とよだ 時 「山の伝承伝説」民俗画
山旅イラスト通信【ひとり画展】

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▼734号 「山の妖怪・木曽御嶽山の天狗たち」

【概略】
飛鳥時代の開山以来の信仰の山・木曽御嶽山には天狗がたくさんす
むという。首長の六尺坊は御嶽権現の化身とされ、文字通りの大親
分。またアルマヤ山にはアルマヤ坊に八海山には大頭羅坊天狗、三
笠山には刀利天坊も鎮座するという。
・長野県王滝村と木曽町との境

▼734号 「山の妖怪・木曽御嶽山の天狗たち」

【本文】
▼山旅通信【ひとり画展】734号(06年10月)
「山の妖怪・木曽御嶽山の天狗たち」
【本文】
御嶽山の開山は飛鳥時代だと伝え、以来多くの行者が修行してき
た信仰の山。いまでも全国各地にいる御嶽講の信者は数百万人を
超えるということです。

山頂付近の一ノ池のまわりには、「三十六童子」を安置、各所に霊
神碑などもあります。こんな山ですから不思議な話がないはずは
ありません。

中でも天狗の伝説は有名で、御嶽山六尺坊(ろくしゃくぼう)と
いう天狗を筆頭に、アルマヤ山アルマヤ坊、八海山大頭羅坊(お
おずらぼう)、三笠山刀利天坊(とうりてんぼう)などの天狗たち
がいることになっているそうな。

首長の六尺坊は御嶽権現の化身といわれ、文字通りの大親分。す
でに神の域に入っています。六尺坊は主峰の剣ヶ峰にすむという。

また峰のひとつの摩利支天(まりしてん)山近くのアルマヤ山に
は、アルマヤ坊がいてサイノ河原東方のピークに止住しています。

大頭羅坊天狗は御嶽山の前山の八海山(はっかいさん)にすむと
いいます。八海山は王滝口五合目にあります。

そして刀利天坊は、いまはバスの終点でも田の原にある三笠山に
鎮座するという。

御嶽行者が唱える経文の中にも、「恐れ乍ら之の座に勧請し奉るは
…大己貴神(おおなむちがみ)、少彦名神(すくなひこながみ)、
御嶽山三社大権現……八海山大頭羅神王、三笠山刀利天飛竜大権
現、阿留摩耶山(あるまやさん)大権現……」と天狗の名前が出
てきます。

ここで修行した御嶽行者が地方の山々に移動するにつれ、各地に
三笠山、八海山などの山名がつけられはじめ、御嶽山の峰々まつ
られる天狗の分身が勧請されはじめます。

▼木曽御嶽剣ヶ峰【データ】
・山名:けんがみね

★【所在地】
・長野県木曽郡王滝村と長野県木曽郡木曽町(旧木曽郡三岳村)との
境。中央本線木曽福島駅の北西20キロ。JR中央本線木曽福島駅か
らバス、田の原から歩いて4時間20分で木曽御嶽剣ヶ峰。一等三角
点(3063.4m)とすぐ西隣に写真測量による標高点(3067m・標石
はない)がある。御嶽神社の奥社がある。山頂北直下に一の池があ
る。地形図に山名と三角点の標高、標高点の標高と神社(鳥居)記
号の記載あり。付近に何も記載なし

★【名山】
・「日本百名山」(深田久弥選定)第60番選定:日本二百名山、日本
三百名山にも含まれる。
・「花の百名山」(田中澄江選定)第71番選定
・「新日本百名山」(岩崎元郎選定)第63番選定・長野県

★【位置】(国土地理院「電子国土ポータルWebシステム」から検索)
・標高点:北緯35度53分34.74秒、東経137度28分49.55秒
・三角点:北緯35度53分35.06秒、東経137度28分50.3秒

★【地図】
・(旧)2万5千分の1地形図「御嶽山(飯田)」。5万分の1地形図「飯田
−御嶽山」

★【参考】
・『角川日本地名大辞典20・長野県の地名』市川健夫ほか編(角川
書店)1990年(平成2)
・『図聚 天狗列伝・東日本編』知切光歳(三樹書房)1977年(昭
和52)
・『天狗の研究』知切光歳(大陸書房)1975年(昭和50)

山と田園の画文ライター
イラストレーター・漫画家
【とよだ 時】

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山旅イラスト通信【ひとり画展】
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