山の歴史と伝承に遊ぶ 【ひとり画ってん】

山旅イラスト通信【ひとり画展】とよだ 時

▼671号 「丹沢表尾根三ノ塔・ヒメハナワラビ」

【概略】
ちょっとめずらしい小さい(ヒメ)花の形のワラビ(胞子葉)のヒ
メハナワラビ。葉柄が途中から扇形の栄養葉と花のような丸いもの
がつく胞子葉に分かれます。・神奈川県秦野市。小田急秦野駅から
バス、ヤビツ峠から歩いて2:40分で三ノ塔
・ハナヤスリ科ヒメハナワラビ属の夏緑性シダ

▼671号 「丹沢表尾根三ノ塔・ヒメハナワラビ」

【本文】
だだっ広い三ノ塔にヒメハナワラビというちょっと変わった草があ
ります。春に芽生えて秋に枯れる夏緑性シダで高さ10〜20センチ。

茎のような葉柄はふたつに分かれ、扇形をした葉っぱをつけたもの
と、丸い花のようなものをつけたものになっています。これは栄養
葉と胞子葉というもので両方とも葉っぱだそうです。

扇形の栄養葉は1回羽状(軸の左右に小葉がならぶ)の形。葉の柄
が途中から二又に分かれているのをヘビのふたつに分かれた舌に見
立ててヘビノシタの異名もあります。

この仲間はハナヤスリ科。垂直に立った胞子葉がヤスリに似ており、
見たところ花のようなのでそんな名がついたのだそうです。小さい
草だから「ヒメ」。当然オオハナワラビ、ハナワラビもあります。

ハナワラビはフユノハナワラビともいい、こちらは春に芽生え秋に
枯れる冬緑性。これはヨーロッパでは霊草とされ、魔女が月夜に摘
んで呪術に、またこの草の霊力を借りて錬金術師が水銀を純銀に変
えるのに使ったそうです。ナツノハナワラビというのもあるそうで
す。
・ハナヤスリ科オオハナワラビ属の夏緑性シダ(異名・ヘビノシタ)

▼三ノ塔【データ】
【山名・異名】
・三ノ塔(さんのとう)

【山名の由来】
・秦野市横野の加羅古神社に一ノ燈が灯り、二ノ燈がピーク(二ノ
塔)に、三ノ燈が次のピーク(三ノ塔)に灯ったという伝説から。

【所在地】
・神奈川県秦野市。小田急小田原線秦野駅の北北西8キロ。小田急
秦野駅からバス、ヤビツ峠から歩いて40分で旧ヤビツ峠。また1時
間45分で二ノ塔、さらに15分で三ノ塔。三等三角点(1204.8m)ベ
ンチと、休憩所がある。地形図上には山名と三角点とその標高と建
物記号にみ記載

【位置】(国土地理院「電子国土ポータルWebシステム」から検索)
・【三等三角点】緯度経度:北緯35度26分11.64秒、東経139度11分2
9.58秒

【地図】
・2万5千分の1地形図「大山(東京)」。5万分の1地形図「東京
−秦野」

【参考】
・「植物の世界・12」(朝日新聞社)1996年(平成8)
・「世界の植物・10」(朝日新聞社)1977年(昭和52)
・「日本大百科全書・18」(小学館)1988年(昭和63)
・「牧野新日本植物図鑑」牧野富太郎(北隆館)1974年(昭和49)

山と田園の画文ライター
イラストレーター・漫画家
【とよだ 時】

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