とよだ 時・山旅漫歩゚民俗画
山の伝承【ひとり画通信】

▼829号 「高山植物・クルマユリ」

【概略】
高山でおなじみのクルマユリ群生のお花畑。あちこちで黄金の花の
風車がクルクル。茎の方でも緑の葉の車がクルクル。クルマユリの
名は、葉が放射状に輪生したさまを車輪の轂(こしき・車の輻(や)
が集まる丸い部分)にたとえたものだそうです。
・ユリ科ユリ属の多年草

▼829号 「高山植物・クルマユリ」

【本文】
高山のお花畑に黄金色の花のクルマユリが群生しています。風が吹
くたびにいっせいにゆれ、あちこちで赤い風車が回りはじめている
ようです。茎の方でも名前のもとになっている葉が車輪よろしく回
転でもしているのでしょうか。

クルマユリは高山植物。深山高山のの草原などに生えるだけあって
寒さを好みます。鱗茎はまるく球形から偏球形で白、米粒のような
の鱗片葉には関節状のくびれがあって、苦味はなく食用になるとい
います。

夏、茎の先に3〜4の長い柄を枝分かれさせます。茎のなかほどに
は、葉が何枚も車形に輪生しています。茎の高さは30〜80センチ
くらい。その頂には黄赤色の花を下向きに咲かせます。

独特の臭気のある肉厚な小輪の花で、花茎は5〜6センチ。広く基
部から開いてそり返っています。名前のクルマユリは「車百合」の
ことで、葉が放射状についた点を車輪の轂(こしき・車の輻(や)
が集まる丸い部分)にたとえたものだそうです。

そもそもユリはどれも茎の頂に頭でっかちな花をつけるので風に大
きくゆれます。そこからゆれるが「ユル」に変じて「ユリ」になっ
たという説があります。

また鱗片葉が寄り集まっている様子から「寄り」が転化したとか、
さらに「結(よ)る」が「ユリ」に変化したなどの説があります。

漢字の「百合」も鱗片葉が多く重なっている様子を表したものだそ
うです。くるま百合濡れて穂高のこぼれ雨(望月たかし)という俳
句もあります。
・ユリ科ユリ属の多年草。分布:北海道から近畿地方、四国にかけ
て分布。

・【参考文献】
「高山植物」(野外ハンドブック・8)小野幹雄ほか(山と渓谷社)1985
年(昭和60)
「植物の世界10巻・109号」(週刊朝日百科)(朝日新聞社)1996年
(平成8)
「世界の植物9巻・99号」(朝日新聞社)1977年(昭和52)
「日本大歳時記・夏」水原秋櫻子ほか監修(講談社)1989年(昭
和64・平成1)
「日本大百科全書・7」(小学館)1986年(昭和61)
「日本の野草」(山と渓谷社)1983年(昭和58)
「牧野新日本植物図鑑」牧野富太郎(北隆館)1974年(昭和49)

山岳漫画・ゆ-もぁイラスト・画文ライター
【とよだ 時】ゆ-もぁ-と事務所

 

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