とよだ 時 「山の伝承伝説」民俗画
山旅イラスト通信【ひとり画展】

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▼733号 「登山道で見かけるヤマブドウの蔓の不思議」

【概略】
ヤマブドウの巻きひげは不思議です。節から出たり出なかったり。その出方
をよく見ると有有無、有有無と続いています。しかしノブドウは例外で、「有有
有……」と全部の節から出ている。なぜ同じブドウの仲間で違いがあるのか
分からないと学者先生も首をひねっているそうです。
・ブドウ科ブドウ属の落葉つる性植物

▼733号 「登山道で見かけるヤマブドウの蔓の不思議」

【本文】
山歩きでおなじみのヤマブドウ。大昔から好んで食べられていたと
いいます。それなら畑で栽培されてもいいのではと思いますが、い
ままで作物としてつくられたことはなかったといいます。

しかし、ヤマブドウとヨーロッパブドウの雑種は作られたことはあ
るそうで、かつて「勝利」、「成功」という2つの品種があったそう
です。

ヤマブドウは、雌雄異株。葉は円形で30センチにもなり、巻きひげ
は葉と対生して一部が花穂になったりしています。ブドウ科の巻き
ひげには1回か数回の枝分かれがあります。

よく見ると分岐点の外側に小さなうろこのようなものがあります。
これは特殊な葉だそうです。またこの巻きひげの枝分かれは茎の枝
分かれだといいますからちょっと驚きます。

ふつうの種子植物で、茎が枝分かれする枝は葉のつけねの葉腋から
出ます。それは巻きひげが小さな葉の葉腋から枝分かれするのと同
じ現象だからだそうです。

このヤマブドウの巻きひげに謎があるというのです。つるから出る
巻きひげは全部の節から出るわけではありません。各節の巻きひげ
のあるなしを見ると、あり、ありと続き、次はありません。

つまり「有有無、有有無」と3拍子になっています。しかしノブド
ウは例外で、「有有有……」と全部の節から巻きひげが出ています。
なぜそうなのか分からないと学者先生も首をひねっています。「う
うむ」。
・ブドウ科ブドウ属の落葉つる性植物

▼ヤマブドウ【データ】
★【参考】
・「植物の世界・4」朝日新聞社1994年(平成6)
・「世界の植物・4」(朝日新聞社)1976年(昭和51)
・『日本大百科全書・23』(小学館)1989年(平成1)
・『牧野新日本植物図鑑』牧野富太郎(北隆館)1974年(昭和49)

山と田園の画文ライター
イラストレーター・漫画家
【とよだ 時】

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山旅イラスト通信【ひとり画展】
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