とよだ 時 「山の伝承伝説」民俗画
山旅イラスト通信【ひとり画展】

▼745号 「尾瀬の竜宮」

【概略】
尾瀬ヶ原竜宮十字路の近くに「竜宮」というところがある。竜宮小
屋がある竜宮十字路の近くにある伏流水のこと。大正時代ダムを造
ろうと測量していた時見つけ、穴が竜宮城まで続いているに違いな
いと名づけたという。地中から昔使ったらしい古い椀が出てきて評
判になった。
・群馬県片品村

▼745号 「尾瀬の竜宮」

【本文】
尾瀬ヶ原に「竜宮」というところがあります。あの乙姫さまの竜宮
です。竜宮小屋がある竜宮十字路の近くにある伏流水のこと。ここ
まで流れてきた沢の水が突然渦を巻きながら湿原の中に消えていき
ます。

1921年(大正10)、尾瀬ヶ原にダムを造ろうという話が持ち上がっ
て、当時の関東水電(東京電力)が測量をしていた時見つけたとい
う。

これを発見した当時の富士見小屋の主人が「ここの先はきっと竜宮
城まで続いているにちげえねえ」と噂したことから竜宮の地名にな
ったといいます。

調べたところ、伏流水は50mくらい先で再び地上に湧き出していま
す。穴の中は洞くつのようになっていて人間が通れるほどの広さが
あるそうです。

また水を吸い込む穴がまるで竜の口のようだというので竜宮になっ
たという説もあります。ここには椀貸淵伝説もあります。

その昔この付近に尾瀬氏という殿さまの城があったという。城には
大勢のお客がありました。そのため膳や椀が足りない時は紙に必要
な人数分の膳・椀の数を書いて渦巻きのなかに流すと、翌朝には頼
んだ数の膳や椀が沢のそばにならべてあったそうです。

ある時、召使いが椀がひとつ足りないのに気づきましたが、まあま
あひとつくらいとそのまま返してしまったところ、その後はいくら
頼んでも、穴の中から膳や椀は出てこなかったという伝説です。

ところが最近になって竜宮の付近で水路工事をしていたところ、地
中から古い椀がひとつ出てきたというのです。よくみると昔使った
らしい形跡があり評判になったということです。

・竜宮十字路【データ】
地名:りゅうぐうじゅうじろ

・【所在地】
群馬県利根郡片品村と福島県南会津郡桧枝岐村、新潟県魚沼市(旧
北魚沼郡湯之谷村)との境。JR上越線沼田駅からバス戸倉乗り換
え・鳩待峠から歩いて2時間で尾瀬ヶ原竜宮十字路。竜宮小屋があ
る。そのほか付近に何もなし。地形図上には小屋名のみ記載。

・【位置】国土地理院「電子国土ポータルWebシステム」から検索
【竜宮十字路】緯度経度:北緯36度55分55.19秒、東経139度14分12.
87秒

・【地図】
2万5千分の1地形図「尾瀬ヶ原(日光)」

・【山行】
第2日:2006年(平成18)7月1日(土・雨)尾瀬ヶ原竜宮十字
路探訪:2006年(平成18)6月30日(金)〜7月3日(月)尾
瀬(夜行バス津田沼・新宿・鳩待峠・山ノ鼻・燧ヶ岳・至仏山・バ
ス新宿):「尾瀬・燧ヶ岳・至仏山山行」

・【参考】
群馬県片品村伝説

山と田園の画文ライター
イラストレーター・漫画家
【とよた 時】

 

 

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