山の歴史と伝承に遊ぶ 【ひとり画ってん】

山旅イラスト通信【ひとり画展】とよだ 時

……………………………………

▼741号 「山の植物・サルノコシカケ」

【概略】
大木の幹に生えているサルノコシカケ。かつてガンを治す成分があ
るというので、ブームになったこともあった。しかし、なかにはガ
ンを促進するものもあるというから要注意。これが生えはじめると
木が腐り、材木としては価値がなくなるという。それにしても一度、
猿が腰をかけているのを見たいものだ。

▼741号 「山の植物・サルノコシカケ」

【本文】
天気のよい日に日だまりハイク。山道で、大木の幹に皿のように生
えているサルノコシカケが気になります。サルノコシカケとはいい
ますが、猿が腰掛けているのを見たことないですよね。

これは、サルノコシカケ目のサルノコシカケ科やマンネンタケ科、
キコブタケ科のうち木質で多年生となるキノコの総称だといいま
す。このキノコは多年生で毎年大きくなり、木質、革質、コルク質、
肉質で、色も褐色、紅色、黄色、白色などいろいろです。

キノコの下面には小さな穴があり、穴の内面で胞子を作っています。
種類により、マツタケやマイタケなどのように食用になるものもあ
り、またマンネンタケは装飾用、大きなコフキサルノコシカケは細
工用に、なかにはエブリコ、ブクリョウのように薬になるものもあ
ります。

サルノコシカケは腐ったブナの木によく生えていますね。これが生
えはじめると木が腐り、材木としては価値がなくなるという。かつ
てサルノコシカケにガンを治す成分があるというので、ブームにな
ったこともありました。

しかし、全種類にそのような成分があるは限らず、なかにはガンを
促進するものもあるというから要注意です。

サルノコシカケは、何年も育ち続けるため、幅が1mにもなるもの
もあるということですヨ。ブクリョウは漢方薬になり、昔はこれを
専門に採る「ブクリョウ採り」といわれる人もいました。

それにしても一度、猿が腰をかけているのを見たいものですね。
・サルノコシカケ目サルノコシカケ科・マンネンタケ科・キコブタ
ケ科の菌類のうち木質で多年生になるキノコの総称

▼【データ】
★【参考】
・『新・食品事典5・野菜・藻類』河野友美(真珠書院)1992年(平成4)
・『世界の植物・10』(朝日新聞社)1978年(昭和53年)
・『日本大百科全書・10』(小学館)1986年(昭和61)
・『牧野新日本植物図鑑』牧野富太郎(北隆館)1974年(昭和49)

 

……………………………………

山と田園の画文ライター
イラストレーター・漫画家
【とよだ 時】

 

 

山旅イラスト【ひとり画展通信】題名一覧へ戻る
………………………………………………………………………………………………
「峠と花と地蔵さんと…」トップページ【戻る】