とよた 時・山のゆ-もぁ-と(イラスト)
山旅漫歩゚
【ひとり画通信】

▼771号 「奥秩父・金峰山のライチョウ放鳥」

【概略】
ライチョウの数を増やそうと富士山に放したのをまね、山梨県の林
政課が南ア北岳から一つがいと、ひな3羽を金峰山に放したことが
ある。しかし12年後の1979年(昭和54)に目撃情報とフンなど
が確認されて以来、情報は途絶えた。失敗だったらしい。
・山梨県甲府市と長野県川上村との境

▼771号「奥秩父・金峰山のライチョウ放鳥」

【本文】
山梨県甲府市と長野県川上村との境にある奥秩父の金峰山(きんぷ
さん・標高2599m)は、その名のように金鉱の山だったという。あ
の戦国時代の1546年(天文15)に、武田晴信(のちの信玄)が信州
佐久を制圧します。

そして金峰山の長尾山(長峰)鉱山を武田側の手で本格的に開発採
掘したという。

その繁栄時には麓の川上村川端下(かわはけ)地区・梓山(あずさ
やま)地区は各々の戸数、千戸を数え、寺も5ヶ寺はあったという
繁栄ぶり。信玄が入手した金は一分金で24万両にものぼったといい
ます。

こんな金の山に、かつて絶滅危惧種になっているライチョウの数を
増やそうとを放鳥したことがあるという話があります。これは富士
山が中部山岳地帯と気象条件が似ているというので、1960年(昭和
35)4合目の標高2400m付近に放鳥したことからはじまります。

富士山に放したのはオス1羽、メス2羽、ヒナ4羽の合計7羽でし
たが翌年4月から9月にかけての調査のとき、6羽が確認されたと
いう。これにならって、山梨県林政課が金峰山にも放鳥しようとい
うことになりました。

9年後の1969年(昭和44)8月、南アルプスの北岳からライチョウ
を一つがいと、ひな3羽を金峰山に連れて行きました。それから12
年後の1979年(昭和54)には目撃情報とフンなどが確認されていま
しす。

しかしそれ以来、生息情報は途絶えたまま。いまでは放鳥は失敗だ
ったろうと考えられています。

これは外敵から身を隠せるハイマツ帯が少なく捕食されてしまった
ことや、エサになる高山植物が豊富でないことが原因と見られてい
ます。

同じように富士山の放鳥も失敗でした。ライチョウは、絶滅危惧2
類に指定されており、国の特別天然記念物にもなっています。

20年以上かかって全国を調査した結果、1985年(昭和60)まで国内
に約3千羽が生息していたことは確認しています。それからさらに
20数年の歳月がたったいま、どのくらいいるのでしょうか。

現在ライチョウがいる山は、北アルプス・御嶽山・南アルプス・火
打山。かつては中央アルプス、八ヶ岳、蓼科山、白山などにもいた
といいますが絶滅したとされています。なお、金峰山を長野県側で
はキンポウザンと呼んでいます。

・金峰山【データ】
山名:きんぷさん・きんぷぜん・きんぷうさん・きんぽうざん・き
んぷざん

・【異名・由来】
異名:幾日峰(いくひのみね)

・【所在地】
山梨県甲府市と長野県南佐久郡川上村との境。JR中央本線韮崎駅の
北東24キロ。JR小海線信濃川上駅からバス終点川端下下車、4時
間30分で金峰山(きんぷさん)。五丈岩と三等三角点(2595.03m)
と標高点(2599m)、金桜神社の山宮(本宮)跡がある。地形図に
山名と三角点の標高と標高点の標高の記載あり。三角点より北西方
向380mに金峰山小屋がある。

・【名山】
「日本百名山」(深田久弥選定):第68番選定(日本二百名山、日
本三百名山にも含まれる)
「新日本百名山」(岩崎元郎選定):第47番選定
「山梨百名山」(山梨県選定):第7番選定
「信州百名山」(清水栄一選定):第48 番選定
「花の百名山」(田中澄江選定・1981年):第51番選定

・【位置】国土地理院「電子国土ポータルWebシステム」から検索
【金峰山標高点】緯度経度:北緯35度52分17.81秒、東経138度37分
31.69秒
【金峰山三等三角点】緯度経度:北緯35度52分17.4092秒、東経138
度37分31.1284秒

・【基準点閲覧】国土地理院「基準点成果等閲覧サービス」で検索
基準点(三角点):(基準点コード:TR35338654001)(点名:金峰)
(冠字選点番号:水 2)(種別等級:三等三角点)(成果状態:正
常)(測地系:世界測地系)(緯度経度:緯度 35°52′17.4092、経
度 138°37′31.1284)(標高:2595.03m)(現況状態:正常 19970
622)(所在地:記入なし)(点の記図:閲覧不可)。

・【点の記】
閲覧不可

・【地図】
2万5千分の1地形図「金峰山(甲府)」or「瑞牆山(甲府)」(2図
葉名と重なる)。5万分の1地形図「甲府−金峰山」

・【山行】
第3日目:1994年(平成6)6月25日(土・雨のち晴)奥秩父金峰山
探訪:1994年(平成6)6月23日(木)〜27日(月)「新宿駅・韮崎駅・
タクシー東大宇宙線研究所・茅ヶ岳・饅頭峠・金桜神社・甲府駅・
小淵沢駅・信濃川上駅・川端下・廻り目平・金峰山・朝日岳・大弛
峠・国師ヶ岳・天狗岩・千曲川源流の碑・甲武信岳・荒川源流・十
文字峠・四里観音・一里観音・栃本関所跡・秩父湖・三峰駅・お花
畑駅・西武秩父駅・池袋駅」:「金桜神社・奥秩父縦走」単独山行

・【参考】
「信州山岳百科・3」(信濃毎日新聞社編)1983年(昭和58)
「新日本山岳誌」日本山岳会(ナカニシヤ出版)2005年(平成17)
「日本山岳ルーツ大辞典」村石利夫(竹書房)1997年(平成9)
「日本歴史地名大系・長野」(平凡社)1990年(平成2)

山と田園の画文ライター
イラストレーター・漫画家
【とよた 時】

 

山旅イラスト【ひとり画通信】題名一覧へ戻る
………………………………………………………………………………………………
「峠と花と地蔵さんと…」トップページ【戻る】