『いなかの神さま仏さま』(上)
第1章 山・谷・峠の神と怪物

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▼01-16「竜 神」

【序文】(140字)

浦島太郎が3年間暮らした竜宮城こそ竜宮の住む城。竜神は海の神
です。また、ヘビが長じて大蛇になり、大蛇が年をくって天に昇り
竜になるといわれます。ヘビは湿地を好むことから水の神とされま
す。そんなことから竜神は水の神でもあります。

▼01-16「竜 神」

【本文】
 浦島太郎が3年間暮らした竜宮城こそ竜宮の住む城。竜神は海の
神です。また、ヘビが長じて大蛇になり、大蛇が年をくって天に昇
り竜になるといわれます。ヘビは湿地を好むことから水の神とされ
ます。そんなことから竜神は水の神でもあります。

 そういえば、あちこちの漁村に竜神社や竜神祠がまつられて船の
安全や豊漁を祈願されています。また池や淵などでは水神としてま
つられ、かつては雨乞いの祭が行われたりもしました。

 さて、胴がヘビ、角はシカ、目鬼兎、耳は牛に似た巨大な、は虫
類とされる竜は、4本の足、体には剛鱗をもっているという。また
中国では角はシカ、頭はラクダ、目は鬼、耳がウシ、ひげがコイ、
首はヘビ、腹はワニ、足がトラ、爪はタカとされ、天をかけ、雲を
よぶという。それにインド流に、手に如意珠を持つのであります。

 また水神には竜王がよくまつられています。竜王とは竜族の王だ
とする中国の考え。仏教の八大竜王に結びついています。八大竜王
とは、法華経にも出てくる八種の大竜王のことで難陀(なんだ)、
跋難陀(ばつなんだ)、娑羯羅(しゃがら)、和修吉(わしゅきつ)、
徳叉迦(とくしゃか)、阿那婆達多(あなばだった)、摩那斯(まな
し)、優鉢羅(うはつら)の竜王たちのことと難しい話になってい
ます。娑羯羅は娑伽藍(しゃがら)とも書き、雨乞いの本尊だそう
です。

 和修吉は頭が多くある竜王で、徳叉迦は舌が多くあり視線に毒が
あり、にらまれると人や家畜たちどころに死ぬといいます。阿那婆
達多は馬形の竜、摩那斯はヒキガエル形の竜王だといいます。雲を
よび、雨を降らせ、稲妻を走らせる竜王は雷神とも結びつき、いま
でもホコラの前はご神体が好きな卵や線香が絶えません。

▼【参考文献】
・『宿なし百神』川口謙二著(東京美術刊)1979年(昭和54)
・『柳田国男全集4』柳田國男(ちくま文庫/筑摩書店)1989年(昭
和64・平成1)
・『柳田國男全集5』柳田國男(ちくま文庫/筑摩書房)1989年(昭
和64・平成1)
・『柳田國男全集7』柳田國男(ちくま文庫/筑摩書房)1990年(平
成2)
・『柳田国男全集10』柳田國男(ちくま文庫)(筑摩書店)1989年
(昭和64・平成1)〜1990年(平成2)
・『民間信仰辞典』桜井徳太郎編(東京堂出版)1984年(昭和59)
・『日本伝説大系12』((みずうみ書房)

 

 

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