とよだ 時 「山の伝承伝説」民俗画
山旅イラスト通信【ひとり画っ展】

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▼698号 「東北・会津磐梯山と鶏の卵」

【序文】140字
ササに黄金が成り下がると歌われる会津磐梯山。一名鶏岳ともいう
というそうです。この山に登るときは鶏の卵を持ってはいけないと
いいます。磐梯山の明神さまが怒って、お山が荒れ狂うからだとい
います。山に行く時は卵は置いていくのが古くからのしきたりだそ
うです。
・福島県猪苗代町と磐梯町、北塩原村との境

▼698号 「東北・会津磐梯山と鶏の卵」

【本文】
磐梯山は大同2(807)年に弘法大師空海が開山、永久鎮護のため
恵日寺を建てたとの伝説から山頂肩の弘法清水がありそばに大師像
も建っています。

しかし空海が唐から帰った当時は観音寺にとどまって仏書の整理を
しており、実際に磐梯山に恵日寺を開いたのは法相宗の徳一上人だ
ったという。

この山も不思議な伝説や言い伝えが多い。地元の民俗研究家橋本武
氏によれば、この山はその昔「鶏岳」といったという。そして古く
からの禁忌があり「磐梯山に鶏の卵を持って登ると磐梯明神の怒り
にふれ、山が荒れて災いに遭う」というそうです。

磐梯山の山頂には磐梯明神がまつられています。この明神に捧げて
埋めた鶏の霊が祟るとされ、年寄りたちが特別に注意するわけでも
ないのに、いまでも何となく気がとがめるため卵は持っていかない
そうです。

ただ私が登ったとき山頂にある祠のなかにまつってあったのは皇高
天原命の碑で、磐梯明神の碑はその下に粗雑に置かれていました。
いかにも残念な気がしました。

▼磐梯山【データ】
★【山名】ばんだいさん
・【異名・由来】異名:会津磐梯山・磐梯山・会津嶺(あいづれい)
・会津富士・大磐梯山。:由来:天に達する岩の梯子のような山。

★【名山】
・深田久弥選定「日本百名山」(第22番に選定):日本二百名山、
日本三百名山にも含まれる。
・岩崎元郎選定「新日本百名山」(第25番に選定・福島県)

★【所在地】
・福島県耶麻郡猪苗代町と福島県耶麻郡磐梯町、福島県耶麻郡北塩
原村との境。磐越西線猪苗代駅の北西7キロ。JR磐越西線猪苗代
駅からバス、磐梯高原駅から歩いて4時間20分で会津磐梯山。三等
三角点(1818.6m)と皇高天原命の石碑、磐梯明神の石碑がある。
地形図に山名との標高の記載あり。三角点より北方向450mに弘法
の清水と弘法清水小屋がある。

★【位置】
・三角点:北緯37度36分3.67秒、東経140度4分20.13秒

★【地図】
・2万5千分の1地形図「磐梯山(福島)」

★【参考】
・「磐梯山の信仰」橋本 武:(『山岳宗教史研究叢書7・東北霊山
と修験道』月光善弘編 (名著出版)1977年(昭和52)

山と田園の画文ライター
イラストレーター・漫画家
【とよだ 時】

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