とよた 時・山のゆ-もぁ-と(イラスト)
山旅漫歩゚
【ひとり画通信】

▼792号「北ア穂高嶽・俊秀独歩の秀高岳」

【概略】
穂高のホ、タカは「高い高い」という重言という。穂高嶽の名が書
物に初めて出るのは「信府統記」(江戸時代松本藩内の地誌)。また
江戸後期の「穂高嶽記」に「俊秀独歩の秀高嶽」という一節がある。
穂は秀の仮字のことから、秀のかわりに穂が使われたという。
・長野県松本市と岐阜県高山市との境

▼792号「北ア穂高嶽・俊秀独歩の秀高岳」

【本文】
よく槍・穂高といいます。山に登る人はやはり憧れる「槍・穂高」。
北アルプスでも槍ヶ岳・穂高岳(ほたかだけ)の名高さはやはり圧
倒的です。

穂高とは、最高峰の奥穂高岳(3190m)のほか涸沢岳(3110m)・
北穂高岳(3116m)・前穂高岳(3090m)・明神岳(2931m)・西穂
高岳(2909m)などからなる岩峰群の総称。

穂高のホ、タカは古語で「高い高い」という重言の言葉でタ・カ・
チ・ホに同じだという説があります(「日本山岳ルーツ大辞典」)。

17世紀中ごろ(江戸時代のはじめ)正保(1644〜1648年)の古い地
図に保高岳とあるそうです。穂高の名が初めて出てくるのは「信府
統記・しんぷとうき」だという。

これは江戸時代中期の享保9(1724年)鈴木重武・三井弘篤編の松
本藩内の総合書・藩治便覧ともいうべき地誌。

その第六巻に「此嶽(穂高嶽)ハ、往古ヨリ穂高大明神ノ山ト云伝
ヘテ此ノ名アリ、嶮山ニシテ登ルコト能ハズ、麓ニ大明神ノ御手洗
トテあら(ママ)池ト云フアリ、広サ三四町四方程ノ池ニテ深サ測
リ難ク、いわなト云フ魚多クアリ、杣人筏ニ乗テ是ヲ釣ル、此外梓
川ヨリ西ノ方ニ山岳多シト雖モ深山ニテ往来ケレバ山名モ知レズ」
(「日本歴史地名大系・長野」から)と上高地や穂高岳の様子を伝
えています。

さらに、第一七巻では「白雉四年、穂高大明神ヲ伊勢国ヨリ勧請ス
…此嵩(たけ)清浄ニシテ、幣帛(へいはく)ノ如ク、麓ニ鏡山ア
リ、宮川、御手洗、河水ナリ、神合地ト云云。穂高嶽ハ、今上野組、
上河地トイヘル所ナリ、此嵩高山岩壁ニシテ、上ルコト能ハザル大
山ナリ…」(「アルパインガイド28・上高地槍穂高」から)と穂高岳
に穂高大明神が鎮座されたいきさつなども記述。

また1849年(嘉永2)に美濃今尾藩・豊田利忠の「善光寺道名所図
会」には、穂高村の医師高島章貞が1818年(文政1)に上高地に遊
んだ紀行文の「穂高岳記」が収録。その中に「俊秀独歩の秀高岳」
という一節があります。

穂は秀の仮字のことから、秀のかわりに穂が使われたといわれてい
ます。山容が幣帛(へいはく)・御幣に似ているので御幣岳の名も
あったという。

いまのように北穂・奥穂・前穂など個々の山名がつけられたのは大
正時代中ごろのことだそうです。

・奥穂高岳【データ】
山名:おくほたかだけ

・【所在地】
長野県松本市安曇(旧南安曇郡安曇村)と岐阜県高山市上宝町(旧
岐阜県吉城郡上宝村)との境。篠ノ井線松本駅の北東29キロ。松本
電鉄新島々からバス上高地下車、重太郎新道経由歩いて8時間30で
奧穂高岳。写真測量による標高点(3190m)と穂高神社の山宮の祠
がある。地形図上には山名と標高点とその標高のみ記載。標高点よ
り北方向直線約480mに穂高岳山荘がある。

・【ご利益】
【穂高神社奥宮】:福徳開運・交通安全

・【名山】
深田久弥選定「日本百名山」(第55番選定):日本二百名山、日本三
百名山にも含まれる。
岩崎元郎選定「新日本百名山」(第64番選定・岐阜県)
清水栄一選定「信州百名山」(第69番選定)

・【位置】国土地理院「電子国土ポータルWebシステム」から検索
【標高点】緯度経度:北緯36度17分21.18秒、東経137度38分52.74


・【地図】
2万5千分の1地形図「穂高岳(高山)」

・【山行】
第5日目:1983年(昭和57)8月12日(木)奥穂高岳探訪:1983年
(昭和57)8月8日(日)〜16日(月)「新宿駅・松本駅・新島々
駅・上高地・横尾(泊)・北穂高岳(泊)・槍ヶ岳・奥穂高岳・蝶ヶ
岳・上高地・新島々駅・松本駅・高尾駅」:「北アルプス穂高連峰」
ファミリーテント山行

・【参考】
「角川日本地名大辞典20・長野県の地名」市川健夫ほか編(角川書
店)1990年(平成2)
「信州山岳百科・1」(信濃毎日新聞社編)1983年(昭和58)
「信州百名山」清水栄一(桐原書店)1990年(平成2)
「信府統記」享保9(1724年)鈴木重武・三井弘篤編。全32巻:「日
本歴史地名大系20・長野県の地名」(平凡社)1979年(昭和54)
「日本山岳ルーツ大辞典」村石利夫(竹書房)1997年(平成9)
「日本山名事典」徳久球雄ほか(三省堂)2004年(平成4)
「日本歴史地名大系20・長野県の地名」(平凡社)1979年(昭和54)
「穂高嶽記」(高島章貞):「信州百名山」清水栄一(桐原書店)199
0年(平成2)
「山の伝説・日本アルプス編」青木純二(丁未出版)1930年(昭和
5)

山と田園の画文ライター
イラストレーター・漫画家
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