とよだ 時 「山の伝承伝説」民俗画
山旅イラスト通信【ひとり画っ展】

▼133号「南ア・光岳の光石」

【概略】
夕陽に映えてテカテカ光る山。村人はその山を「テカテカ山」「テ
カリ岳」と呼んだ。それが南アルプス最南端の山・光岳山頂の西側
にある光岩。石灰岩の岩峰は真っ白で、なるほど夕日に「テカリ」
と光るだろう納得させられる。
・静岡県本川根町と長野県南信濃村との境

▼133号「南ア・光岳の光石」

ふもとの村から見て、夕方沈みゆく陽に映えてテカテカ光る山があ
ります。そこで村人はその山を「テカテカ山」「テカリ岳」と呼び
ました。漢字を当てて「光(てかり)岳」。

その光るものが南アルプス最南端の山・光岳山頂の西側にある光
岩。石灰岩の岩峰で南西の池口岳方面から見ると西日を浴びた光岳
は白く光ってよく目立つそうです。

簡単に登れる岩峰は、なるほど夕日に「テカリ」と光るだろうと納
得させられるまっ白なシロモノ。登山者は交替で写真を撮ります。
光岳の南には遠江、東は駿河、西に信濃と昔の国名が広がります。

三つの国の隅っこ、国境にあるので「三隅山」の異名もあります。
光岳はハイマツの群落の南限地(信州山岳百科・2)になっている
という。(ハイマツそのものの南限地は丸盆岳(清水建美博士)と
も、南限は静岡県の信濃俣(しなのまた)(植物学者林弥栄)とも
いう。

勉強になりました。なるほど、このあたりの南斜面ではハイマツが
立ち上がりはじめているのもあります。立ち上がっていれば「這う
松」ではありません(立ってもマツ科マツ属のハイマツには違いあ
りませんが)。

日本でのハイマツの生息地の南端は東洋での最南端。それは世界の
最南端でもあるそうです。簡単に登れる光岳はまっ白な岩峰で、な
るほど「夕陽にテカリ」は納得でした。

※追記:あれから21年過ぎた09年1月、東京大手町のていぱーく(逓
信総合博物館)で1ヶ月イラストの個展を開きました。期間中に光
岳であった青年が会場に来てくれました。

当時の青年もいまは立派な「好おじさん」になっていました。元気
そうに熱心に会場をぐるりと見てくれました。お仲間にも話してく
れたのか何人も訪れてくれました。人の出会いの不思議さを感じま
した。

▼【データ】
【所在地】
・静岡県榛原郡川根本町と長野県飯田市(長野県下伊那郡南信濃村)
との境。大井川鉄道井川駅からバス・畑薙第一ダムから歩いて13
時間で光岳。さらに進むと光石。三等三角点(2591.1m)がある。
地形図に山名と光(てかり)岳の標高と東方に光小屋の記載あり。

【位置】
・三角点:北緯35度20分17.41秒、東経138度05分01.55秒

【地図】
・2万5千分の1地形図「光岳(甲府)」or「池口岳(静岡)」(2図
葉名と重なる)

【参考】
・「信州山岳百科・2」(信濃毎日新聞社編)1983年(昭和58)
・「植物の世界・11」(朝日新聞社)1996年(平成8)
・「植物の世界・13」(朝日新聞社)1996年(平成8)
・「世界の植物・9」(朝日新聞社)1975年(昭和50)

山岳漫画・ゆ-もぁイラスト・画文ライター
【とよだ 時】ゆ-もぁ-と事務所

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山旅イラスト【ひとり画通信】
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