とよた 時・山のゆ-もぁ-と(イラスト)
山旅漫歩゚
【ひとり画通信】

▼706号 「富士山と見ざる言わざる聞かざる三猿」

・【概略】
咲き開いたサクラの花のような美の象徴木花開耶姫。花の散りゆく
一瞬の美。姫はそれを富士山頂で迎えたいと考えた。登山途中3匹
の猿があらわれ案内したという。3匹は山頂に着くと姫のいいつけ
どおり、三戒のうちそれぞれひとつずつのことを守った。三猿伝説
は富士山にもあった。

▼706号 「富士山と見ざる言わざる聞かざる三猿」

【本文】
道ばたの庚申塔や青面金剛塔などに3匹の猿がそれぞれ目や口、耳
を押さえている像があります。見ざる聞かざる言わざるの三猿で日
光東照宮の陽明門でもおなじみです。

この三猿の古代インドで考え出され、東南アジアや中国に広まりま
した。いつのころか日本にも伝来、鎌倉時代以降に絵画や彫刻の題
材に用いられ、処世訓にされてきたもの。

また伝教大師または天台大師が、天台の不見・不聞・不言の三諦(さ
んたい)を3匹の猿の形に託して表現したのが最初との説もありま
す。その三猿伝説が富士山にもありました。

富士山に祭られる木花開耶姫(このはなさくやひめ)は絶世の美女
として有名です。この咲き開くサクラのような存在の姫の美しさの
とりこになった男神たちは毎夜姫のもとに通い詰めていました。

ある日、姫はそれを誇りにしている思い上がった自分に気づきまし
た。花の美しさは散りゆく時。その一瞬のはかない美をこのまま地
上で散らしてはならないと考えました。

姫は白馬に乗り、富士山山頂を目指しました。だれも登ったことに
ない富士山。案の定途中ですっかり方向を見失ってしまいました。
そこへ3匹の猿があらわれ、姫の道案内をはじめたという。

そのあとについていくと山頂に出られました。姫は猿たちに礼をい
いました。しかし無事山頂に着いて安心したのか馬が突然、そこに
倒れてしまったという。

それが富士山山頂にある8つの峰のひとつ、いまの駒ケ岳(浅間ヶ
岳)だと説明しています。開耶姫は猿たちに向かい「私がここにき
たことを誰にもいってはならぬぞ」といい残し、なおも高所に登る
と手にした剣を地につきさし、天に昇っていったという。

いまの剣ケ峰(3776m)なのだそうです。猿たちは姫のいったとお
り「見ざる・言わざる・聞かざる」の三戒をひとつずつ守り、ふも
とに降りていきました。(「富士山・史話と伝説」遠藤秀男による)。

それがいまの三猿だという。こうして木花開耶姫は「富士山開山」
の名を与えられ、次第に富士山の主祭神に祭りあげられようになり
ました。

▼【データ】
【山名】富士山、不尽、不二、布士、富慈、芙蓉峰(ふようほう)、
富岳などの呼び方がある。富士山8合9勺(はちごうきゅうしゃく
=3360m)からから上、約400万平方mは、徳川家康が富士山本宮
浅間大社に寄進したとの記録があるが、明治維新後国有地にされて
いた。8合目から上の神社の施設のある約16万平方m分は1952年(昭
和27)に大社に譲与されているが、富士山頂が返還されなかったた
め、大社側が国を相手取って裁判を起こしました。

1974年(昭和49)、最高裁の判決で大社側の所有が認められた。し
かし静岡、山梨の県境が確定しておらず、登記手続きがとれず(東
海財務局)、2004年(平成16)12月17日、土地の所有権が国から富
士山本宮浅間神社に移った。(2004年(平成16)12月18付け朝日新
聞から)。

しかし、土地の所有権は認められはしたものの、山頂付近の静岡県
と山梨県の県境はまだ定まっていないという。したがって、土地登
記が出来ずじまい。住所は、もちろん静岡県でもなく山梨県でもな
い。所在地は、日本国富士山無番地なのだそうです。同大社側は「こ
れで所有権の手続きは解決した。県境の問題は県民感情もあり、登
記に向けて時間をかけて解決したい」と話しているという。

