山の伝承伝説に遊ぶ 【ひとり画ってん】

山旅通信【ひとり画展】とよだ 時

▼756号 「山の花・ザゼンソウは達磨草」

【概略】
ザゼンソウはミズバショウの仲間。しかしミズバショウより少し乾
いた所に生えています。仏炎苞を仏像についている光背(後光)に
見たて、中の花序を座禅を組んだ達磨大師にたとえた名前だといい
ます。一名ダルマソウ。草全体に悪臭があります。
・サトイモ科ザゼンソウ属。湿地に生える多年草。

▼756号 「山の花・ザゼンソウは達磨草」

【本文】
夏、湿った登山道に、大きな円状ハート形の葉が道いっぱいにひろ
がっています。ミズバショウに似ていますが、それが生える場所よ
り少し乾いた所なのでザゼンソウであることがわかります。

ザゼンソウはミズバショウの仲間。春3月から5月ごろ、まだ葉が
のびないうちから花が咲きだします。花はミズバショウと違い、暗
紫褐色の仏炎苞につつまれた球形の肉穂花序(多肉な花軸の周りに
花柄のない小花をたくさん密着させた花序)をしています。

地中に太い根茎があり、草全体に悪臭があります。葉は根もとから
生えだし、長い柄を持ち、大きくなると40センチにも生長します。

仏炎苞は、花序の少し下の花茎につき、大きなもので長さ20センチ、
径13センチにもなります。この仏炎苞の内側は、草自体の呼吸熱で
温度が高くなっていて、外側の気温と比べるとかなりの温度差があ
るといいます。

ザゼンソウは「座禅草」の意味で、仏炎苞を仏像についている光背
(後光)に見たて、中の花序を座禅を組んだ達磨大師にたとえた名
前だといいます。

一名をダルマソウとも呼んでいます。北米の東岸には、花に悪臭が
あるので「スカンクキャベツ」と呼べれるザゼンソウの母種がある
そうです。
・サトイモ科ザゼンソウ属の湿地に生える多年草

▼【データ】
★【参考】
「植物の世界・11」(朝日新聞社)1996年(平成8)
「世界の植物・8」(朝日新聞社)1975年(昭和50)
「日本大百科全書・10」(小学館)1986年(昭和61)
「牧野新日本植物図鑑」牧野富太郎(北隆館)1974年(昭和49)

山と田園の画文ライター
イラストレーター・漫画家
【とよだ 時】

 

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