山の歴史と伝承に遊ぶ 【ひとり画ってん】

山旅イラスト通信【ひとり画展】とよだ 時

▼356号「丹沢・畦ヶ丸山頂の石碑」

【概略】
畦ヶ丸のアゼは植物のアセビのことらしい。なるほどこの付近では
アセビの木をよく見る。山頂の記念碑は加入道山手前の白石峠の改
修記念碑。白石峠は昔から相模と甲斐を結ぶ交易路だったという。
いつ誰が置いたものか小さなお地蔵さんがポツンとあった。
・神奈川県山北町

▼356号「丹沢・畦ヶ丸山頂の石碑」

いなかでは田んぼの畦(あぜ)道をクロともいいます。土偏に丸と
いう字を当てるのだそうです。丸い土と書くところから塚の意味だ
ろいう。

西丹沢の畦ヶ丸を城ヶ尾山方面から見ると黒く盛り上がって塚にも
似ているため、畦ヶ丸を「クロヶ丸」だという人もいます。

また畦とはアセビの多いことから来ているといいます。畦ヶ丸付近
ではアセビの木をよく見かけ、なるほどと納得です。

さらに、畦ヶ丸の丸は古代朝鮮語の山の意味だともいうとも、日本
語での丸い形の山の意味だともいわれています。

樹林におおわれてしまい展望のきかない畦ヶ丸山頂には、白石峠の
登山道改修記念碑が建っています。

畦ヶ丸の北方加入道山手前の白石峠は、昔から相模と甲斐を結ぶ交
易路だったという。南東側にある白石沢はその名のように大理石の
白い岩床です。この沢をつめたところにあるので白石峠。

そういえばこの峠付近でも白い石をよく見かけます。いつ、誰が置
いたものか、畦ヶ丸の登山道改修記念碑の上に、小さなお地蔵さん
がポツンとすわっていました……。

▼【データ】
【山名】
・【異名、由来】:山名は丸山の意味。畦は植物のアセビ。山頂にア
セビ(地元ではアゼビ)が多いことによる。この山は地形が複雑で
1888年(明治21)調査当時は薮が密集し、測量が困難を極め、陸地
測量部発行の2万分の1の道志村図幅には誤りがでたこともあった
という。

【所在地】
・神奈川県足柄上郡山北町。御殿場線谷峨駅の北13キロ。小田急新
松田駅からバス、終点西丹沢下車、歩いて3時間で畦ヶ丸山。三等
三角点(1292.6m)と有志による登路改修事業記念のケルンがある。
地形図に山名と三角点の標高の記載あり。三角点より南西方向約11
4mに避難小屋がある。

【位置】
・【三等三角点】緯度経度:北緯35度28分40.84秒、東経139度01分5
5.89秒(電子国土ポータルWebシステムから検索)

【地図】
・2万5千分の1地形図「中川(東京)」。5万分の1地形図「東京
−秦野」

【山行】
・某年5月18日(土・くもり)畦ヶ丸探訪

【参考】
・「イラスト丹沢・山ものがたり」とよた 時(山と渓谷社)1991年
・「角川日本地名大辞典14・神奈川県」伊倉退蔵ほか編(角川書店)
1984年(昭和59)
・「新日本山岳誌」日本山岳会(ナカニシヤ出版)2005年(平成17)
・「日本山岳ルーツ大辞典」村石利夫(竹書房)1997年(平成9)
・「日本山名事典」徳久球雄ほか(三省堂)2004年(平成4)
・「日本歴史地名大系14・神奈川県の地名」鈴木棠三ほか(平凡社)
1990年(平成2)

山と田園の画文ライター
イラストレーター・漫画家
【とよだ 時】

………………………………………………………………………………………………
山旅イラスト【ひとり画展通信】
題名一覧へ戻る