【所在地】富士山頂
・山梨県富士吉田市、山梨県南都留郡鳴沢村と静岡県富士宮市、富
士市、御殿場市・静岡県駿東郡小山町(合併なし)との境だが八合
目付近から上部は富士山本宮浅間大社の「私有地」になっており、
境界がはっきりしていない。富士急行河口湖駅からバス、河口湖口
五合目から5時間30分で富士山頂。山頂剣ヶ峰に電子基準点(3777.
39m)と二等三角点(3775.63m)、白山岳に二等三角点(3756.36m)
がある。火口内に写真測量による標高点(3535m・標石はない)が
ある。

【位置】(電子国土ポータル)
・山頂剣ヶ峰に電子基準点と三角点、白山岳に三角点、火口内に標
高点がある。

・剣ヶ峰に電子基準点(※標高3774.9m)(北緯35度21分38.75秒、
東経138度43分38.3秒)

・剣ヶ峰電子基準点のすぐ南に三角点(標高3775.6m)(北緯35度2
1分38.26秒、東経138度43分38.52秒)

・白山岳に三角点(標高3756.4m)(北緯35度22分0.02秒、東経138
度43分46.43秒)

・火口内標高点の詳細:(標高3535m)(写真測量による標高点)(緯
度経度:北緯35度21分46.53秒、東経138度43分53.27秒)(国土地理
院「電子国土ポータルWebシステム」から検索)

【基準点の詳細】基準点閲覧サービス
山頂剣ヶ峰に電子基準点と三角点、白山岳に三角点がある。

【剣ヶ峰の電子基準点の詳細】:(基準点コード:EL05338052802)(点
名:富士山)(冠字選点番号:記載なし)(種別等級:電子基準点)
(成果状態:正常)(測地系:世界測地系)(緯度経度:緯度経度:
緯度 35°21′38.7767、経度 138°43′38.2926)(標高3777.39m)
(現況状態:報告なし 20030817)(所在地:記載なし)(点の記図
:閲覧可)。(国土地理院「基準点成果等閲覧サービス」から検索)
※注:電子基準点(国土地理院「電子国土ポータルWebシステム」
では標高3774.9mだが「基準点成果等閲覧サービス」では3777.39
mになっている)

【剣ヶ峰の二等三角点の詳細】:(基準点コード:TR25338052801)(点
名:富士山)(冠字選点番号:正 2)(種別等級:二等三角点)(成
果状態:正常)(測地系:世界測地系)(緯度経度:緯度 35°21′3
8.2608、経度 138°43′38.5153)(標高:3775.63m)(現況状態:
正常 20040820)(所在地:記載なし)(点の記図:閲覧可)。(国土
地理院「基準点成果等閲覧サービス」から検索)

【白山岳の二等三角点の詳細】:(基準点コード:TR25338053801)(点
名:富士白山)(冠字選点番号:正 1)(種別等級:二等三角点)(成
果状態:正常)(測地系:世界測地系)(緯度経度:緯度 35°22′0
0.0174、経度 138°43′46.4289)(標高:3756.36m)(現況状態:
正常 20040820)(所在地:記載なし)(点の記図:閲覧可)。(国土
地理院「基準点成果等閲覧サービス」から検索)

【地図】
・2万5千分の1地形図「富士山(甲府)」5万分の1地形図「甲府
−富士山」(国土地理院「電子国土ポータルWebシステム」から検索)

【山行】富士吉田から旧登山道を五合目佐藤小屋経由・富士山山行
・第2日目:1996年(平成8)7月31日(水・快晴)富士山探訪:19
96年(平成8)7月30日(火・快晴)〜31日(水・快晴)「高尾駅・大月
駅・富士吉田駅・中ノ茶屋・五合目佐藤小屋・八合目太子館泊・富
士山頂お鉢めぐり・新五合目バス停・河口湖駅・大月駅・高尾駅」
:「子供の科学」取材

【参考】
・「日本石仏事典」庚申懇話会(雄山閣)1979年(昭和54)
・「日本大百科全書・10」(小学館)1986年(昭和61)
・「富士山・史話と伝説」遠藤秀男(名著出版)1988年(昭和63)

山と田園の画文ライター
イラストレーター・漫画家
【とよた 時】

 

 

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