と
の境。JR大糸線白馬駅からバス、栂池高原
から歩いて4時間30分で小蓮華山(崩壊後の
新最高地点標高2766m・新三等三角点
2763.37m)(2008年10月1日国土地理院暫
定値)。

★【地図】
・2万5千分の1地形図「白馬岳(富山)」



▼【参考文献】
・『北アルプス白馬連峰 その歴史と民俗』
長沢武(郷土出版社)1986年(昭和61)
・『角川日本地名大辞典15・新潟県』(角川
書店)1991年(平成3)
・『信州山岳百科1』(信濃毎日新聞社編)19
83年(昭和58)
・『新日本山岳誌』日本山岳会(ナカニシヤ
出版)2005年(平成17)
・『日本山岳ルーツ大辞典』村石利夫(竹書
房)1997年(平成9)
・『日本山名事典』徳久球雄ほか(三省堂)2004
年(平成16)



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00『百名山の伝承と神話』(新)
01『新・丹沢山ものがたり
02全国の山・天狗ばなし
03『山の神々いらすと紀行
04『山の神々いらすと紀行・続
05『ふるさとの神々事典
06『ふるさとの神々事典・続
07『野の本・山の本

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from 20/10/2000


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