とよだ 時 「山の伝承伝説」民俗画
山旅イラスト通信【ひとり画展】

▼742号 「春を待つ山の植物」

【概略】
山の植物にとっても待ち遠しい春。冬芽で、ロゼット葉で、地下茎
で、春の準備をしています。冬芽を毛皮を着たように、やわらかい
毛で守っているコブシの仲間。ねばねばしたヤニのような粘着液を
芽の表面や鱗片のすき間につけているトチノキの冬芽。それぞれが
ジッと冬に耐えています。

▼742号 「春を待つ山の植物」

【本文】
山の植物にとって待ち遠しい春。冬芽で、ロゼット葉で、地下茎で、
春の準備をしています。固い皮でおおわれているのはサクラの仲間、
ツバキ、モモ、カキ、ヤマブキやツツジ類の冬芽。ウロコのような
鱗片でおおわれています。

この冬芽をはがしてみたところ、なんとソメイヨシノでは32枚もの
鱗片が重なっていたとの記録があります。冬芽をミンクの毛皮を着
たように、やわらかい毛で守っているのはモクレン、アオギリ、コ
ブシの仲間。

ねばねばしたヤニのような粘着液を芽の表面や鱗片のすき間につけ
て雨水や虫を寄せつけないのがトチノキの冬芽。古い葉で芽をつつ
んで寒さに耐えているのがアジサイです。

また、地面に根生葉でへばりつき、冬の日光をもらさず吸収し、地
熱を逃さず、北風も頭上をやり過ごそうとするのがロゼット葉。

タンポポ、ハルジオン、ナズナ、ヒメムカシヨモギ、オオマツヨイ
グサ、コオニタビラコなど。葉が中心部ほど幅が狭く先へ行くほど
広くなって冬のうすい日光を吸収するのにロスがないようにするた
めだといいます。

芽や根で冬越しをしようとするものもあります。ススキ、シバ、ユ
リ、ヒヤシンスなど。このように冬芽をつくったり、地面にへばり
ついたり、葉をたたんだりとそれぞれ植物たちも一生懸命です。

・【データ】
・【参考】
「自然観察ハンドブック」日本自然保護協会(思索社)1988年(昭
和63)
「雑木林の自然かんさつ」(日本自然保護協会)1986年(昭和61)
「植物の世界・13」(朝日新聞社)1994年(平成6)
「日本大百科全書・6」(小学館)1985年(昭和60)
「日本大百科全書・22」(小学館)1990年(平成2):
「日本大百科全書・24」(小学館)1990年(平成2)
「野の本・山の本(冬)」とよた 時(誠文堂新光社)1988年(昭
和63)

山と田園の画文ライター
ゆ-もぁイラストレーター
【とよた 時】

 

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